「一環」は「〜の一環として」「〜の一環となる」などと使います。本記事では「一環」のビジネスシーンや誤用表現に注目して解説していきあす。類語「一端」との違いも解説
「一環」の読み方は「いっかん」です。 「一環」の意味は「全体として関係があるものの一部分」です。 「一環」のもう一つの意味は「鎖などの輪っかの一つ」です。 こちらが語源で、「お互いに繋がりを持つものの一部、全体を構成する一部」という意味でも使われるようになりました。
「一貫」は同音異義語です。 「一貫」の意味は、
です。 「貫」は「最後までやり通す」という意味を持ちます。 「一貫」は、始めから終わりまで、一つの方針や考え・態度を変えずに通すことを表し、「物事を最後まで貫く」というプラスな意味合いで使うことがほとんどです。 また、「一貫」は寿司を数えるときの単位でもあります。 この場合の「一貫」は重さのことで、「40グラム」が寿司一貫の重さの基準です。 40グラムはおにぎりほどの大きさがあり、一口ではたべれないので二つに切って提供されるようになったことからお寿司は「2個で一貫」と数えます。
例文
「一環に組み込まれる」「一環と位置づけられる」という言い回しで使用することもあります。 「〜の一環をなす」「〜の一環になる」などと使うこともあります。 これらは「全体を構成する一部に加える」「全体を構成するうちの一つとする」という意味です。 この場合も、数ある全体のうち一つを言及する場面で使用されます。
例文
「一環の終わり」は誤用で、正しくは「一巻の終わり」です。 「一巻」も「一環」の同音異義語です。 「一巻」は
という意味です。 「一巻の終わり」は「一巻からなる物語の終わり」という意味から転じて「物事の結末がつくこと」「死ぬこと」という意味で使用される言葉です。 例えば、「大手企業相手にトラブルを起こしたら一巻の終わりだ」というように使用します。 「一貫の終わり」もよくある誤記なので注意しましょう。
「一端」は「いったん」と読みます。 「一環」は関連し合って一つの環(わ)のようにつながっている事柄の一つをいうのに対して、「一端」は単に全体のほんの一部分をいいます。 例えば、「〜の一端として」だと「〜のほんの一部分として」という意味になります。 また、「一端」には「棒の一端」のように、一方の端っこを指す場合にも使います。 「一環」にこの意味はありません。
「一環を担う」という言い回しはありません。 正しくは、「一端を担う」です。 「一端を担う」の意味は「責任や役目の一部を負っている」です。 また、「ある事物について、部分的に関与している」という意味で使用されます。 例えば、「会社経営の一端を担う」「プロジェクトの一端を担う」などと用います。 簡単な仕事や単純作業というよりも、重大な仕事やプロジェクトなどある程度責任が伴うことに対して使われます。
例文
「一環」「一端」の類語には「一部分」「一面」「片鱗」などがあります。 「一部分」は「いちぶぶん」と読みます。 「全体の中のある僅かな部分」「一部」という意味です。 「一面」は「いちめん」と読みます。 「一面」の意味は「物事の一つの面」です。 「片鱗」は「へんりん」とよみます。 「片鱗」の意味は「きわめてわずかな一部分」です。 「一端」と同義になります。 特殊の例ですが「趣味の一環」は「趣味が高じて」などを言い換えることもできます。
「一環」の英語は「part」で表すことができます。 「part of ...」で「...の一環」という意味になります。 「a part of」より「part of」の方が一般的です。 「as part of」で「の一環として」という意味です。
As part of our social activities, we are providing support for those experiencing homelessness.
社会活動の一環として、我々はホームレスの方々を支援している。