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「善は急げ」の意味と使い方、類語、対義語「悪は延べよ」、英語を例文つきで解説

「善は急げ」の意味は、「よいことをするのにためらうな」です。今回は「善は急げ」の正しい意味や使い方を例文付きで紹介します。類語や対義語、英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「善は急げ」とは

「善は急げ」の意味は「よいことをするのにためらうな」

「善は急げ」の意味は、「よいことをするのにためらうな」です。 好機は逃すなと行動を促すときに使用される表現です。 座右の銘としても人気のある慣用句です。 座右の銘は、自分への励ましや戒めのために日頃から心に留めておく言葉のことです。 ちなみに「電話急げ」はパロディーで、連絡をとるのに電話が主流だった時代によく言われていた言葉です。 「用があるならすぐさま電話をかけるべき」という意味ですが、電子メールが使われるようになってからは「急に電話をかけるのは失礼だ」とする人も増えてきたため、使われなくなりました。

「善は急げ」の由来は仏教

「善は急げ」は、ダンマパダという仏教のお経が由来の言葉です。 ダンマパダは仏教の教えを短い誌節の形で伝えたもので、日本語で「法句経(ほっくぎょう)」といいます。 ダンマパダの「善を為すのを急げ、悪から心を退けよ、善を緩くしたら心は悪事を楽しむ」という一文があります。 これは、「善いことをするのにのろのろしていると、悪い好意や楽な習慣に負けてしまう」ということを言い表しています。 ここから、「善いことは急いで行うべきだ」という意味で「善は急げ」といわれるようになりました。

「善は急げ」の使い方と例文

相手に行動を促す

「善は急げ」は相手に行動を促すとき使用することができます。 例えば、禁煙をしようかどうか迷っている友人に「良いことなんだから、悩んでないで今すぐにでもしたほうが良いよ」と背中を押す場面です。 「善は急げだ」「善は急げというから」というように、引用する形で使用されます。

行動を促す「善は急げ」の例文

  • 善は急げだ。今日から行動しなさい。
  • 善は急げというから、今すぐ行動計画を立てましょう。
  • 善は急げという諺もあるから、近いうちに転職エージェントに会うのがいいよ。

自分の意思表明

「善は急げ」は「好機を逃さずすぐに行動をする」という自分の意思表明で使用することもできます。 例えば、何かいいことを思いついてすぐに行動に移そうとするときに「善は急げだ」といいます。

自分の意思表明で使用する「善は急げ」の例文

  • 善は急げというから、ただちに活動を開始する予定です。
  • 善は急げというように、まだ青二才だが結婚しようと思う。

ただ急ぐという意味では使えない

「善は急げ」は「ただ急ぐ」という意味では使用できないので注意しましょう。 「善は急げ」の「善」は、「道理にかなったこと」を意味します。 つまり、「善は急げ」は厳密には「道理に合ったことをするのは躊躇してはいけない」という意味です。 本人がよいと思っていても、一般的に悪いことに対して使うのは不自然です。 例えば「善は急げだ。今すぐ盗んでしまえ」などとは使えません。

「善は急げ」の類語

思い立ったが吉日

「思い立ったが吉日」は「おもいたったがきちじつ」と読みます。 「吉日」の読み方は、本来「きにちに」ですが現在では一般的に「きちにち」と読みます。 「思い立ったが吉日」の意味は「あることを決意したら、すぐに実行するのがよい」です。 「吉日」とは、暦によって知る縁起のよい日です。 何かをしたいという気持ちになったら、日を選んでからやり始めるよりも今すぐに始めた方が良いということを言い表しています。 「思い立つ日が吉日」「思い立つ日に日咎なし」ともいいます。 先延ばしにせずすぐに実行するのが良いという意味で「善は急げ」と同じ意味です。

