「取るに足らない(とるにたらない)」の意味は取り上げるほどの価値がない」です。主に価値のないことをくだらないと非難して使いますが、人を勇気付ける時にも使うことが可能です。ただし、「取るに足らない」自体は常にネガティブな意味なので使い方には注意しましょう。「取るに足らない存在」というように人に対して使用することも可能です。
「取るに足らない」の意味は「取り上げるほどの価値がない」「話題に出すほど大したことではない」です。 「〜に足りる」は、「〜するだけの価値がある」という意味です。 「取るに足らない」は、「取るに足りる」に打ち消しの「ない」をつけた形です。
「取るに足らない」以外に「取るに足りない」「取るに足らぬ(足らず)」という表現があります。 「足らない」と「足りない」の違いは、原形が「足る」か「足りる」かです。 もとの言い方は五段活用「足る」に打ち消しの「ない」をつけた「足らない」で、「足りる」は近世の江戸語で比較的新しい言い方です。 近世の江戸語で上一段活用の「足りない」が使用されるようになりました。 国語辞典には「取るに足りない」と書かれていることが多いですが、「取るに足らない」も正しい言い方で、現代では「取るに足りない」が使用されることが多いです。 「取るに足らない」と同じく古い言い方(文語表現)には「取るに足らぬ」があります。
「取るに足りない」の「足りない」の原型「足る」を使用した慣用句には「足るを知る」があります。 「足るを知る」は「たるをしる」と読みます。 「足るを知る」の意味は「身分相応に満足することを知る」です。 わかりやすくいうと「身の程を知る」ということです。 欲望ばかりを追い求めるのではなく、すでに十分に足りていることを知り幸福を感じるべきであるということを言い表しています。 「足るを知る者は富む」は「満足することを知っている者は、たとえ貧しくとも精神的には豊かで、幸福である」という意味のことわざです。
「取るに足らない」は、主に単に価値のないことをくだらないと非難して使います。 例えば、根も葉もない噂話を耳にしたという場面で「くだらなくて話題にする価値もない」ということを言い表します。 また、人を勇気付ける時にも使うことが可能です。 例えば、何か失敗をして落ち込んでいる人に対して「そんな問題どうってことないから、忘れて前に進もう」と励ますことができます。 ただし、「取るに足らない」自体は常にネガティブな意味なので使い方には注意しましょう。
「取るに足らない」の例文
「取るに足らない」は、人に対しても使用することが可能です。 例えば、会社にいてもこれといって功績を残すことができないような人であることを「取るに足らない」という言葉を使用して言い表すことができます。 ネガティブな意味なので、人に対して使用する場合はトラブルにならないように注意しましょう。
人に対して使う「取るに足らない」の例文
「取るに足らない」は、自分の存在を謙遜して相手に伝えるときに使用することもできます。 例えば褒められたときなどに「私なんて皆さんに比べたら取るに足らない存在です」というのは、謙遜です。 ただし、相手に手土産などを渡すときの謙遜で「取るに足らない物ですが...」と使うのは誤りなので注意しましょう。 物を渡すときの謙遜は「つまらないものですが」を使用するのが正しいです。 「つまらないものですが」は、「あなたが立派な方なので、あなたを前にしてしまうとつまらないものなのですが」という意味で、単に差し出す物を謙遜した表現なのではなく相手を「立派な人・素晴らしい人」と立てて謙遜している表現です。
「取るに足らない」は「足りる」に打ち消しの「ない」をつけていますが、「〜にするに足りる」という形で使用することもできます。 「〜するに足りる」で、「〜するだけの価値がある」という意味になります。
「〜するに足りる」の例文
「ナンセンス」の意味は「意味をなさない」または「バカバカしい」です。 「ナンセンス」は、外来語ですが形容動詞として使われる言葉で、「ナンセンスな〜」というような使い方をします。
「卑小」の意味は「みすぼらしく小さいこと」です。 認めるほど価値がなく、取るに足らないほど小さいことを言い表します。 例えば、「卑小な志望動機」というような使い方をします。
「些末」の意味は「全く重要でない、ごく小さなこと」です。 「些末」は「些末な○○」という使い方をします。 例えば「些末な事」で、「重要ではないこと」という意味になり「取るに足らない事」と同じ意味になります。
「有象無象」の意味は「この世のどこにでもいる平凡で種々雑多な人々」です。 どこにでもいるような取るに足らない人達の集まりを差して使用する四字熟語です。
「驢鳴犬吠」の意味は、「聞くに足りないもの、つまらない文章」です。 「驢鳴(ろめい)」は、「驢馬(ロバ)」の無く声、「犬吠」は「犬の吠える声」です。 「ロバや犬の鳴き声のように意味がない」ということに喩えた四字熟語です。
「ちんけ」の意味は「ひどく劣っているさま」です。 「さいころ博打(ばくち)」で、一の目を「ちん」ということから、程度が低いことを言い表す言葉として使用されるようになりました。 変わっているだけで、これといって評価する点が認められないような人を「ちんけな人」といったりします。
「小物」の意味は、「地位も地位も力もない人」です。 したっぱの取るに足らない者を「小者」といいます。
「雑輩」の意味は「つまらない輩(やから)」です。 地位の低い取るにとらない人を言い表す言葉です。
「重箱の隅をつつく」は「じゅうばこのすみをつつく」と読みます。 「重箱の隅をつつく」の意味は「取るに足りないことに注目すること」です。 非常に細かいことに注目して口うるさくいうことを言い表します。 「重箱」は、料理を詰める箱形の容器のことです。 その四隅は詰めた食べ物がこびりやすいことから、取るにたりないことに注目することを「重箱の隅をつつく」というようになりました。 「重箱の隅を楊枝(ようじ)でつつく」「重箱の角を楊枝でほじくる」「重箱の隅を爪楊枝(つまようじ)でつつく」ともいいます。 ただし、「重箱の角をつつく」は誤用なので注意しましょう。
「重大」の意味は「非常に意味を持つ事柄」です。 そのものの存立に決定的な影響を与えるようなことをいいます。
「重要」の意味は「特に大切であるさま」です。 物事の成立に欠くことの出来ない関係があり、他のものでは到底まにあわないことをいいます。
「本質的」の意味は「本質にかかわるさま」です。 物事の本質に深くかかわると判断されることをいいます。
「かけがえのない」の意味は「代わりになるものがない」です。 「かけがえ」は、「代わりとして用意しておく」という意味で、打ち消しの「ない」をつけて「二人といないただ一人であること」を言い表します。 「掛け替えのない」と表記することもありますが、「欠けがえのない」は誤記です。
「唯一無二」の意味は「ただ一つとしかないこと」です。 「唯一」は「ただ一つしか無いこと」、「無二」は「2つとないこと」という意味です。 それだけで、他にはないことを言い表す四字熟語です。
「取るに足らない」に最も近い意味の英語は「insignificant」です。 「誰も気づかないくらい大切でない」という意味です。
Your problem is insignificant compared to mine!
君の問題は私のものと比べたら、取るに足らないものだ!
「取るに足らない」は他にも「small」「unimportant」などがあります。 「invaluable」は「非常に価値のある」という意味なので注意してください。
「取るに足らない(とるにたらない)」の意味は「取り上げるほどの価値がない」です。 「取るに足りない」ともいいます。 「足らない」と「足りない」の違いは、原形が「足る」か「足りる」かです。 もとの言い方は五段活用「足る」に打ち消しの「ない」をつけた「足らない」で、「足りる」は近世の江戸語で比較的新しい言い方です。 「取るに足らない」と同じく古い言い方(文語表現)には「取るに足らぬ」があります。