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「ご多用のところ」の意味と使い方、言い換えをメール例文つきで解説

「ご多用のところ」は「ごたぼうのところ」と読みます。「用事が多いときに」という意味で、ビジネスシーンなどで依頼をするときなどにクッション言葉として使用することができます。今回は「ご多用のところ」の意味と使い方を例文付きで紹介します。類語との違いや、言い換え表現も合せて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「ご多用のところ」とは

読み方

「ご多用のところ」の読み方は「ごたようのところ」です。 「多」は音読みで「タ」、「用」は音読みで「ヨウ」と読みます。

意味

「ご多用のところ」の意味は「用事が多いときに」です。 「ご多用」は「多用」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「多用」の意味は「用が多いこと」です。 「ところ」の意味は、「そのような場面・状況・事態・場合」です。 「ところ」は漢字で「所」と書きますが、この場合は漢字表記にはしません。 「ところ」の原義は「物が置かれたり事が行われたりする具体的な場所」です。 「ご多忙のところ」のように原義から転じた意味で使われる場合は、平仮名表記します。

「ご多用」の読み方と使い方!類語「ご多忙/お忙しい」との違い

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敬語

「ご多用のところ」は、「多用」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけています。

接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「ご」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「ご」は、丁寧語

「ご多用」の「ご」は、相手が忙しいことに対する敬語なので尊敬語です。

「ご多用のところ」の使い方と例文

感謝

「ご多用のところ」は、ビジネスシーンなどでお礼をする場面で使うことができます。 例えば、自分の依頼に相手が対応してくれたことに対してお礼を伝えるときになどに「ご多用のところ」の後ろに感謝を伝える言葉を続けて使います。 後ろに続く感謝を伝える言葉には、

  • ありがとうございます/ありがとうございました
  • 誠にありがとうございます
  • 感謝します/感謝いたします
  • お礼申し上げます
  • 深謝申し上げます
  • 拝謝申し上げます
  • お礼の言葉もございません

などがあります。

感謝で使う「ご多用のところ」の例文

  • ご多用のところ早々にご返信くださり、感謝申し上げます。
  • ご多用のところ、ご対応いただきありがとうございました。
  • 本日はご多用のところ弊社へ足をお運びいただき拝謝いたします。

依頼

「ご多用のところ」は、ビジネスシーンでお願いする場面でクッション言葉としてもよく使います。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。 クッション言葉を使うことで間接的な表現になり、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 主な言い回しには、

  • ご多忙の中恐縮ですが
  • ご多忙の中恐れ入りますが
  • ご多忙の中申し訳ございませんが
  • ご多忙の中とは存じますが
  • ご多忙の中お手数をおかけしますが

などがあります。 例えば、ビジネスシーンで営業に伺いたいと依頼をするときやアンケートに協力してほしいときなどに「ご協力」や「ご対応」などと合わせて使用することが多いです。

「ご多用のところ」の例文

  • ご多用のところ恐縮ですが、ご検討のほど何卒よろしくお願いいたします。
  • ご多用のところ大変申し訳ございませんが、ご対応よろしくお願いいたします。
  • ご多用のところお手数をおかけしますが、ご返信いただきたく存じます。

「ご多忙のところ」の類語との違い

「ご多用」と「ご多忙」の違い

「ご多忙」は「ごたぼう」と読みます。 「ご多忙」の意味は「非常に忙しいこと」です。 「ご多忙」は「多忙」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「ご多忙」は「あれこれとやることがあって忙しいこと」を表し、「ご多用」は「用事がたくさんあること」を表しているという点で違いがあります。 「ご多用」よりも「ご多忙」のほうが忙しさを強調している意味合いになります。

「ご多忙」と「ご多用」の意味の違いと使い分けを例文付きで解説!

