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「お声がけさせていただきます」の意味と敬語を例文つきで解説

「お声がけさせていただきます(おこえがけさせていただきます)」は、声をかけさせてもらうという意味です。ビジネスシーンでは「イベント開催時にはお声をかけさせていただきます」などと、将来やることに対する誘い文句や、挨拶文の結びの言葉として使われることが多いです。

「お声がけさせていただきます」の意味と敬語

意味は「声をかけさせてもらう」

「お声がけさせていただきます」は「おこえがけさせていただきます」と読みます。 「お声がけさせていただきます」の意味は「声をかけさせてもらう」です。 「お声がけ」には「声をかけること。話しかけること。」という意味があります。 ビジネスシーンでは「質問」や「用名」という意味合いでも使われます。 「お声掛け」は漢字にすると「御声掛け」です。 「御」は接頭辞です。 「掛け」は本動詞ですが、「掛ける」の原義(本来の意味)から離れているのでひらがながベターです。 しかし、「掛ける」に「言葉を発して相手に届かせる」という意味もあるため、「お声掛け」と漢字表記しても間違いではありません。 「お声がけ」と「お声かけ」は、「お声がけ」が正しいです。 和語(訓読みの言葉)と和語が組み合わさった言葉では「連濁(れんだく)」が起こります。 連濁とは、二つの語が結びついて一語にする複合語の後ろの語の最初の清音が濁音に変化することです。 「お声がけ」も「こえ」と「かけ」の複合語になるため、「かけ」が「がけ」と変化するため「お声がけ」となります。

二重敬語ではない

「お声がけさせていただきます」は、品詞分解すると「お」+「声がけ」+「させていただく」+「ます」となります。 「声がけ」についている「お」は謙譲語の接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は、尊敬・謙譲・丁寧のいずれの意味もありますが、「お声がけさせていただきます」の「お」は自分が声をかけることをへりくだり相手に敬意を示すためにつけているので、謙譲語です。 「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語です。 「ます」は丁寧語です。 「お」と「いただく」はどちらも謙譲語なので二重敬語だと解釈する人もいます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二つ以上重ねて使用することをいいます。 「お声がけさせていただきます」の場合は、「お〜させていただく」の形で一つの謙譲表現として慣例的に使われ許容されています。 また、「お」は「声がけ」を、「いただく」は「もらう」を謙譲語化しており、別の語にかかっているので、二重敬語ではないと解釈することも可能です。 謙譲語の接頭辞「お」をとって「声をかけさせていただきます」としても正しい敬語です。

「させていただく」は相手の許可+自分に利益が必要

「させていただく」を使用するには、

  • 相手から許可があるか
  • 自分に利益があるか

の2つの条件が必要です。 「お声がけさせていただきます」の場合は、声をかけることに対して相手に許可をとるわけではないのでやや大袈裟な表現といえますが、自分が相手に声をかけることをへりくだった謙虚な表現として使われることが多いです。 どうしても気になる場合は、「お声がけいたします」などと言い換えましょう。

「お声がけさせていただきます」の使い方と例文

誘い文句

「お声がけさせていただきます」は、将来的に誘うことを相手に伝えるときに使います。 例えば、プロジェクトの計画を練っている段階で、協力してもらいたい相手に「計画が具体的になったら声をかけます」と伝える場面です。 また、飲み会などに誘った相手に断られたときの返信で使うこともできます。

【件名】 新商品「△△△」について 【本文】 株式会社アイウエオ 営業部 長谷川様 お世話になっております。 株式会社カキクケコ商品開発部、森山です。 標題の件ですが、PRをお願いしていた新商品「△△△」が完成いたしました。 発売日は12月中旬を予定しておりますが、まだ決定しておりません。 詳細が決まり次第、お声をかけさせていただきます。 お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 森山

【件名】 懇親会について 【本文】 営業部 林部長 お疲れ様です。 営業部の斎藤です。 今回の懇親会には参加できないとのこと、承知いたしました。 ぜひ林部長にも参加していただきたかったのですが、誠に残念です。 また、次の機会にもお声をかけさせていただきます。 今後ともよろしくお願い申し上げます。 斎藤

結びの言葉

「お声がけさせていただきます」は、挨拶文の結びの言葉としても使うことができます。 例えば、ビジネスシーンで取引きが完了した相手に「また次の機会があればよろしくお願いします」という意味で使います。 また、会食や飲み会に参加してくれた相手へのお礼のメールなどでも使うことができます。

