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「お借りする」の意味と敬語、言い換え、「お貸しする」との違いを解説

「お借りする」は「借りる」の謙譲語です。自分が目上の人に何かを借りるときに使用することができます。今回は「借りる」の敬語表現を解説します。また「お借りする」の言い換え表現や敬語表現にするときの注意点も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「借りる」の敬語

「借りる」の謙譲語は「お借りする」「借りさせていただく」

「借りる」の謙譲語は「お借りする」「お借りさせていただく」です。 「お借りする」は「借りる」に、敬語の接頭辞の「お」をつけた言葉です。 接頭辞「お」の敬語の種類は尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりますが、自分が目上の人から「借りる」時の「お借りする」の「お」は謙譲語です。 「お借りする」を尊敬語として使うことも可能ですが、「する」が敬語ではないので、丁寧さに欠け不適切です。 「お借りする」を、

  • お借りします
  • お借りいたす
  • お借りしたく存じます
  • 借りさせていただきます

とするとより丁寧な敬語表現になります。 「お借りします」は、謙譲語「お」+「借りる」+丁寧語「ます」です。 「お借りいたす」は、謙譲語「お」+「借りる」+丁重語「いたす」です。 「丁重語」は動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語表現です。 自分をへりくだることで相手に敬意を示す謙譲語と同じ種類の敬語で、「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 「お借りさせていただく」は、謙譲語「お」+「借りる」の名詞+謙譲語「させていただく」です。 「借りる」という動詞に対して同じ種類の敬語が2つ使用されているので、厳密には二重敬語にあたります。 「借りさせていただきます」とすれば正しい敬語です。

例文

  • そちらに置いてあるボールペンをお借りします。
  • より良い商品開発のため専門家のお力をお借りすることになりました。
  • 経験者のお知恵をお借りしたく存じます。
  • お金をお借りすることは可能でしょうか。
  • 資料がそちらにあるということで、来週お借りに伺いますのでよろしくお願い申し上げます。

「借りる」の尊敬語は「お借りになる」「借りられる」

「借りる」の尊敬語は「お借りになる」「借りられる」です。 「お借りになる」は「借りる」に、敬語の接頭辞の「お」をつけた言葉です。 「借りる」のは目上の相手なので、接頭辞の「お」は尊敬語になります。 したがって「お借りになる」で、目上の人が「借りる」ということを敬っていうことができます。 「借りられる」は「借りる」に尊敬の助動詞「れる」をつけた言葉です。 助動詞「れる」には他にも「自発」「受身」「可能」の意味もあります。 ただし、「れる」には尊敬の他にも「受け身」や「可能」の意味もあるので混乱を招く可能性があり、「お借りになる」を使用されることが多いです。

例文

  • 部長がお借りになられた小説は映画化することが決まっている。
  • その件についてはA社の○○さんの知恵をお借りになられたらいかがでしょうか。
  • 部長は現地の人から地図を借りられてホテルまで戻ることができたそうです。

「借りる」の丁寧語は「借ります」

「借りる」の丁寧語は「借ります」です。 「借りる」に丁寧語「ます」をつけています。 丁寧語とは、文末につける「です」「ます」のように文章全体を丁寧にする敬語表現です。 丁寧語は敬語の一種ではありますが、尊敬語や謙譲語とは異なり敬意を示すことができないため丁寧さに欠けます。 目下の相手は同等の相手、親しい間柄であれば「借ります」でも問題ありませんが、上司など敬意を示すべき相手に対しては、謙譲語や尊敬語を使用してより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

例文

  • 佐藤さんに今日の本を借ります。
  • 飛行機で行き、現地でレンタカーを借ります。

「お借りする」の言い換え・類語

拝借する

「拝借」は「はいしゃく」と読みます。 「拝借」は「借りる」の謙譲語です。 「拝」は「おがむこと」を表しているので、謙遜の気持ちを表すときによく使います。 「おがむ」は感謝を示す行為のことで、「拝」が含まれる言葉には「ありがたく◯◯する」という気持ちが込められます。 したがって「拝借する」は「ありがたく借してもらう」ということを伝えられる言葉になります。 自分が借りることを言い表すときには、「拝借する」のほうが「お借りする」より丁寧です。

「拝借」の意味と使い方は?ビジネスメールの例文、類語、英語も紹介!

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お貸しいただく

「お貸しいただく」は、「お」+「貸す」+「いただく」でできている言葉です。

  • 「お」は謙譲語
  • 「いただく」は「もらう」の謙譲語

です。 「お貸しいただく」も、謙譲している言葉が違うので二重敬語ではありません。

「お借りする」の対義語

お貸しする

「お貸しする」は、目上の人に何かを「貸す」ということを言い表す言葉です。 「お貸しする」の「貸す」につく接頭語の「お」は謙譲語です。 「お貸しする」は、自分の「貸す」という行為をへりくだることで相手に敬意を示しています。 例えば「もしよろしければ、私のペンをお貸しします」というように使用します。

貸与する

「貸与」は「たいよ」と読みます。 「貸与」の意味は「貸し与えること」です。 返却することを条件として、金品などを貸すことを「貸与する」といいます。 「貸与する」は謙譲語としては使用しません。 「貸与」は目上の者が目下の者に物を貸す時に使うので、「貸与なさる」などと尊敬語で使うのが普通です。

「お借りする」の二重敬語に注意

お借り申し上げる

「お借り申し上げる」は二重敬語なので注意しましょう。 「お借り申し上げる」は、品詞分解すると「お」+「借りる」+「申し上げる」となります。

  • 「お」は謙譲語
  • 「申し上げる」は「言う」の謙譲語

です。 「お」「申し上げる」は違う言葉を謙譲語化しているが、「申し上げる」は事実上補助動詞なので、「お借り申し上げる」は、二重敬語を二つ使用した二重敬語になってしまいます。

お借りできますでしょうか

「お借りできますでしょうか」は、

  • 謙譲語の接頭語「お」
  • 丁寧語「ます」
  • 「だろうか」の丁寧語「でしょう」
  • 疑問の終助詞「か」

を使用した敬語表現です。 したがって、丁寧語を二つ使用した二重敬語であるとえいます。 「お借りできますか」「お借りできるでしょうか」が正しいです。

ご拝借する

「ご拝借する」も二重敬語です。 「ご拝借する」は「拝借」に接頭語「お」をつけています。

  • 「お」は謙譲語
  • 「拝借」は「借りる」の謙譲語

です。 したがって、謙譲語「拝借」に謙譲語の「お」をつけてしまうと二重敬語になってしまい誤用になってしまいます。 「拝借します」「拝借いたします」などが正しい敬語表現です。

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