「昇進(しょうしん)」「昇格(しょうかく)」「昇任(しょうにん)」「昇給(しょうきゅう)」は、ビジネスシーンでよく耳にする言葉です。今回は「昇進」「昇格」「昇任」「昇給」の意味の違いと使い分け方を紹介します。
「昇進(しょうしん)」は、一般企業において地位や官位などが上がることです。 平社員から主任になる、係長から課長になるなど上の役職につくことをいいます。 「昇格(しょうかく)」は、社内で運用される「職能資格制度」といわれる個人の能力を「等級」で表すシステムにおいて、等級があがることをいいます。 例えば5等級の課長が6等級の課長になった場合は、役職が変わらないので「昇進」にはなりませんが、等級が上がっているので「昇格」になります。 「昇任(しょうにん)」の意味は「昇進」と同じです。 主に警察官や消防官などの公務員の役職が上がることを表すときに使用します。 「昇給(しょうきゅう)」は、給与が上がることです。 役職や等級があがる「昇進」「昇格」「昇任」とは意味が違います。
「昇進」は「しょうしん」と読みます。 「昇進」の意味は「地位・官位などが上がること」です。 「昇」には「のぼる。上にあがる」という意味があります。 「進」には「のぼる。上の段階にあがる」という意味があります。 「昇進」は、人事評価により上の役職に上がることをいいます。 例えば、平社員から部長になった場合などに「昇進する」「昇進した」と表すことができます。
「昇進」の例文
「昇格」は「しょうかく」と読みます。 「昇格」の意味は「格式・階級・地位を上げること」です。 「昇」には「のぼる。上にあがる」という意味があります。 「格」には「おきて、きまり。のり」という意味があります。 企業や組織では人を評価する方法の一つとして「職能資格制度」というものがあります。 「職能資格制度」とは能力を「等級」で表すシステムで、社内だけで運用されます。 この「等級」が上がることを「昇格」といいます。 例えば5等級の課長が6等級の課長になった場合は、役職は上がっていませんが等級が上がっているので「昇格」ということができます。
「昇格」の例文
「昇任」は「しょうにん」と読みます。 「昇任」の意味は「現職より上級の役職・官職に任命されること」 「昇」には「のぼる。上にあがる」という意味があります。 「任」には「役目につく。まかせる」という意味があります。 「昇任」は、主に警察官や消防官などの公務員の役職が上がることを表すときに使用します。 一般企業でいう「係長から部長になる」などの昇給と同じです。 公務員制度では、任命権者による任命によって役職があたえられるため「昇進」ではなく「昇任」という言い方をします。
「昇任」の例文
「昇給」は「しょうきゅう」と読みます。 「昇給」の意味は「給与が上がること」です。 「昇」には「のぼる。上にあがる」という意味があります。 「給」には「てあて」という意味があります。 年齢や勤続年数、成績など会社が決めた賃金決定要素に応じて基本給が上がることを「昇給する」と表すことができます。 基本的に個人の能力などに合せて等級が上がることで昇給することが多く、昇進しても等級が同じであれば昇給はしないという場合もあります。 また、会社の利益などに応じて社員全員の給与があがることもあります。 この場合は、「ベースアップ」といわれます。
「昇給」の例文