「鬼が出るか蛇が出るか(おにがでるかじゃがでるか)」の意味は「将来は予測不能」です。注意喚起をするときや、自戒、意気込みを伝えるときに使用します。「たとえがたとえなので良い意味では使えません。
「鬼が出るか蛇が出るか」の読み方は「おにがでるかじゃがでるか」です。 「鬼」は訓読みで「おに」、「出」は訓読みで「でる」、「蛇」は音読みで「ジャ」と読みます。 「蛇」は「へび」ではなく「じゃ」なので注意しましょう。
「鬼が出るか蛇が出るか」の意味は「将来は予測不能」です。 「どんな恐ろしいことが起こるかわからない」ということを、「鬼が出るのか蛇が出るのかわからない」という状態にたとえた慣用句です。 将来どんな運命が待ちかまえているのか予測ができないことを言い表した語です。
「鬼が出るか蛇が出るか」の語源は、からくり人形を操る「傀儡師(からかいし)」の言葉です。 「傀儡師」が箱から人形を出すときに、見ている人の興味を引くために「さて、鬼が出るのか蛇がでるのか、どちらでしょう」と言ったことが語源といわれています。 そこから転じて「どんな運命が待ちかまえているのか予測ができない」という意味で「鬼が出るか蛇が出るか」は使われるようになりました。 「鬼」は、災いや良くないことのたとえで、「蛇」は、よいことのたとえです。 「鬼が出るか仏が出るか」ともいいます。
「鬼が出るか蛇が出るか」は注意喚起として使用されます。 例えば、起業をして経営が順調に進んでいるという状態の人に「今はうまくいっていても、将来は何が起こるかわからないのだから、油断しないようにね」と伝えるときに使用することができます。 「鬼が出るか蛇が出るか、・・・」の形で使います。 慣用句なので「鬼が出るか蛇が出るかわからないから」などと原則的に活用してはいけません。
例文
「鬼が出るか蛇がでるか」は、自戒(じかい)の意で使用することもできます。「自戒」とは「自ら自分の言動をいましめること」です。 何か順調に物事が進んでいるような状態で、浮かれてしまいそうになったときなどに、「将来は何が起こるかわからないのだから、油断をせず今一度気を引き締めよう」という意味で「鬼が出るか蛇が出るか」と使います。 また、「どうなるかわからないけど、とにかく進んでいくんだ」という意気込みを伝えるときに使用することもできます。
例文
「鬼が出るか蛇が出るか」は、漫画のタイトルでも使われています。 「鬼が出るか蛇が出るか」は、妖怪の美少女の囲まれた村で生活を送る主人公が、種の存続のために「子作り」を使命をして課された日常を描いたストーリーで、全5巻です。 また、漫画やアニメの登場人物のセリフとしても使用されます。 例えば、ハンターハンターではキルアというキャラクターが「鬼が出るか蛇が出るか」というシーンがあります。
「鬼が出るか蛇が出るか」は、たとえがたとえなので良い意味では使えません。 よい結果を期待している時にも使わない方がよいでしょう。 例えば、
ということに対して使用するのは避けるべきです。 例えば、「息子さんの将来は鬼が出るか蛇が出るか楽しみですね」「鬼が出るか蛇が出るか、これからの未来に胸を膨らませる」という使い方はできません。
「鬼がでるか蛇が出るか」は、
など日常的なことに対して使うのは大げさすぎて不自然です。 例えば、「好きな人から返信が来るかは鬼が出るか蛇が出るか」という使い方は誤用です。 長年勤めていた会社を退職をして起業をするなど、将来の運命を左右するようなことに対して「鬼が出るか蛇が出るか」を使用します。
「予測不可能」は「よそくふかのう」と読みます。 「予測不可能」の意味は「予測ができない」という意味です。 「予測」は「将来どうなるかを得られた情報などに基づいておしはかること」です。 「不可能」は「可能ではないこと。できないこと」です。 「予測不可能」で、「これから起こりうることを想像することができない」ということを言い表します。
「吉と出るか凶と出るか」は「きちとでるかきょうとでるか」と読みます。 「吉と出るか凶と出るか」の意味は「良い方向に進むか、悪い方向に進むか」という意味です。 例えば、何かを選択したときにそれが良い結果になるか、悪い結果になるかわからないという状態を「吉と出るか凶と出るか」といいます。 「吉と出るか凶と出るか」は「鬼が出るか蛇が出るか」と同義です。
「当たる八卦当たらぬも八卦」は「あたるもはっけあたらぬもはっけ」と読みます。 「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味は「占いは、当たることもあれば当たらないことも有る」です。 「八卦」は、易で、陰と陽を示す算木の組み合わせで得られる八種の形のことです。 そこから転じて「占い」という意味で使用されるようになりました。 「占いが当たらなくても落ち込まないで」という慰めの意味で使用されます。 「当たるも八卦たらぬも八卦」は、本来占いの当たり外れ以外で使用することはできません。
「鬼が出るか蛇が出るか」は「将来は予測不能であること」を言い表す言葉なので、「これから起こりうることを想像することができる」という意味のある言葉が対義語になります。 「予測可能」は「よそくかのう」と読みます。 「予測可能」の意味は「予測することができる」です。 どんなことが起こるのかを想像することができることをいいます。 「推測の及ぶ」は「すいそくのおよぶ」と読みます。 「推測の及ぶ」の意味は「物事をおしはかることができる」です。 状況などからどうなるかを推しはかって想像することができることを言い表します。 「見当がつく」は「けんとうがつく」と読みます。 「見当がつく」の意味は「見通しや予測ができる」です。 中身が明らかになっていないある物事について、おおよその予想をすることをいいます。 「目鼻がつく」は「めはながつく」と読みます。 「目鼻がつく」の意味は「物事の見通しが立つこと」です。 肖像画を書くときに、顔の中心になる目や鼻をつけることで完成後のイメージができるようになることから、物事の予想がつけられるようになることを「目鼻がつく」といいます。
「予想がつく」「どんな将来になるか見える」というよりポジティブなニュアンスなら、「見通し立つ」「展望が開ける」「活路が見出せる」が対義語になります。 「見通しが立つ」は「みとおしがたつ」と読みます。 「見通しが立つ」の意味は「将来を予測することができる」です。 例えば、何か目標に向けて努力をしているという場面で、もうすぐ目標を達成できるという状態になることを「見通しが立つ」といいます。 「展望が開ける」は「てんぼうがひらける」と読みます。 「展望が開ける」の意味は「将来に希望がもてる様子」です。 希望通りに事が運びそうな状況になったことをいいあらわします。 「活路が見出せる」は「かつろをみいだせる」と読みます。 「活路を見出せる」の意味は「困難や危機的状況を抜け出す方法を見つける」です。 何か思うようにいかないような状態であるときに、何かしらの方法を見つけて明るい将来を見いだせるようになることをいいます。
「鬼が出るか蛇が出るか」の英語表現には「You never know what is going to happen.」があります。 直訳すると「何が起こるかあなたは知らない」という意味です。
「神のみぞ知る」という意味の「God only knows what may happen.」も使うことができます。 「God knows what will happen.」としてもよいでしょう。
「鬼が出るか蛇が出るか(おにがでるかじゃがでるか)」の意味は「将来は予測不能」です。 「どんな恐ろしいことが起こるかわからない」ということを、「鬼が出るのか蛇が出るのかわからない」という状態にたとえた慣用句です。 からくり人形を操る「傀儡師(かいらいし)」が、箱から人形を出すときに見ている人の興味を引くために「さて、鬼が出るのか蛇がでるのか、どちらでしょう」と言ったことが語源です。