【件名】 プロジェクトのお礼 【本文】 株式会社マグカップ 広報部 大橋裕太様 平素よりお世話になっております。 株式会社湯呑、企画部の緑谷です。 この度は、貴社新規プロジェクト「△△△」においてPR業務をご担当いただきありがとうございました。 プロジェクトが成功したのは、大橋様のお力添えのお陰でございます。 お忙しい中、快くお引き受けいただきましたことお礼申し上げます。 また、新規プロジェクト立ち上げの際にはお声がけさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 本来ならば直接お礼に伺うべきところですが、まずはメールにてご挨拶させていただきます。 本当にありがとうございました。 緑谷

【件名】 飲み会のお礼 【本文】 青山係長 お疲れ様です。 昨日は、お忙しいなかお話を聞いてくださりありがとうございました。 青山係長の貴重なお話を聞けて、大変有意義な時間でした。 またお声がけさせていただきます。 今後とも、よろしくお願いいたします。 峯田

「お声がけさせていただきます」の敬語の言い換え

お声がけします

「お声がけします」は、「声がけ」に謙譲語の接頭辞「お」とつけて、「する」の連用形「し」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「お声がけします」も、目上の人に使うことができます。 口頭で使う場合や親しい間柄であれば十分丁寧な敬語表現ですが、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」を使った「お声がけさせていただきます」のほうが丁寧です。

お声がけいたします

「お声がけいたします」は、「声がけ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「する」の丁重語「いたす」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お声がけします」よりも「する」の丁重語「いたす」を使った「お声がけいたします」のほうが丁寧です。

お声がけさせてください

「お声がけさせてください」は、「声がけ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて「させてくれ」の尊敬語「させてください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが、「させてください」が命令形「させてくれ」の尊敬語であるため、丁寧さに欠けます。 「〜させてください」と口頭や電話で使うことは多いですが、ビジネスメールなどで使う場合は、より丁寧な敬語表現を使いましょう。

お声がけさせていただきたく存じます

「お声がけさせていただきます」は「お声がけさせていただきたく存じます」とすると、「声をかけさせてもらいたいと思う」という意味になり、より謙虚になります。 「お声がけさせていただきたく存じます」は、「声がけ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お声がけさせていただければと存じます」としても丁寧です。 「いただければ」は「もらう」の謙譲語と仮定の「れば」を使っていて、「させていただければ〜」とすることで断定を避けた謙虚な表現になります。

お声がけさせていただけますと幸いです

「お声がけさせていただけますと幸いです」は、「声をかけさせてもらえると嬉しい」という意味です。 「お声がけさせていただけますと」は、「声がけ」に謙譲語の接頭辞「お」をつけて「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と丁寧語「ます」をつけています。 「幸いです」は、「そうしてもらえると嬉しい・ありがたい」という気持ちを表します。 「お声がけさせていただけますと幸いです」は、「お声がけさせていただければ幸いです」とすることもできます。 「させていただければ」は、上述したように仮定の「れば」を使うことで断定を避けた謙虚な表現です。 また、「幸いです」は「幸甚です」とすることもできます。 「幸甚です」は「この上なく嬉しい・ありがたい」という意味で、「幸いです」より、かしこまった表現です。

「お声がけ」の類語

お誘い

「お誘い」は「おさそい」と読みます。 「お誘い」の意味は「一緒に何かへ参加するように誘うこと」です。 「お声がけ」と「お誘い」では大きな違いがあります。 「お声がけ」は、「声をかけること」ですので「会食やイベントがあることを伝える行為」です。 「お誘い」は、「一緒に参加するように誘うこと、するように勧めること」なので「会食やイベントに誘う行為」となります。

ご用命

「ご用命」は「ごようめい」と読みます。 「ご用命」の意味は「用事をいいつけること」です。 「ご用命」は目上の人が自分に用事をいいつけることをいいます。 例えば「何かありましたらご用命ください」などと使います。 「ご用命」は「お声がけ」とは違い、自分に対して使うことはできません。 例えば「ご用命させていただきます」などの使い方は誤りです。

「ご用命」の意味と社内での使い方、お礼、「ご下命/ご要望」との違い

WURK

お申し付け

「お申し付け」は「おもしつけ」とよみます。 「お申し付け」は「言う」の謙譲語である「申す」に接頭辞「お」をつけた言葉です。 「お申し付けてください」などの形で、「何でも言ってください」という意味になります。 「自分に何か言いつけて欲しい」とお願いするときによく使用される言葉です。

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