「運びになりました」という表現をご存知でしょうか。ビジネスシーンにおいてはよく耳にしたり、メールなどでも目にすることが多いです。では、「運びになりました」はどういった意味で、どのような場面で使用するのでしょうか。何となく、響きが良いからと意味が曖昧なまま使っているという人もいるのではないでしょうか。そこで今回は「運びとなりました」の意味や使い方、正しい敬語表現であるのかについて解説していきます。正しい意味を知って、上手く使いこなせるようにしましょう。
「運び」の意味は、
となります。 「本日はわざわざお運びいただいて恐縮です」「仕事の運びが悪い」「運びをつける」などと使います。 しかし、後ろに「〜となり」が付き「運びとなる」となると少々ニュアンスが異なります。 「となりました」は「変化した結果、結果としてある役割を果たす」を意味ですので、 「運びとなりました」は「無事に・上手く〜することが決まりました」という意味です。 また、「運びになりました」には「物事が予想とは異なる進展を見せる」「希望とは異なる結末を迎える」などと”意外性”のニュアンスが含まれます。
「運びとなりました」は「物事が滞らずに進行しながらも、予想とは違う方向に進んだとき」「何らかの進展や結末を迎えたとき」など、意外な結果になった場合に用います。 何かの結果を報告するときに、単に「〜なりました」というよりも、「運びとなりました」といった方が、丁寧さが感じられますよね。 主に、比較的大きな決定事項に対して使うことが多いです。 個人的なことに対して、例えば「今度北海道旅行をする運びとなりました」「来週から夏休みに入る運びとなりました」などと使うと、大袈裟な印象を与えてしまうので注意しましょう。 ビジネスシーンでの、主な使用場面としては、
などとなります。
「運びとなりました」の「なります」は「です」の丁寧語なので、正しい敬語です。 目上の人に対して、「運びとなりました」は使うことができます。 より丁寧な表現にしたい場合は、「運びとなりましたら」「運びとなりましたこと」とします。 「運びになりましたこと」を使う際は、「この度、◯◯さんと結婚する運びとなりましたことをご報告いたします」といったように、「〜します」「〜いたします」という言葉で締めくくります。 「運びになりましたら」を使う際は、「まだ決まっていませんが、正式に転勤が決定する運びとなりましたら、ご連絡いたします」といったように、”まだ決定はしていないが、もし決まったときには〜”ということを表したいときに用います。
「運びとなりました」という表現は、物事の状況が変化してしまい、予定どおりに進められなくなったという"意外な結果"のときに使うため、社内外ともに多用はしない方が無難です。 何かを報告する度に使用していると、日頃から調整できていない、だらしない人というマイナスな印象を与えてしまいます。 実際に多用せざるを得ないようでは、働き方などを改める必要があるでしょう。
<退職する場合>
<結婚する場合>
例えば、
とした場合、特に違いはないように思いますよね。 2つの違いとしては、”話し手が受ける印象”です。 「〜になる」は「(話し手が)当然の結果だと受け止める」というニュアンスが含まれます。 「〜となる」は「変化の結果を強調する、意外性がある」というニュアンスが含まれます。 また、「〜となる」は、文書やメールなど書き言葉にとして使うことが多いため、よりかしこまった印象になります。逆に、口頭では「〜になる」が使われることがほとんどです。
「決定」は「物事をはっきり決めること」を意味します。 例えば、「新商品の価格は決定される」「評価が決定される」などと、物事が決まったときに使います。 「運びとなります」よりも断定的な言い方になります。
「変更」は「決められた物事などを変えること」を意味します。 例えば、「場合によっては変更される可能性がある」「その予定は変更されることがある」などと、物事の予定が変わったときに使います。 「運びになりました」と同様に、”元々の予定とは変わって”ということを表します。 「変更される」だと直接的な表現となってしまうため、「運びとなりました」を使う方が物事をやんわりと伝えることができます。
「進め方」は「物事を進めるやり方、方式」を意味します。 例えば、「これが調査の進め方になります」「通常の進め方で問題ありません」などと使います。 「運びとなりました」と同じ意味ですが、「進め方になります」はややくだけた表現になります。
「流れ」は「時間の経過や物事の移り変わり」「物事の継続的な動き」を意味します。 例えば、「車の流れがよくなる」「試合の流れが変わる」などと使います。 ただ、「流れとなります」はあまりビジネスシーンでは使うことはありません。
「次第」は「事情・状況・成り行き」を意味します。 ビジネスシーンでは、原因や状況を求められる場面が多々あります。 そのような場合に、「~という次第です」「~といった次第です」「〜次第になります」と用いるのが一般的です。 例えば、「今日は寝坊してしまい、出社が遅れた次第です。申し訳ありません」「渋滞につかまってしまい、現在そちらに向かっている次第です」などと使います。 「次第」はビジネスシーンでもよく使う表現です。
「運びとなりました」の英語表現を見ていきましょう。 「運びとなる」は、「結果的に...という状態になる」「....ということで終わる」というニュアンスです。 その英語表現は、 ・end up ...ing:結局...することになる ・It truns out that...:...ということが判明する(意外性がある) ・come to a conclusion that...:...という結論に至る ・be going to.../be ...ing:...することになった(予定) ・have decided to...:...することにする などの表現をすればよいでしょう。 「意外性」を強調したい場合は「turn out」がベストです。話者自体も予想していなかった展開になっていることが伝わります。話者自体ではなく聞き手にとって意外であるならば、どの表現を使ってもよいでしょう。新情報は多くの場合は聞き手にとっては意外性があるので、特に意識する必要はありません。 例文です。
I've decided to move into the new office next month.
来月移転する運びになりました。
It turns out that I'm going to transfer to a different division.
他部署に異動する運びになりました。
We're getting married at the end of this year.
年末に結婚する運びになりました。
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「運びとなりました」について理解できたでしょうか? ✔︎「運びとなりました」は「無事に・上手く〜することが決まりました」という意味 ✔︎「運びとなりました」は”予想していた、意外な結果になった”ときに使う ✔︎「運びとなりました」は正しい敬語だが、使用場面を誤ると大袈裟になってしまう ✔︎「運びとなる」の類語には、「決定される」「変更される」などがある