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「執り行う」の意味と敬語、使い方、類語「挙行」との違い、英語を例文つきで解説

「執り行う(とりおこなう)」とは「行事や式典、宴、刑罰などをおこなう」という意味です。接頭辞「とり」は「おこなう」を丁寧にする役割で、「厳粛におこなう」「公式に開催する」「改まって催す」という意味にします。

「執り行う」とは

「執り行う」の読み方は「とりおこなう」

「執り行う」の読み方は「とりおこなう」です。 「執」は訓読みで「とる」、「行」は音読みで「コウ」と読みます。 漢字は「取り行う」とする場合もあるが稀です。

「執り行う」の意味は

「執り行う」の意味は「改まって行う」です。 結婚式などの式典や儀式、刑罰などを行うことを「執り行う」といいます。 次に「執り行う」と「行う」の違いを説明します。 「とり」は接頭辞であり、「おこなう」をより丁寧します。 よって「執り行う」は「厳粛に行う」「公式に開催する」「改まって催す」というニュアンスになります。 ビジネスシーンなどかしこまった場面で使用する言葉です。

「執り行う」の使い方と敬語

「執り行います」「執り行いました」で丁寧語

「執り行う」は、結婚式や葬式などの冠婚葬祭や祭り・神事を行うことを言い表すときに使用します。 また、ビジネスシーンでは会議や忘年会などを行うときにも使用することが可能です。 ただし、定例会など高い頻度で行われるものに対して使用することはできません。 「執り行う」は「行う」のより改まった表現ですが、敬語ではありません。 丁寧語の「ます」をつけて「執り行います」「執り行いました」とすることで敬語表現になり、目上の人に対してやかしこまった場面で使用することができます。

例文

  • 来月、表彰式を執り行います。
  • 予定通り入社式を執り行う予定です。
  • 祖母の葬儀は一昨日執り行われました。

「執り行われる」は尊敬ではなく受身

助動詞「れる」には4つの意味があります。 1つ目は、主語が他から動作・作用を受ける意を表す「受け身」です。 2つ目は、聞き手や話題の主を待遇する「尊敬」です。 3つ目は、そうすることができるということを表す「可能」です。 4つ目は、動作が他から作用に関係なく自然に起こる「自発」です。 しかし「執り行われる」という語では受身と解釈するのが最も自然であるといえます。

例文

  • 明日、○○さんの密葬が執り行われる。
  • この神社では6年に1度祭典が執り行われることになっています。

「執り行わせていただきます」だとさらに丁寧

「執り行わせていただきます」は正しい敬語です。 「させていただきます」は「させてもらう」の謙譲語です。 謙譲語は、自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すことができるのでより丁寧な敬語表現になります。 ただし、「執り行わさせていただきます」では意味が少し不自然です。 「させていただきます」は本来、

  • 相手からの許可が必要(相手の意向によって行う)
  • 自分に恩恵がある行為をする時に使う

という場合に使用することができます。 例えば「予定を変更させていただきます」などの使い方が本来正しい使い方です。 「感動させていただきました」など、許可をえないことに使用するのは慇懃無礼で誤りです。 「慇懃無礼」とは、丁寧すぎることでかえって無礼であることをいいます。 しかしながら、「〜させていただく」は人に配慮しながら、自分の一方的な行為や意向を伝えるときに今日では広く使用されます。 よって、「執り行わせていただきます」は使用しても問題ありません。

例文

  • コロナ渦ですが、予定どおり披露宴を執り行わさせていただきます。
  • ただいまより、授賞式を執り行わさせていただきます。

「執り行う運びとなりました」は定型句

「執り行う運びとなりました」は、結婚式などの式典の招待状で使用される定型句です。 「運びとなりました」で、「無事に・上手く〜することが決まりました」という意味になります。 「この度、披露宴を執り行う運びとなりました」というように使用します。 「執り行う予定です」としてもよいです。 飲み会などちょっとしたことに対して使用することはできないので注意しましょう。

例文

  • この度、結婚披露宴を執り行う運びとなりました。
  • 毎年恒例の祝賀会を今年も執り行う運びとなりましたことをご案内いたします。

正しい敬語?「運びとなりました」の意味とビジネスでの使い方、類語を解説!

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「執り行う」の類語・言い換え

「執行(しっこう)」は漢字は同じだが意味が広い

「執行」の意味は「決められたことを実際にとりおこなうこと」です。 とくに、法律・命令・裁判・処分などの内容を実地することを「執行する」といいます。 「執行」は「実行」と同義で、意味が「執り行う」より広いです。 「業務を執行する」「職務を執行する」などと使ったりしますが、「業務を執り行う」とはいいません。

「挙行(きょこう)」は完全に同義語

「挙行」の意味は、「儀式や行事を行うこと」です。 結婚式などの式典を公に行うことを「挙行」といいます。 「挙行」は「執り行う」と同義です。 「式典を執り行う」を「式典を挙行する」と言い換えることができます。

「開催(かいさい)」はよりカジュアルな語

「開催」は、「会や催し物を開き行うこと」です。 集会や会議などを開いたり、展覧会、博覧会などの催し物などを行うことを「開催」といいます。 「開催」は「執り行う」よりカジュアルな語で、飲み会などに対しても使用することが可能です。 「執り行う」は、集会などカジュアルなものを開くときに使用することはできません。

「実施」もかなり意味が広い

「実施」は「じっし」と読みます。 「実施」の意味は「予定されていたことを実際に行うこと」です。 法律・制度・計画などを実際に行うことを「実施」といいます。 「実施」も「実行」と同義で、かなり意味が広い言葉です。 「アンケートを実施する」など、上述した「執行」よりもカジュアルなことに対して使用することができます。

「執り行う」の英語

hold

「開催する」という意味の英語には「hold」があります。 「hold」の過去形は「held」です。

They held an award ceremony in Tokyo.

彼らは東京で授賞式を執り行った。

take place

「take place」は「行われる」という自動詞です。 イベントが主語にきます。

His funeral will take place tomorrow.

彼の葬儀が明日執り行われる。

まとめ

「執り行う」の意味は「改まって行う」です。 結婚式などの式典や儀式、刑罰などを行うことを「執り行う」といいます。 結婚式や葬式などの冠婚葬祭や祭り・神事を行うことを言い表すときに「執り行います」「執り行いました」などの形で使用されます。 「執り行う運びとなりました」は招待状などで使用される定型句です。

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