敬語「お知り合い」の意味と使い方を解説していきます。「お知り合い」は「知り合い」の敬語ですが、目上の人に使うことはできるのでしょうか?「お知り合い」の言い換えにはどんな敬語表現があるかも含めて詳しく解説していきます。
「知り合い」の意味は「お互いに知っていること」です。 面識があって互いに相手を知っているという状態、またその相手を「知り合い」といいます。 どちらかが一方的に知っているという状態は「知り合い」とはいいません。
「知り合い」の例文
「お知り合い」は「知り合い」に接頭語の「お」をつけた言葉です。 接頭語「お(ご)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 「お知り合い」の「お」も同様です。 相手が誰かと知り合いであることを敬っていうときの「知り合い」につく接頭語の「お」は尊敬語になります。 自分が目上の人と知り合いの場合は謙譲語と解釈できますが、その場合は「知り合い」の形で使うのが普通です。 したがって、「お知り合い」は目上の人に対して使用することが可能です。
「お知り合い」は、相手に「A社の社長とはお知り合いですか?」などと、相手と対象人物が知り合いであるかどうかを尋ねる場面で使用します。
例文
「お知り合い」は、相手と知り合うことができた喜びを伝える場面でも使用することができます。 この場合は「お」は丁寧語(厳密には美化語)ととるのが普通です。 これを尊敬語としてしまうと、自分に対しても尊敬語を使っていることになってします。 「丁寧語」は「です」「ます」のように物事を丁寧にいうことで相手に敬意を示す敬語表現ですが、敬意を示す相手の有無を問わず幅広く使用することができます。 「美化語」も敬意を示す相手の有無を問わず使用することができますが、主に「お天気」「お菓子」のように物を上品にいう時に使います。
例文
「御知人」は「おしるびと」よ読みます。 「おしるひと」とも読みます。 「御知人」は、「知人」に接頭語の「お」をつけた言葉です。 「御知人」で「お知り合い」「知人」という意味になります。 「お知り合い」を「御知人」に言い換えることができますが、「御知人」は日常生活で使用されることはありません。
「知人」は単に知っている相手を指す言葉です。 「知人の方」は、「知人」に他人を高めていう語である「方」をつけています。 したがって、「知人の方」は相手の知人を敬っていう語です。 「知人」の中でも、信頼することができる相手を「友人」と呼びます。 互いのことをよく知っていて親しい間柄である場合は「友人」です。 「友人」の類語には「親友」「知己(ちき)」「知音(ちいん)」があります。
「ご友人」は、「友人」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「ご友人」とすると、相手の友人を高めていう語になります。 「ご友人様」は二重敬語になってしまうので注意しましょう。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を二回以上重ねて使用してしまうことをいいます。 「ご友人様」は、「友人」に対して尊敬を表す接頭語の「ご」と、人を表す語や団体に付いて尊敬を表す「様」を使用しているため二重敬語にあたります。 「ご友人」ですでに相手を敬うことができているので「様」を使用する必要はありません。
「ご面識」は「ごめんしき」と読みます。 「面識」の意味は「互いに顔を見知っていること」「顔見知りであること」です。 お互いをよく知っていなくても、「会ったことがある」という場合には「面識がある」と言い表します。 「ご面識」は「面識」に接頭語の「ご」をつけて、相手が顔見知りであることを敬っていうことができます。
「ご存知」は「知っていること」の尊敬語です。 相手が「知っている」ということを高めていうことができます。 ただし、「ご存知」は「名前だけを知っている」という状態である可能性もありますし、「顔だけ知っていて名前は知らない」という状況かもしれません。 反対に、名前も性格もすべて知っていて仲良しという場合もあります。 「○○さんをご存知ですか?」と質問をして「はい」と言われても「知っている」というだけでは関係性まで知ることはできません。
「ご厚誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「厚誼」に尊敬を表す接頭語「ご」をつけて、「ご厚誼」とし敬語表現となります。 「厚誼」の意味は、「心からの親しい付き合い」「手厚い親切」「深い親しみの気持ち」となります。 「ご厚誼」には、日頃からお世話になっている目上の相手に対して、感謝を示す気持ちが込められています。
「ご好誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「好誼」の意味は、「したしみ」「好意による交際」「心のこもった付き合い」となります。 そこに尊敬を表す接頭語「ご」をつけて「ご好誼」となり敬語表現となります。 「ご好誼」は手紙などで使うことが多く、「日頃からのご高誼に〜」「今後も変わらぬご好誼〜」といったように感謝やお願いをするときに使うことが多い言葉です。 ただ「ご好誼」は一般的に使用頻度が少ない言葉になります。
「お知り合いですか」と聞く時の英語は「know」を使います。 「know」は「知っている」という意味の状態動詞です。
Do you know Steve?
スティーブさんとお知り合いですか。
上記の質問に対する答え方は大別して下記の2つです。
Yes. I've known him for over 10 years.
はい。十年以上の付き合いです。
No, I'm afraid we're not acquainted.
いいえ、知り合いではありません。
「お知り合いになれて嬉しいです」を英語で表現する時は「meet」を使います。 「会う」を意味する英語にはもう一つ「see」がありますが、「see」は初めて会う人には使いません。 初めて会う人には「meet」、二度目以降は「see」を使いましょう。
I'm so glad to meet you.
お知り合いになれて嬉しいです。