「お役立て頂けますと幸いです」は「役立ててもらえると嬉しい」という意味の敬語です。商談やビジネスメールで自社の製品やサービスの利用を促すときに使います。
「お役立て」は「おやくだて」と読みます。 「お役立て」の意味は「役に立つようにする」です。 「役立て」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「お(ご)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「お」は相手の動作に対してつけているので尊敬語になりますが「ご〜いただく」で一つの謙譲語と解釈する場合もあります。
「頂けますと」は、「してもらうと」という意味です。 「頂けますと」は、「もらう」の謙譲語「頂く」に丁寧語「ます」と接続助詞「と」をつけた言葉です。 「お役立て頂けますと」で、「役立ててもらえると」という意味なります。 「頂く」の本来の意味は「物をもらう」です。 「いただきますと」のように、本来の意味とは違う意味で使う場合は平仮名で表記するのが正しいですが、慣用的に漢字で表記されることも多いです。
「幸いです」は、「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、「自分にとって嬉しいことです」という意味です。 「幸い」に丁寧語「です」をつけています。 したがって「お役立ていただけますと幸いです」で「役立ててもらえると嬉しい」という意味になります。
「お役立ていただけますと幸いです」は、ビジネスメールで物やサービスなどの利用を促すときに使います。 例えば、資料を提供するので役立ててほしいと伝えるときなどです。 「ぜひ」など相手に強く依頼したり感嘆する気持ちを表す言葉と併せて使うことも多いです。 文中に使われることが多いですが、「お役立ていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします」などの形で文末に結びの言葉として入れることもできます。
【件名】 資料作成について 【本文】 商品部 各位 お疲れ様です。 商品部開発担当轟です。 11月11日に予定しております新商品開発会議につき、プレゼン資料の作成をお願いしたく存じます。 ①機能 ②対象年齢 ③予算 上記の点を特に明確にするようお願いいたします。 プレゼン資料の作成が初めての社員は、今までの商品開発で使用された資料を添付いたしますので、そちらをお役立て頂けますと幸いです。 お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。 轟
【件名】 HPリニューアルのご案内 【本文】 お客様各位 平素は格別のご愛顧にあずかり、厚く御礼申し上げます。 この度、弊社ホームページがリニューアルいたしました。 今回のリニューアルでは ・ホームページ上から商品のご購入 ・専用フォームお問い合わせ 以上2点がご利用いただけるようになりましたので、お役立て頂けますと幸いです。 なお、詳しいご利用方法はホームページに掲載しておりますのでそちらをご参照ください。 今後もより良いサービスを提供できるよう努めて参りますので、ご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。 株式会社△△△
【件名】 厚生施設「プリンセスホテル」ご利用について 【本文】 関係者各位 昨年より改装しておりました社員厚生施設「プリンセスホテル」が、2021年12月よりご利用いただけるようになりました。 社員の皆様におかれましては、家族旅行や懇親旅行などにお役立て頂けますと幸いです。 なお、ゴールデンウィークや夏季休暇など長期休暇期間はお申し込みが多くなることが予想されますので、利用申請書は2ヶ月前までにご提出ください。 ご不明な点があれば大木までお気軽にご連絡いただければと存じます。 よろしくお願い申し上げます。 総務部大木
【件名】 お問い合わせいただいた件について 【本文】 株式会社あいうえお 佐野万太郎様 この度は商品「△△△」に関するお問い合わせ、ありがとうございます。 株式会社かきくけこ営業部、龍宮寺健二と申します。 お問い合わせいただいた件について下記の通りご回答いたします。 1.商品発売日4月1日(月) 2.1ケースより納品可能 以上です。 商品に関する資料を添付いたしますので、ご検討の際にお役立て頂けますと幸いです。 その他にもご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。 よろしくお願い申し上げます。 龍宮寺
「お役立てただけますと幸いです」と似た敬語表現に「お役立ていただければ幸いです」があります。 「いただけますと幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と接続助詞「と」をつけた敬語表現です。 「いただければ幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す「れば」をつけた 敬語表現です。 「いただければ幸い」で「してもらえたら嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 どちらも目上の人に対して使える丁寧な敬語表現ですが、「いただけますと幸い」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現で、「いただければ幸い」は謙譲語のみを使った敬語表現であるため、「いただけますと幸いです」のほうがより丁寧です。
「お役立ていただけますと幸いです」は、「お役立ていただけましたら幸いです」ということもできます。 「いただけましたら幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と仮定の「たら」をつけた敬語表現です。 「いただけましたら幸いです」も「してもらえたら嬉しい・ありがたい」という丁寧な言い回しになります。 「お役立ていただけますと幸い」と「お役立ていただけましたら幸い」は、どちらも謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので丁寧の度合いは同じですが、「お役立ていただけましたら幸い」の方が仮定の意が強く控え目な響きがやや大きいです。
「賜れますと幸い」は、「もうらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に仮定を表す接続助詞「れば」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「賜る」は、「もらう」の謙譲語、「与える」の尊敬語の二つの意味がありますが、この場合は相手から何かをしてもらうという動作について、相手を高めるために使用されている謙譲語です。 「賜れれば幸い」で、「もらえると嬉しいです」と依頼をする丁寧な表現になります。 「いただけますと幸い」と「賜れますと幸い」は、どちらも「もらう」の謙譲語を使った敬語表現ですが、「賜る」が、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「賜れますと幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。
「幸いです」の類似表現には「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」があります。 「幸甚に存じます」は、「幸甚」に丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思います」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。
「お役立てください」は、「役立て」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。
「お役立てください」は命令文ですが、「お役立てくださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象になります。 女性的な響きがあるので男性は使用できないと認識している人も多いですが、男性も使うことができます。
「お役立て」を使った敬語表現にはその他にも、
などがあります。 しかし、依頼するわけではないので文法的には正しくても上記の敬語表現を使うのは不自然です。
「ご利用」は「ごりよう」と読みます。 「ご利用」の意味は「役に立つように使うこと」です。 例えば「異動の際は無料シャトルバスをご利用ください」などと使います。
「ご活用」は「ごかつよう」と読みます。 「ご活用」の意味は「その物や人が持っている機能・能力を十分に活かして使うこと」です。 サービスの提供するときなどに「ぜひご活用ください」などの形で使います。