「通す」と「通じて」の違いをご存じでしょうか。「通して」は能動的に何かを媒介して何かをする・何かを得るとき。「通じて」は受動的に何かを媒介して何かを得るときに使用されます。今回は「通す」と「通じて」の違いを詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
「通して」「通じて」は、
という意味で使用される言葉です。 大きな意味違いはなく、どちらを使用しても意味が通じることが多いですが、微妙なニュアンスの違いがあります。 「通して」は、人などを間に立てて何かをするなど能動的に何かを媒介するときに使用されます。 「通じて」は、受動的に何かを媒介して結果的に何かを得られるときに使用されます。 例えば、「子供を通して担任に意見を伝える」は、能動的に子供を媒介しているので「通して」を使用しています。 「SNSを通じて知り合った友達」は、受動的に媒介しているので「通じて」を使用するのが自然です。
「通して」は「とおして」と読みます。 「とうして」ではないので注意しましょう。 「通して」は「通す」の連用形「通し」に接続し「て」がついた言葉です。 「通して」は、「○○を通して」で○○に経過点を表す言葉を入れて
という意味になります。 例えば「テレビを通して宣伝をする」というように能動的に何かを媒介して何かをする・何かを得るということを言い表す場合に使用されます。 また、「○○を通して」の○○に全体の空間や時間を表す語を入れて
という意味になります。 「媒介する」という意味で使用する「通して」を敬語表現にするには、「〜を通して○○をしました」というように文章全体を敬語表現にします。 AさんをBさんのところへ行き着かせるという意味の「通す」を使用するのであれば接頭語の「お」をつけて「お通しする」ということもできます。
例文
「通じて」は「つうじて」と読みます。 「通じて」は「通じる」の連用形「通じ」に接続詞「て」をつけた言葉です。 「通じて」は、「〜を通じて」の形で
という意味になります。 一つ目の意味では「一年を通じて様々な季節の花を見ることができる」など、長い期間に及ぶときに使用します。 二つ目の意味では、「インターネットを通じて得た情報」というように受動的に何かを媒介するということを言い表すときに使用することができます。 「通じて」を敬語表現にする場合も、「通じて○○をした」というように文章全体を敬語表現にします。
例文
「介して」は「かいして」と読みます。 「介して」の意味は
です。 誰かに間に入ってもらったり、何かをはさむことを「介して」といいます。 「間に立てる・仲立ちする」という意味では、「通して」「通じて」と類語になります。 ただし、「介して」には「全体にわたって〜」「長い期間に及んで」という意味はありません。 また、「通して」「通じて」には「気にかける」という意味はないので必ずしも言い換えることができるとはいえないので注意しましょう。
例文