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「お忙しい」も類語

「お忙しい」は「おいそがしい」と読みます。 「お忙しい」の意味は「多忙」と同じです。 用事が多くて他のことにかまっていられない様子を表します。 「お忙しい」は、電話や口頭でよく使われるカジュアルな敬語表現でもっとも一般的な表現です。 ビジネスメールなど文章で使う場合は、より堅い表現である「ご多忙」や「ご多用」が使われる事が多いです。

「ところ」「折」「中」の違い

「ご多用のところ」は「ご多用の中」「ご多用の折」と言い換えることができます。 「ご多用の中」の「中」は「物事が起こっているその状況下」という意味です。 したがって「ご多用の中」で「用事がたくさんある状況下に」という意味になるので「ご多用のところ」と同義です。 「ご多用のところ」「ご多用の中」をよりフォーマットな表現にすると「ご多用の折」となります。 「折」とは、時の流れの中で、他と区別して区切った、そのときという意味です。 少しややこしいですが「時」と同義です。他と区切ったという意味なので、「今まさに(他の時期よりも)忙しい時なのに」というニュアンスを含み、より謙虚な印象を相手に与えます。 ビジネスメールなどの文章で使われる表現です。

「ご多用のところ」の言い換え

お手数をおかけしますが

「お手数をおかけしますが」は「おてすうをおかけしますが」と読みます。 「お手数をおかけしますが」は「手間をかけさせてしまいますが」です。 例えば「ご確認をお願いします」や「ご対応をお願いします」など依頼をする時に相手に配慮するクッション言葉として、「ご多忙のところ」と言い換えることができます。

ご面倒をおかけしますが

「ご面倒をおかけしますが」は「ごめんどうをおかけしますが」と読みます。 「面倒」は「手間がかかったり、解決が容易でないためわずらわしいこと」を意味しています。 尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて「ご面倒」という場合は、「相手に対して面倒なこと」という意味になります。 「ご面倒をおかけして〜」といった形で、自分のせいで相手に時間をかけてしまったり、手間をかけさせてしまった際に、そのことについて詫びる気持ちで使用します。 上述した「お手数」と「ご面倒」はほぼ同じ意味ですが、一般的には「お手数」を使うことが多いです。

お手間をとらせてしまいますが

「お手間をとらせてしまいますが」は、「おてまをとらせてしまいますが」と読みます。 「手間」は「そのことをするのに費やされる時間や労力」を意味しています。 「お手間」は、相手が時間や労力を費やす場合は「手間を取らせる」で、「手間」についている接頭辞「お」は尊敬語です。 「お手間」は「お忙しいところお手間を取らせてしまい申し訳ありませんが~」などと謝罪するときや依頼をするときに使用することができます。 「お手間ですが」「お手間をおかけしますが」は誤用なので注意しましょう。

お手を煩わせてしまいますが

「お手を煩わせてしまいますが」は、「おてをわずらわせてしまいますが」と読みます。 「煩う」は「あれこれと心をいためる・思い悩む」「苦労する」を意味しています。 「お手を煩わせて」で、依頼をするときに「相手に苦労や面倒をかける」という申し訳ない気持ちを表現できます。

「ご多用のところ」の使用上の注意点

相手が忙しくなくても使える

「ご多用のところ」は社交辞令に近く、謙遜する気持ちを表現するものです。 相手が実際には忙しくなく暇な場合でも「ご多用のところ〜」の形で依頼することができます。 どうしても気になる方は、「大変恐縮ですが」など「ご多用のところ」を省略した形で使いましょう。

嫌味に聞こえる場合も

「ご多用のところ」は、上述したように相手が忙しくても忙しくなくても使うことができます。 しかし、相手が時間に余裕があることが明らかな場合に、「ご多用のところ」と言うと嫌味に聞こえます。 そのような場面では使用するのはやめましょう。

使い過ぎには注意

ビジネスシーンで同じ言葉を何度も繰り返し使用するとしつこく、相手に不快な思いをさせてしまう場合があるので注意しましょう。 「ご多用のところ訳ありませんが」などを多用すると、本当に申し訳なく思っているのか?と疑問に感じる方もいらっしゃいます。 上記で紹介した言い換え表現を使用したり、ある程度関係が築けたら使用を停止する、などして対応しましょう。

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