「いかがでしたでしょうか」は自分のした仕事や行為について相手に感想や意見を尋ねる表現ですが、二重敬語なので注意です。また人によっては「むかつく」と感じる人もいるようです。
「いかがでしたでしょうか」の文法解説をします。 「いかが」は「どう」の丁寧な言い方で、相手の気持ちや様子を確かめる語です。 「でした」は断定の助動詞「です」の連用形に、過去の助動詞「た」 「です」は丁寧語(敬語)です。 「でしょうか」を品詞分解すると、断定の助動詞「です」の未然形「でしょ」に、推量の助動詞「う(む)」と疑問の助詞「か」が付いたものです。 つまり「でしょ」も丁寧語です。 「でしょう」は「だろう」の丁寧な言い方で敬語ではないと主張する人もいますが、「でしょう」は完全に丁寧語です。 二重敬語とは、一つの語に同じ種類の敬語を重ねて使用してしまうことです。 二重敬語は、過剰な敬語表現で相手に不快感を与えるため誤用とされています。 したがって、「いかがでしたでしょうか」は二重敬語であり、間違った敬語表現です。
「いかがでしたか」は、品詞分解すると「いかが」+断定の助動詞「です」の連用形に、過去の助動詞「た」の「でした」+疑問の助詞「か」です。 「いかがでしたでしょうか」は丁寧語を二つ使用した二重敬語ですが、「いかがでしたか」であれば正しい敬語表現(丁寧語)になります。
「いかがでしょうか」を品詞分解すると「いかが」+断定の助動詞「です」の未然形「でしょ」に、推量の助動詞「う(む)」と疑問の助詞「か」となります。 「いかがでしょうか」は、相手の現在の気分や状態、感想などを尋ねるときに使用することができる正しい敬語表現です。
「いかがいたしましょうか」は、品詞分解すると「いかが」+「する」の謙譲語(丁重語)「いたす」+丁寧語「ましょう」+疑問の助詞「か」です。 丁重語とは、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語です。 丁重語は自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示す「謙譲語」と同じ種類の敬語で、「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。
「いかがなさいますか」は、品詞分解すると「いかが」+「する」の尊敬語「なさる」+丁寧語「ます」+疑問の助詞「か」となります。 尊敬語は、相手の動作を高めることで相手に敬意を示すことができる敬語です。 「いかがなさいますか」は、目上の人に対して「どうしますか?」と質問するときに使用することができる正しい敬語表現です。 「いかがなさいましたか」は、目上の人に「どうしましたか?」と状況や状態を聞くときに使用することができる尊敬語です。
「ございますでしょうか」は、品詞分解すると「ある」の丁重語「ござる」+丁寧語「ます」+丁寧語「でしょう」+疑問の助詞「か」となります。 したがって「ございますでしょうか」も丁寧語を二つ重ねて使用している二重敬語であるため誤用です。 ただしくは「ございますか」です。 「ございますか」は、丁重語+丁寧語なので二重敬語になりません。
「いかがでしたか」は、「お料理のお味はいかがでしたか?」というように目上の人に感想を尋ねることができます。 「いかがでしたか」は口頭だけではなく、ビジネスメールや手紙などでも使用されます。 例えば、商品に関する資料をメールで添付した後に「いかがでしたか?何かご質問があれば何なりお申し付けください」などと尋ねる場面で使用します。
「いかがでしたか」の例文
「いかがでしたか」は、目上の人に提案・催促をするときに使用することもできます。 例えば、プロジェクトに関する案を出したという場面で「先日提案させてもらった案はいかがでしたか?」というように使用します。 また、「その後、進捗状況はいかがでしたか?」というように、遠回しに催促することも可能です。
「いかがでしたか」の例文
「お気に召す」は「気に入る」の尊敬語です。 「お気に召す」に丁寧語「ます」と過去の助動詞「た」と疑問の助詞「か」で「お気に召しましたか」になります。 「お気に召しましたか」は、目上の相手に気に入ったか感想を聞くときに使用する敬語表現です。 料理の感想など、気に入ったがどうかを聞く場面では「いかがでしたでしょうか」と言い換えることができます。
「ご満足いただけましたか」は、「満足」に尊敬を表す接頭語の「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語「ます」+過去の「た」と疑問の助詞「か」をつけた敬語表現です。 「満足」は「心が満ち足りること」です。 不十分であったり、欠点がなくて不平不満のない状態を「満足」といいます。 「ご満足いただけましたか」も、目上の人に感想を聞くときに使用することができる敬語表現です。
「お役に立てましたか」は、「役に立つ」に謙譲語の接頭語「お」と丁寧語「ます」+過去の「た」と疑問の助詞「か」の敬語表現です。 「役に立つ」は「その目的に有効に働く」という意味です。 「お役に立てましたか」で、相手の目的のために有効に働くことができたのか感想を尋ねることができます。
「どうでしたか」は、「いかがですか」の「いかが」を「どう」に言い換えた言葉です。 「どう」に丁寧語「でし」+過去の助動詞「た」+疑問の助詞「か」の正しい敬語表現です。 目上の人に使用することもできますが、丁寧語なので丁寧さに欠けます。 目上の人に尋ねる場合は「いかがですか」など、より丁寧な敬語表現を使用しましょう。 部下など目下の人に対してであれば「どうでしたか」でも問題ありません。