「素封家(そほうか)」の意味と語源・由来を詳しく紹介します。「素封家」の類語には「資産家」「倹約家」「成金」などがあり、それぞれ意味が微妙違うので解説していきます。
「素封家」の読み方は「そほうか」です。 「素封家」の意味は「大金持ち。資産家」です。
「素封家」の「素」は「もと」「ありのまま」という意味があります。 転じて「無い」という意味です。 「封」とは、「諸侯の領地」という意味です。 「諸侯(しょこう)」とは、江戸時代の大名のことで、幕府から土地を請け負って納税していた貴族階級(地方の権力者)を指します。 「封建制度」の「封」ですね。 よって、「素封」は「諸侯のように位や領地はないが、諸侯と同等の富を持っていること」という意味になります。 つまり、自分自身または自分の家系が商業を成功させて財を築いた人を指します。 「素封」単体でも「資産を持っている人」という意味もありますが、人を指す場合は「素封家」とすることが多いです。 司馬遷によって書かれた中国の歴史書『史記』の「貨殖列伝」が由来です。 この書に「素封」という言葉が出てきます。 出典にも「家」という語はなく、日本語において明治以降に「資産家」などの言葉に引っ張られて「家」を後から付けたことがわかります。
「素封家」の類語つまり「お金をたくさん持っている人」を意味する語は多くあります。 最も一般的な語は「金持ち」です。 「資産家」も一般的な語で、「金持ち」よりも規模が大きいです。 「資産家」の方が意味が広く、「素封家」を意味的に内包します。 「素封家」に一番近いニュアンスなのは「成金」です。 「成金」は「急に金持ちになった人」というネガティブなニュアンスがあります。 「富豪」は莫大な資産をもつ大金持ちに対して使います。 「金満家」は「富豪」「資産家」などよりもスケールがずっと小さい、身近にいる金持ちを指します。 やや古い語で、現在はあまり使用されません。 「大尽」も古い語で「お大尽」などと金回りのいい人をからかっていう語。 「倹約家」は「金の浪費しない人」を指す語、必ずしも金持ちとは限りません。 「財閥」は個人的な金持ちではなく、大企業を経営している一族のことを指します。 「長者」は「億万長者」「百万長者」などと限定的に使います。 「物持ち」も「財産を多く待っている人」の意だが、「金満家」と同じくスケールの小さい者を指す。
「お金持ち」を意味する英語には「rich person」「weathly person」などがあります。 「a person of wealth」などの表現もあります。 「素封家」に最も意味が近い英語は「self-made billionaire」です。 「self-made」とは「自分で築いた」という意味で、「素封」と近いです。 「billionaire」とは日本円で1000億円以上をもつ資産家を指します。 「millionaire」だと1億円以上をもつ資産家です。