「枚挙にいとまがない」とは「数え切れないほど多い」という意味です。「まいきょにいとまがない」と読みます。「枚挙に暇がない」「枚挙に遑がない」と漢字表記する場合もあります。「枚挙」は「一つ一つ数え上げる」、「いとま」は「時間の余裕」という意味で、一つ一つ数える上げる時間的余裕がないほど数量が多いことを示す慣用句です。よい意味でも悪い意味でも使い、文脈で使い分ける必要があります。
「枚挙にいとまがない」は<まいきょにいとまがない>と読みます。 「枚挙にいとまがない」の漢字には「遑が無い」「遑がない」「暇がない」があります。 ただ、漢字が難しいということもあり「いとまがない」とひらがなで表記することが多いです。 「枚挙にいとまがない」の意味は「物事の数が多くて、いちいち数えていては際限がないこと」です。 数えると終わりがないこと、たくさんあり過ぎて細かい部分まで理解できないことを表します。
「枚挙」は「一つずつ数えること」を意味します。 「枚」は「物を数えること」、「挙」は「取り上げること」という意味を持ちます。 「いとま」は「休んでいる間、やるべき事がないとき」を意味します。 時代劇などで、休暇をとることを「おいとまします」と表していますよね。「いとま」と聞くと古めかしい印象を持ちますが、現代でも「休むいとまもない」といったように使われています。 「いとまがない」とすることで、「休む時間がないこと、余裕のないこと」を表します。 「枚挙にいとまがない」と組み合わせると、「数えることに専念して、休むひまがない」「たくさんあって、数えきれない」という意味になります。
たくさん数があって、数えきれないことを表す場合に「枚挙にいとまがない」を使います。 数えるものに決まりはないため、様々なジャンルに対して使うことができます。 「枚挙にいとまがない」はプラスな意味にも、マイナスな意味にも用います。 例えば、「A社が提供しているそのサービスはとても人気で、利用している人は枚挙にいとまがない」と言います。この場合は、「利用している人が多い」と良い意味で使われています。 他にも、「彼女が起こしたトラブルは、枚挙にいとまがない」といったように言います。この場合は、「彼女に関係したトラブルはたくさんある」と悪い意味で使われています。
例文
十指(じっし)に余る (意味:10本の指で数え切れないほどたくさんある) 「十指に余るほど、彼が残した功績がある」 掃いて捨てるほど (意味:極めて多いこと) 「そんな事ができる人は掃いて捨てるほどいる」 幾多 (意味:数が多いこと) 「幾多の問題を乗り越えてここまでくることができた」 星の数ほどある (意味:非常に多くある) 「やるべき事は星の数ほどある」 ごまんとある (意味:多くあること) 「希望している人はごまんといる」 腐るほど (意味:使い切れないほど多くあること) 「チケットは腐るほどある」 数え切れない (意味:たくさんあって数がわからないこと) 「参加者は数え切れないほど集まっている」 盛りだくさん (意味:たくさんあること) 「今回用意している企画は盛りだくさんだ」 余るほど (意味:数が多いこと) 「お金は余るほど持っている」 あまた (意味:数が多くあること) 「彼は引く手あまただから、困らないはずだ」 たくさん (意味:数が多いこと) 「ペンはたくさん持っているから、使って良いよ」
「枚挙にいとまがない」は「とても数が多い」という意味なので、「so many」「a lot」などと言えばいいでしょう。 直訳的に「Too numerous to mention」などと表現することも可能ですが、「枚挙にいとまがない」のような慣用句は英語にはありませんので注意してください。
There have been so many incidents like that in Japan.
日本にはそのような事件は枚挙にいとまがない。
「枚挙にいとまがない」について理解できたでしょうか? ✔︎「枚挙にいとまがない」は「まいきょにいとまがない」と読む ✔︎「枚挙にいとまがない」は「数が多くて、いちいち数えることができないこと」を意味 ✔︎「枚挙にいとまがない」は良い意味としても、悪い意味としても使うことができる ✔︎「枚挙にいとまがない」の類語には、「十指に余る」「掃いて捨てるほど」「あまた」などがある