「ですから」は「だから」の丁寧語で、ビジネスシーンなどかしこまった場面の会話で主に使用されます。今回は「ですから」の意味と用法を例文付きで紹介します。「ですから」の類語・言い換え表現や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「ですから」は、「だから」の丁寧語です。 「だから」は、助動詞「だ」に助詞の「から」がついた言葉です。 助動詞「だ」を丁寧語の「です」に変えているため、「ですから」は丁寧語になります。 「ですから」は、ビジネスシーンなどかしこまった場面の会話で主に使用されます。
「ですから」は、助動詞「です」に助詞「から」が付いて、自立語になったものです。 「ですから」は接続詞です。 接続詞は文と文をつなぐときに使用される言葉のことをいいます。 「ですから」は、先行の事柄をうけてその当然の結果として後続の事柄が起こることを示す接続詞で、「ですから、AはBになります」というように文頭で使用することができます。
「ですからね」は、助動詞「です」に助詞「から」と間投助詞の「ね」をつけた言葉です。 間投助詞とは、文中または文末の文節につけることで語調を整え、感動・余情・強調などの意を添えるものです。 口語では「な(なあ)」「ね(ねえ)」「さ」、文語では「や」「よ」「を」「ゑ」が間投助詞にあたります。 「ですからね」は間投助詞の「ね」がついているため、「ですから」より柔らかい響きになります。 例えば、「明日はゆっくり休んでください。随分お疲れのようですからね。」という使い方をします。
「ですから」は、「だから」と同じように文に繋げて使用することができます。 例えば、「明日は雨ですから、洗濯は今日中に終わらせておきましょう」という使い方をします。 前に述べたことを理由として、その帰結を導きます。 このように使う場合は接続詞ではなく、助動詞「です」と助詞「から」と解釈するのが正しいです。 なぜなら、接続詞が文末に付くことはないからです。
例文
「ですから」は、上述したように文頭で使うことができます。 例えば、「明日は雨です。ですから、洗濯は今日中に終わらせたほうが良いでしょう」という使い方です。 文頭で使う場合も、前に述べたことを理由として、その帰結を導きます。
例文
「ですから」は、倒置法で使用することもできます。 「倒置法」とは、述語に対する主語や修飾語などのふつうの順序を逆にすることです。 倒置法を利用することで、語性を強めて印象を強くしたり、語調を整えることができます。 倒置法で「ですから」を使用すると、例えば 「ありがとうございます!これはいくらあってもいいですからね」 「今日のランチは控えめにしてください。夜は会食ですからね」 というようになります。
例文
「明日は雨ですか」「ですから、明日のイベントは中止でしょうね」というように、相手が何か言ったときの返答で冒頭に「ですから」を使用することもできます。 しかし、返答の冒頭で「ですから」を使用すると失礼な場合もあるので注意しましょう。 例えば、「〜はAということで問題ないですか?」という質問に対して「ですから、それは〜」というような使い方をしてしまうと、「前にも言いましたが」「言わなくてもわかるくらい当たり前のことですが」という反抗的なニュアンスになります。 特に語気は強めにしてしまわないように注意しましょう。
例文
「ですから」は、相手の言ったことの理由を述べるときにも使用することができます。 例えば、 「子育てしながら仕事は大変だよ」「やること倍ですからね」 「昨日は何人にもナンパされちゃったよ」「あなたはイケメンですからね」 という使い方をすることができます。 相手が言った帰結に対しての理由を、「それは○○ですからね」と述べます。
例文
「ですので」は、「なので」を丁寧にした表現です。 「なので」は、断定の助動詞である「~だ」の連体形「な」+理由を表す接続助詞「ので」で成り立っていて、前述の内容を踏まえて理由を述べる時に使用する接続詞です。 自分が言いたいことの原因や理由を表すときに、「〜ですので」を使用します。 したがって「ですので」と「ですから」は同義であるといえます。 ただし、「ですので」は自立語ではないため「◯◯である。ですので△△だ」というように文頭で使用することはできません。 「○○ですので、△△しましょう」という使い方が正しいです。
「なので」という言葉は、断定の助動詞「だ」と、接続詞である「ので」を組み合わせてできている言葉です。 「なので」は、「順接」に使用され「〜だから」と同じように接続詞的な役割をもちます。 例えば、「お腹がすいた。なのでご飯を食べた」といったように、前半は後半の順当な原因・理由になっている文のことです。 「なので」は、「だから」よりはフォーマルだが、「ですから」よりカジュアルです。 ビジネスシーンなどでは「ですから」のほうが適しています。 ちなみに、「なので」は接続詞ではないので、厳密には文頭で使用不可です。 現代では接続詞的な役割が認められつつあるため、文頭で使用しても違和感を抱かない人も多いですが、ビジネスシーンやかしこまった文章では、文法上の決まりを守って文頭で使わないようにしましょう。
「したがって」「よって」「それゆえ」は敬語ではありませんが、堅い表現なので論文などかしこまった文章で使用され、プレゼンテーションや企画会議など、かなり改まった場面では口語として使用しても問題ないといえます。 ただし、ビジネスシーンで使う場合は少し相手に冷たい印象を与えてしまうこともありますし、堅苦しい接続詞を使用することにより、その前後の文章も難しくわかりずらい文章になりかねないので注意が必要です。 口語で使用するのであれば「そのため」や「その影響で」を使用したほうがわかりやすく、柔らかい印象になります。
「したがって」の敬語は「したがいまして」です。 「したがう」の連用形「したがい」に丁寧語の「ます」の連用形「まし」と助詞「て」をつけると、「したがいまして」になります。 丁寧語「ます」を使用しているので敬語の種類は「丁寧語」です。 「つきまして」は、「ついては」の丁寧にした言葉です。 「ついては」は、前に述べたことが関係して起こる事柄を次に述べるときに使用する接続詞です。 「丁寧語」の「ます」を使用しているので「つきまして」も「丁寧語」です。
「ですから」を意味する最も一般的な英語は「so」です。 「so」は「だから」を意味する接続詞です。 文中でも文頭でも使うことができます。
It looks like rain soon, so we should push back shopping.
もうすぐ雨になりそうだから、買い物はリスケしましょう。
「前も言いましたけど」という意味で使う「ですから」の英語は「like I said before」です。 「as I told you before」でもよいでしょう。