「ご厚誼」は「交際する際の深い親しみの気持ち」を意味します。類語「ご厚情」「ご高配」はよりくだけた言い回しで結婚式の挨拶などで使うのに対して、「ご厚誼」はビジネスシーンや喪中はがきなどで主に使います。「ご厚誼を賜り〜」の言い回しで感謝の気持ちを伝える時に使います。
「ご厚誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「厚」は音読みだと「コウ」、訓読みだと「あつい」と読みます。 「誼」は音読みだと「ギ」、訓読みだと「よしみ」と読みます。
「厚誼」の意味は、「心からの親しい付き合い」「手厚い親切」「深い親しみの気持ち」となります。 「厚誼」に尊敬を表す接頭語「ご」をつけて、「ご厚誼」とし敬語表現となります。 「厚」は「人や物事に対する心入れの程度が大きい」「程度がはなはだしい」を意味しています。 「誼」は「親しい関係」「親しい間柄から生じる情や好意」を意味しています。 「ご厚誼」には、日頃からお世話になっている目上の相手に対して、感謝を示す気持ちが込められています。
「ご厚誼」は、ビジネス文書やスピーチの際の挨拶や結びの言葉として使われることが多い言葉です。 「ご厚誼」は、相手を敬い、日頃からお世話になっていることに対する感謝の気持ちを込めて目上の相手に対して使用する言葉です。相手に使用する言葉のためビジネスシーンでの使用頻度が高くなります。 主に取引先相手への新年の挨拶、年末の挨拶、日頃のお礼、謝罪文などに用いられています。
などといった言い回しがされています。
「ご厚誼」の例文(ビジネスでの取引先)
「ご厚誼」は、異動、委任、就任をする際の挨拶の締めの言葉でも使われています。 「今後も変わらず、良い関係でいたい」「よろしくお願いします」という気持ちや、これまで親しくしてもらった感謝の気持ちを込めて使います。
などと使われています。
「ご厚誼」の例文(異動、委任、就任)
「ご厚誼」は喪中はがきにも使うことが出来ます。 親族が亡くなったことを伝えると主に、今までのお付き合いに感謝し、これからのお付き合いをお願いするときに使います。 喪中はがきを親戚に対して送る際も「ご厚誼」を使うことは可能です。 堅い言葉ではありますが、喪中はがきの文言は形式的なものなので、そこまで気にする必要はありません。
「ご厚誼」の例文(喪中はがき)
「ご交誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「交誼」の意味は、「交際のよしみ」「親しい交わり」「友人としての親しい付き合い」となります。 「ご交誼」は、「交誼」という言葉に接頭語の「ご」をつけた敬語になります。 「ご交誼」は、「親しい交流をする」という意味のある言葉で「交」とは「友好関係」に使用される言葉です。 したがって「交誼」とは自分と対等の立場の関係である相手に対して使用する言葉で、友人や親せきなど上下関係のない相手に使用することができます。 目上の相手には使うことが出来ません。
「ご交誼」の例文
「愛顧」は「あいこ」と読みます。 「愛顧」は「目をかけて引き立てること、ひいき」を意味します。 そこに接頭語の「ご」を付けた「ご愛顧」は「相手から贔屓にされること」を意味しています。 「ご愛顧」は元々芸人や役者がひいきしてくれるお客さんに対して使う言葉でしたが、そこから転用させ現在ではビジネスシーンで全般的に使用されるようになりました。 企業や法人側がいつも贔屓してもらっている顧客などに対して使います。例えば「ご愛顧いただき~」「ご愛顧のほど~」「ご愛顧を賜りますよう〜」などの形で使います。 「ご愛顧」は、ビジネスシーンでは企業や法人(目下の存在)が顧客や取引先(目上の存在)に対して使います。企業側が主体となって「ご愛顧させていただく」などとは使いませんので注意しましょう。
「ご愛顧」の例文
「ご厚情」は「ごこうじょう」と読みます。 「厚情」の意味は、「厚い情」と書き表している言葉ということからわかるように、「厚いなさけ」「心からの深い思いやりの気持ち」となります。 そこに接頭語の「ご」を付けて、「ご厚情」は「目上の相手が深いなさけや思いやりを持っていること」を表し、相手に親切にしてもらった、情けをかけてもらったという場合に使います。 「ご厚情」は基本的にビジネスシーンで目上の人の思いやりに感謝するときに使う言葉です。 ビジネスシーンにおける歓送迎会、送別会、納会、宴会など行事や年賀状、暑中お見舞い状などの挨拶以外にも、結婚式や就任セレモニー、祝賀会、葬儀など式典で使うこともあります。
