「付け焼き刃(つけやきば)」の意味は間に合せに知識や技術を身につけることです。間に合せに知識や技術を身につけることで、語源は「切れ味の悪い刀」です。「付け焼き刃の知識/勉強」などと批判して使います。
「付け焼き刃」の読み方は「つけやきば」です。 「付」は訓読みで「つける・つく」、「焼」は訓読みで「やく」、「刃」は訓読みで「は」と読みます。
「付け焼き刃」の意味は「間に合わせに知識や技術を身につけること」です。 その場をごまかすために、いかにも元からあるかのように知識や技術を急いで仕込むことを「付け焼き刃」といいます。 また、急いで仕込んだ知識や技術を指して「付け焼き刃」ともいいます。
「付け焼き刃」の語源は、刀鍛冶(かたなかじ)という日本刀を作る職人の間で使用されている刀鍛冶用語の「付け焼き刃」です。 刀鍛冶用語で「付け焼き刃」は、切れ味の悪い刀に鋼の焼き刃を付け足したもののことです。 「付け焼き刃」は結局すぐに刃が折れて役に立たなくなってしまうことから転じて、「間に合わせに知識や技術を身につけること」という意味で使用されるようになりました。
「付け焼き刃」は「付け焼き刃の知識/勉強」というように、間に合わせでしかなく、しっかりと定着することがなかったり役に立たない知識や技術を批判して使用します。 よく使用される言い回しには
などがあります。 また、「付け焼き刃ではない○○」で反対に「間に合わせではない〜」「にわかではない〜」という意味で使用することができます。
例文
「付け焼き刃はなまり易い」は、「その場しのぎでつけた知識や技術はボロがでる」という意味の慣用句です。 その場をしのぐことはできても、根本的な解決にはならないということを言い表します。 「付け焼き刃はなまり易い」は「付け焼き刃は剥げ易い」ともいわれます。
例文
「付け焼き」は「醤油を付けてやくこと」です。 食材に醤油やみりんなどで調味したタレをつけて焼くことを「付け焼き」といいます。 また、その焼いた料理を差す言葉です。 ただし、「付け焼き刃」は、「醤油をつけて焼いた刃」という意味ではないので注意してください。
「焼き付き」は、「二つの金属部品が、その接触面で生じた摩擦熱で溶けて粘着すること」です。 焼き付きは、軸と軸受との間で生じる故障の原因となる現象です。 「エンジンが焼き付く」などとよくいい、温度が高いほど生じやすいといわれています。 また、テレビ画面やスマホなどの液晶画面の全体が赤や黄色に焼けて見えるなど、画面の表示機能を損ねてしまう症状のことをさします。
「その場しのぎ」の意味は、「その時だけ、なんとか切り抜けること」です。 なんとかその場だけをとりつくろって済ますことを「その場しのぎ」といいます。 その場をごまかすために付けた知識や技術を「その場しのぎの○○」と言い換えることが可能です。 「その場しのぎ」の類語には「その場逃れ」「一時逃れ」「一時しのぎ」があります。 すべて「その時だけ、なんとか気り抜ける」という意味で、「付け焼き刃」と言い換えることができます。
「にわか仕込み」の意味は、「必要に迫られて短期間で何かを習得すること」です。 また、急いで商品を仕入れることを「にわか仕込み」ということもあります。 「にわか」は、「物事が急におこるさま」という意味です。 「仕込み」は、「教えて身につけさせること」です。 「にわか仕込み」は「付け焼き刃」と同義です。 「付け焼き刃」は「にわか仕込み」と言い換えることができます。
「一夜漬け」は「いちやづけ」と読みます。 「一夜漬け」の意味は「短時間に大急ぎでやる仕事や勉強」です。 徹夜で勉強をしてテストに備えるなど、急に準備してその場を間に合わせることを「一夜漬け」といいます。 「間に合せで、きちんと身に付いていない」という意味では「付け焼き刃」と同じです。 ただし、「付け焼き刃」は、知識や態度などに使用し「一夜漬け」は勉強や知識について使われる言葉という点で違いがあります。
「焼け石に水」は「やけいしにみず」と読みます。 「焼け石に水」の意味は、「援助や努力がわずかで効果があがらないこと」です。 「焼け石に水」は「焼け石に少しの水をかけても、すぐ蒸発してしまい全く冷えないこと」から、転じて「少しの頑張りや援助は、全く役に立たないこと」を意味するようになりました。 「焼け石に水」は「効果がない」と言い切るのではなく、「効果に望みが持てない」という場合に使うのが適します。 「大した効果につながらない」「意味がない」という意味では、「付け焼き刃」と類語であるといえます。
「用意周到」は「よういしゅうとう」と読みます。 「用意周到」の意味は「用意が細かいところまで行き届いていること」です。 少しも手ぬかりがないことを「用意周到」といいます。 「付け焼き刃」は、間に合わせで知識をつけたりすることなので「用意周到」は対義語です。
「準備万端」は「じゅんびばんたん」と読みます。 「準備万端」の意味は「準備が問題なく全て整っていること」です。 あることをおこなうために、必要なものをすべて整えてあることを「準備万端」といいます。 「付け焼き刃」は間に合わせでしかないため、「準備万端」は対義語です。
「抜かりがない」は「ぬかりがない」と読みます。 「抜かりがない」の意味は「手不足や不足がないこと」です。 何かをする過程で、その手続きや方法に不足がないことを言う俗語的な言い方です。
「付け焼き刃」の英語表現一つ目は「fake」です。 「fake knowledge」とすれば「付け焼き刃の知識」という意味になります。
「付け焼き刃の知識」は「borrowed knowledge」と表現してもよいでしょう。 「borrowed」は「借りてきた」という意味で、自分のものとして定着していないという意味です。
Borrowed knowledge will not help you.
付け焼き刃の知識では役に立たないよ。
「付け焼き刃(つけやきば)」の意味は、「間に合せに知識や技術を身につけること」です。 その場しのぎでつけた、定着することのない知識や技術のことをいいます。 「付け焼き刃の知識」などという使い方をし、「付け焼き刃はなまり易い」は慣用句として使用されます。 「その場しのぎ」や「にわか仕込」が類語です。