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鉄は熱いうちに打て

「鉄は熱いうちに打て」は「てつはあついうちにうて」と読みます。 「鉄は熱いうちに打て」の意味は、

  1. 人も純粋な気持ちを持っている若い時に、鍛えるべきであること
  2. 物事は手遅れにならないよう、適切な時機に行う必要があること

です。 鉄は熱してから冷めないうちに加工した方が良い形になったり、強くなったりするという意からきています。 「善は急げ」と「鉄は熱いうちに打て」は意味が似ていますが微妙に異なります。 どちらも「早く行動に移した方が良い」という意味ですが、「善は急げ」は「すぐにでも始めた方が良い」、「鉄は熱いうちに打て」は「早めの方が良いものの、事を進めるにはちょうど良い時機にやるべき」を表します。

急がば回れ

「急がば回れ」は「いそがばまわれ」と読みます。 「急がば回れ」の意味は「成果を出すには、遠回しでも安全で着実な方法の方が良いこと」です。 危険がある近道よりも、遠回りでも安全な道の方が結局は早く無事に目的地に着くという意からきています。 「善は急げ」は「よいと思ったことはためらうな」という意味なので、「急がば回れ」は一見反対の意味を表しますが、厳密には「思い立ったが吉日」は行動を開始する前の意気込みであり、「急がば回れ」は行動を開始した後のプロセスの話です。 「善は急げ」は「行動に移すのは早いほうがベストだ」ということで、成果を上げるのにベストなのは、「焦らずに遠回りでも着実な手段を選ぶこと」ということを言い表しています。

旨い物は宵に食え

「旨い物は宵に食え」は「うまいものはよいにくえ」と読みます。 「旨い物は宵に食え」の意味は「利益になるものは、事情の変わらないうちに早く手に入れたほうがよい」です。 「うまい物を食べ惜しんでまずくしてはつまらない」ということから、「良いことは早めに勧めたほうが良い」という意味で使用されるようになりました。

フッ軽

「フッ軽」は「ふっかる」と読みます。 「フッ軽」の意味は「行動が迅速、切り替えがすばやいさま」です。 「フットワークが軽い」の略で「フッ軽」といいます。 「フットワーク」の意味は、「足の運び」です。 「足の運びが軽い」=「行動が素早い」「機動力がある」という意味になります。 「フッ軽」は「行動するのは早いほうが良い」という意味ではなく、単に行動力があることを言い表す言葉です。

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「善は急げ」の対義語

悪は延べよ

「悪は延べよ」は「あくはのべよ」と読みます。 「悪は延べよ」の意味は、「悪いと思うことは、延期にせよ」です。 悪いと思うことは延期にすれば、事情がやがて変化して行わないで済むようになることもあるということを言い表しています。 「善は急げ」は、「良いことをするのは急いだほうが良い」という意味なので「悪は延べよ」は対義語になります。 「善は急げ、悪は延べよ」と続きとして繋げて使う場合もあります。

急いては事を仕損じる

「急いては事を仕損じる」は「せいてはことをしそんじる」と読みます。 「急いては事を仕損じる」の意味は「物事はあせると失敗しやすい」です。 「せく」は、「早くしようと焦る」という意味です。 「急いては事を仕損ずる」「急いては事を過つ」ともいいます。 ただし、「いそいでは事を仕損じる」は誤りなので注意しましょう。

待てば海路の日和あり

「待てば海路の日和あり」は「まてばかいろのひよりあり」と読みます。 「待てば海路の日和あり」の意味は「あせらず待てば、そのうちにきっといいことがある」という意味です。 風待ちの港に船を寄せていれば、やがて出航にふさわしい天候に恵まれるという意味から、転じて「待っていればいいことがある」という意味で使用されるようになりました。 「良い機会があるまで待とう」という意味なので、「善は急げ」の対義語です。

「善は急げ」の英語

Make hay while the sun shines.

「善は急げ」の英語表現は「Make hay while the sun shines.」です。 これは「善は急げ」の英訳ではなく、英語圏にも存在することわざです。 直訳すると「日の照るうちに干し草をつくれ」で、「機会が続くうちに、それを活かせ」という意味です。

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