「ご厚情」の例文
「ご好誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「好誼」の意味は、「したしみ」「好意による交際」「心のこもった付き合い」となります。 そこに尊敬を表す接頭語「ご」をつけて「ご好誼」となり敬語表現となります。 「ご好誼」も「ご交誼」と同様に、目上の相手に使うには失礼に当たります。 「ご好誼」は手紙などで使うことが多く、「日頃からのご高誼に〜」「今後も変わらぬご好誼〜」といったように感謝やお願いをするときに使うことが多い言葉です。 ただ「ご好誼」は一般的に使用頻度が少ない言葉になります。
「ご好誼」の例文
「ご高誼」は「ごこうぎ」と読みます。 「高誼」の意味は「並々ならぬ親しい交わり」「目上の人から受ける好意」となります。 そこに接頭語の「ご」をつけて「ご高誼」となり相手の自分に対する深い思いやりを敬っていう言葉になります。 「ご高誼」は主に手紙文などで相手から受けた好意に感謝するときに使用します。 「ご高誼」の使い方としては、
といったようになります。 「ご高誼」は「ご厚誼」と比べると使用頻度は少ない言葉になります。
「ご高誼」の例文
「ご高配」はごこうはいと読みます。「ごこうばい」ではないので注意しましょう。 「ご高配」は相手の配慮に対して敬意を払った言葉になります。 相手が配慮してくれたり気を使ってくれたこと、また配慮してくれた相手を敬う言葉です。 「ご高配」は主にビジネス文書やメール、手紙などの挨拶文として用いることが多くあります。 特に取引先や顧客などに対して用いられています。 ただ初対面の場合は、今まで心配りをしてもらったことはないため、初対面の相手に使うと間違った敬語の使い方にあります。 これまでに関わってきたことのある相手にのみ使うようにしましょう。
「ご高配」の例文
「ご恩情」は「ごおんじょう」と読みます。 「恩情」の意味は「情け深い心」「慈しみの心」を意味しています。 敬語表現にするには、「恩情」に尊敬を表す接頭語「ご」つけて「ご恩情」とします。 「ご恩情」は、「目上の人の親切心や慈しむ心」を意味しています。 ちなみに「慈しむ」とは「母が子を大事に育てること。また、その愛情の深いさま」を表しています。 「恩情」が目上から目下、親子関係・師匠関係・主従関係の御恩を彷彿させることから、「ご恩情」もそのような人間関係に当てはまる相手に対して使用するべきだと考えられています。 「ご恩情」は主に手紙やお礼状などで、目下の人が目上の人に対して使用するのが一般的になります。
「ご恩情」の例文
「ご厚誼」の英訳は「kindness」が一般的です。 「優しさ」という意味で広く使うことができます。
I am deeply grateful to all of you for the kindness.
ご厚誼に深く感謝申し上げます。
「親しい関係」というニュアンスならば「friendly relations」「warm friendship」などと表現可能です。 「friendly relations」は国家間や会社間の関係という意味合いです。 「warm friendship」だと個人間の関係を指します。
I was deeply moved by her warm friendship.
彼女のご厚誼に感激した。
We look forward to continued friendly relations in the coming year.
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます。
「ご厚誼(ごこうぎ)」とは「心からの親しい付き合い」という意味です。 ビジネスシーンなどで今までの親しいお付き合いに感謝したり、今後の関係性の発展を希望する際などに使います。 類語「ご交誼」は「友人としての親しい付き合い」、「ご高配」は配慮してくれた相手を敬う言葉です。