「全然大丈夫」と日常生活で使用することって多いと思いますが、正しい使い方なのでしょうか。今回は「全然」の意味と使い方、「全然大丈夫」の敬語への言い換え表現を紹介します。「全然大丈夫」の英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「全然」の意味は大別すると4つもあります。
1つ目の使い方が最も一般的です。 全然の後に「〜ない」など否定的表現を続けて全面的な否定を意味します。 例えば「全然間に合わない」で「まったく間に合わない」という意味になります。 2つ目は、全然の後ろに肯定的な表現を続けて使用します。 例えば「この件に関しては彼が全然悪い」という使い方です。 全然に肯定的な表現を続けると「完全に」「まるっきり」という意味になります。 現代でこのような使い方をするのは違和感がありますが、明治時代に夏目漱石や森鴎外などが「全面的に」「完全に」という意味で否定を伴わず肯定表現で使用していることから、元々は「全然+肯定表現」で使用されていたといえます。 3つ目、4つ目は若者言葉の一種です。 「全然+肯定」の形でされます。 例えば、「AよりBのほうが全然すごい」というように程度の差があることを言い表わします。 また、「全然大丈夫」というように、予想や懸念に反して問題がないことを言い表すときに使用します。
「全然」の例文
以上の「全然」の解説を踏まえて、「全然大丈夫」は誤用なのでしょうか。 結論からいうと、間違った日本語とはいえないが、ビジネスシーンでは不適切、です。 上記の4つの意味は、現在では[俗な用法]として辞書にも記載があります。 よって、4つ目の意味で使う「全然大丈夫」は間違った日本語とはいえません。 しかし、「全然」の正式な使い方は、1つ目の意味で否定文で使います。 2つ目のもともとの用法も現代ではほとんど使用されず、誤解を招くので使用しない方がよいでしょう。
「全然大丈夫です」はビジネスシーンでは不適切です。 目上の人に対してやかしこまった場面で使用する場合は、
と言い換えましょう。 「全く」は「全てにわたって」「完全に」という意味があり、「全然」と言い換えることができます。 「全然」は口語的でくだけた表現であるため、「全く」のほうがビジネスシーンに適しています。 「問題ありません」は、「問題とするところがない」という意味で「大丈夫」ということを言い表しています。 「問題」に「ある」の連用形「あり」+丁寧語「ます」の未然形「ませ」+打ち消しの「ぬ(ん)」をつけた敬語表現なので目上の人に使用することができます。 「問題ございません」とすると、「問題」に「ある」の丁重語「ござる」と丁寧語「ます」の未然形「ませ」+打ち消しの「ぬ(ん)」をつけた敬語表現になり、より丁寧になります。 丁重語とは、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用されます。 丁重語は自分をへりくだることで敬意を示す謙譲語と同じ種類で「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 「差し支ありません/ございません」は「自分にとって不都合なことはないこと」を表します。 「支障ありません/支障ございません」は「ことを進めるにあたって妨げとなるものではない」という意味です。
「全然大丈夫」の敬語の例文
「全然大丈夫」の英語は「No problem at all.」です。 「no problem」は文字通り「問題ない」という意味です。 「at all」は否定文で使い「全く〜ない」という意味になります。 「No problem at all.」で「全く問題」=「全然大丈夫」となります。
「全然大丈夫」は「Totally fine.」で表すことも可能です。 直訳すると「完全に平気です」といったところです。 「totally」は単体でも返答として使うことができます。 「totally」の詳しい使い方を知りたい方は下記の記事を参考にしてください。