「視点(してん)」の意味は「物事を見たり考えたりする立場」、「視野(しや)」は「思慮・知識・判断などが及ぶ範囲」、「視座(しざ)」は「見方の基礎になる立場」です。今回は、「視点」「視野」「視座」の意味の違いと使い分けを紹介します。
「視点(してん)」には2つの意味があります。 1つ目は「視線が注がれる所」で、2つ目は「物事を見たり考えたりする立場」です。 「視座」は元々社会学用語で、「個人が社会を見る立場」という意味でした。 転じて、一般的に「物事を見る立場」という意味で使います。 「視点」の1つ目の意味は、「視座」にはありません。 「視点」の2つ目の意味と、「視座」の意味は同じですが、使い方が全く違います。 「視点」は「視点を変える」「違う視点から見る」「◯◯の視点から考える」などと使います。 「視座」は「視座が高い」「視座が低い」と使います。「視座が高い」とは広範囲の状況や情報まで把握できる人の心構え・能力を指します。 ちなみに、「視点」の類語には「観点」があります。 「観点」との違いは下記の記事を参考にしてください。
「視野」は、「視点」「視座」と全く違う意味の言葉です。 「視野」は思慮・知識・判断などが及ぶ範囲を言い表します。 「視野が広い」「視野が狭い」と使います。 視座が高いと視野が広くなります。
「視点」は「してん」と読みます。 「視点」の意味は、
です。 「視」には「見る。じっと見る」という意味があります。 「点」には「特定の場所。位置」という意味があります。 一つ目の視点が注がれる場所という意味では、例えば、目の位置があちこち動いてどこを見ているのかわからない状態を「視点が定まらない」などと言い表すことができます。 二つ目の物事を見たり考えたりする立場という意味では、例えば、ドラマなどで脇役の立場を描いたストーリーを「脇役の視点から描いたストーリー」などと言い表すことができます。 三つ目の絵画の遠近法で、画面に対して視線が直角に交わる仮定の一点という意味で使用されることは日常生活ではあまりありません。
「視点」の例文
「視野」は「しや」と読みます。 「視野」の意味は
です。 「視」には「見る。じっと見る」という意味があります。 「野」には「区分した地域」という意味があります。 一つ目「目を動かさないで見ることのできる範囲」という意味では、例えば視線の方向にあるものがはっきり見えることを「視野が開ける」というように言い表すことができます。 二つ目の「顕微鏡・望遠鏡・カメラなどで、レンズに写る範囲」という意味では、例えばレンズに写る角度変えるときに「視野角を変える」などと言い表すことができます。 三つ目の「思慮・知識・判断などが及ぶ範囲」という意味では、例えばさまざまな角度から物事を考えて判断することができることを「視野が広い」「視野を広げる」などと言い表すことができます。
「視野」の例文
「視座」は「しざ」と読みます。 「視座」の意味は「見方の基礎になる立場」です。 「視」には「見る。じっと見る」という意味があります。 「座」には「すわる。すわる場所。おさまる地位」という意味があります。 物事を見る姿勢や、立場を言い表すときに使用します。 例えば、低い位置にいるよりも高い位置にいたほうがより広い範囲のものが見えるのと同じで、全体の都合を考慮したり、全体に配慮できる考え方ができることを「視座が高い」と言い表すことができます。
「視座」の例文