「一貫」と「一環」は、どちらも「いっかん」と読む同音異義語です。「一貫」の意味は、ある一つの考えや方法などを始めから終わりまで貫き通すことです。類語は「貫徹(かんてつ)」です。「一環」の意味は、全体として関係があるものの一部分です。類語は「一端」です。
「一貫」・・・「ある一つの考えや方法などを、始めから終わりまで貫き通すこと」 「一環」・・・「全体として関係があるものの一部分であること」
「一貫」は「いっかん」と読みます。 「一貫」の意味は、
です。 「貫」は「最後までやり通す」という意味を持ちます。 「一貫」とすると、始めから終わりまで、一つの方針や考え・態度を変えずに通すことを表します。 「一貫」は物事を最後まで貫くという場合に使います。プラスな意味合いで使うことがほとんどです。 例えば、「方針が一貫している」「一貫した態度をとる」と用います。 「一貫作業」「裸一貫(はだかいっかん)」という言葉があります。 それぞれ「原料から仕上がりまで一定の方針によって流れ作業で処理する」「資本となるのが、自分の体以外何もないこと」を意味します。 「首尾一貫(しゅびいっかん)」「終始一貫(しゅうしいっかん)」などと四字熟語として使うこともできます。 「一貫」の類語には、「貫徹」「貫く」「信念を曲げない」「突き通す」「やり抜く」「ブレない」などがあります。
例文
「一環」は「いっかん」と読みます。 「一環」の意味は、
です。 「一環」は元々「鎖などの輪っかの一つ」という意味でした。転じて、「お互いに繋がりを持つものの一部、全体を構成する一部」という意味でも使われるようになりました。 主に「◯◯の一環として」という形で用います。例えば、「福祉の一環として〜」「授業の一環として〜」などと使います。 「勉強の一環として新聞を読む」ならば「勉強に繋がりそうなので、新聞を読む」というニュアンスになります。 「一環として考える」「一環に過ぎない」などという形でも使います。 「一環に過ぎない」は「全体の中での一つというだけで、それほど大事ではない」とネガティブな意味合いになります。 「一環として」の類語には、「一端として」「そのうちの一つで」「ある部分として」「一連の流れの中で」などがあります。
例文
「一貫(いっかん)」とは、ある一つの考えや方法などを始めから終わりまで貫き通すことです。 「一環(いっかん)」とは、全体として関係があるものの一部分であることです。 例えば、「終始いっかんした考えをもっていた」という場合は「一貫」を使います。