「貸す」の意味は、自分の物を(時間を限って)他人に使わせるという意味です。「お貸しください」で、貸してくれという意味の敬語表現になります。相手から何かを借りたいときに使うことができますが、命令文であるため「お貸しくださいますようお願いします」など、より丁寧な敬語表現い言い換えられることが多いです。
「お貸しください」は「おかしください」と読みます。 「お貸しください」の意味は「貸してくれ」です。 「お貸し」には「自分の物を(時間を限って)他人に使わせる」という意味があります。 「ください」は「くれ」という意味です。 したがって「お貸しください」は「貸してください」は「貸してくれ」という意味の命令文になります。
「貸す」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「お(ご)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「お」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語になります。 「ください」は、命令形「くれ」の尊敬語です。 「ご(お)〜ください」の形で、相手に〜してくれと要望・懇願することについて相手を高めることができます。 「お貸しください」は正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ください」は、漢字で「下さい」と書きますが、漢字表記にできるのは「物をもらう」という本動詞として使うときです。 例えば、「お水を下さい」などの場合は漢字で書きます。 「お貸しください」のように補助動詞で使う場合は、平仮名で表記するのが正しいです。
「貸してください」は「貸す」に「する」の連用形「し」と、接続助詞「て」、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 「貸してください」も正しい敬語表現ですが、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけた「お貸しください」のほうが敬意の度合いが高いです。
「お貸しください」を「お貸しくださいませ」とすると、柔らかい印象になります。 「お貸しくださいませ」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」は、柔らかい響きがあるので男性は使えないと認識している人も多いですが、男性も使うことができます。 どうしても気になる人は「お貸しいただきますようお願いいたします」などの敬語表現を使いましょう。
「お貸しいただきたく存じます」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お貸しいただきたく存じます」で、「貸してもらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「お貸しいただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な依頼表現です。
「お貸しくださいますようお願いいたします」の意味は、「貸してくれるようお願いする」という意味です。 「お貸しくださいますようお願いいたします」の「お貸しくださいますよう」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう」で、直接的な表現を避けることができるので、ただ「お願いします」とお願いをするよりも柔らかい表現になります。 「お貸しくださいますようお願いいたします」の「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」は補助動詞なので、平仮名で表記するのが正しいです。
「お貸しいただきますようお願い申し上げます」の意味は、「貸してもらうようお願いする」です。 「お貸しいただきますようお願い申し上げます」の「お貸しいただきますよう」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」、婉曲表現「よう」をつけた敬語表現です。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語「お願い申し上げる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「申し上げます」は、補助動詞なので本来は「お願いもうしあげます」と平仮名で表記するのが正しいですが、慣用的に「お願い申し上げます」と書かれることが多いです。 「お願いいたします」と同様に、依頼をする場面で使われるフレーズです。 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」は、どちらも敬意の度合いは同じですが、「お願い申し上げます」のほうが意味合い的に謙虚で丁寧なので「お願い申し上げます」が使われることが多いです。
「お貸しいただけますか」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「お貸しください」では丁寧さに欠けますが、「貸してもらえますか?」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。
「お貸しいただければ幸いです」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて「もらう」の謙譲語「いただく」と、仮定を表す接続助詞「れば」、「幸い」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれば自分にとって嬉しいことだという気持ちを表します。 「お貸しいただければ幸いです」で、「貸してもらえれば嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。 「お貸しいただければ幸いです」と似た敬語表現には「お貸しいただけると幸甚です」があります。 「お貸しいただけると幸甚です」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と、接続詞「と」、「幸甚」、丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸甚です」は「幸いです」のよりかしこまった表現で、「ありがたく思う」「非常に嬉しい」という意味があります。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」という敬語表現もあります。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」は、「貸してもらえると非常に嬉しく思います」という意味です。 「お貸しいただけますと幸甚に存じます」の「お貸しいただけますと」は、「貸す」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」をつけて、「幸甚」に「思う」の丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけています。
「お貸しください」は、何かを貸してほしいとお願いをするときに使います。 例えば、イベントに使う備品を借りたいときなどです。 また、「皆様の力をお貸しください」などと協力を仰ぐときに使うこともできます。 依頼をするときは
などのクッション言葉と併せて使うとより丁寧になります。 クッション言葉とは相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。ビジネスシーンでは様々な状況で使われます。 クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 口頭や電話だけではなくビジネスメールで使うこともできますが、文章で使うときは「お貸しくださいますようお願いいたします」など、より丁寧な敬語表現にして使われることが多いです。
【件名】 備品拝借のお願い 【本文】 大川事務長 お疲れ様です。営業部の青木です。 標題の件、12月12日(水)に行われます会議にて使用したく、お貸しいただきたく存じます。 貸出物品名:テレビモニタ 1つ 有線マイク:1つ 借用者の所属・氏名:営業部 青木俊 貸出期間:平成31年12月12日(水) 13時〜15時 上記の通り申請いたします。 許可のほどよろしくお願い申し上げます。 青木
【件名】 サンプル品貸出のお願い 【本文】 株式会社あいうえお 営業部 大橋様 先日は展示会にて新しい機材についてご丁寧に説明いただきありがとうございます。 早速ですが、新しい機材○○のことを上司に説明しましたところ、実際に見て確認したいと申しております。 先日のご説明で、サンプル品の貸し出しが可能とのことでしたので、可能なときに○○をお貸しくださいますようお願い申し上げます。 こちらから受け取りに伺いますので、貸出可能な日程をご連絡いただければ幸いです。 ご多忙の中恐縮ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。 長谷川
【件名】 新商品開発について 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。 商品開発部の麗日です。 商品開発部では現在、12月発売予定の新製品を開発中でございます。 しかし、ありきたりな商品ばかりで新鮮味が足りないのではないかという声が上がっております。 つきましては、お客様の声を身近で聞いている営業部の皆様にご意見をちょうだいしたく存じます。 日頃耳にするお客様の声や「こんな商品があったら良いのでは」という意見があれば、ぜひお聞かせいただけないでしょうか。 お忙しいところ恐れ入りますが、お力をお貸しいただければ幸いです。 よろしくお願い申し上げます。 麗日