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「心づもり」の意味と目上への使い方、類語「心構え・心算」との違い、英語を例文つきで解説

「心づもり」の意味は「心の中で予め考えておくこと」です。「いざという時のために心の準備をしておく」「誰にも言わないが、できることならそうしたいという計画・願望」という2つのニュアンスがあります。「心づもりはある」「心づもりをする」という言い回しで使用し、ビジネスでは「予めご了承下さい」などと言い換えて使用します。

「心づもり」とは

「心づもり」の意味は「心の中で予め考えておくこと」

「心づもり」の意味は、「心の中で前もってそうしようと考えておくこと」です。 この意味には2つのニュアンスがあります。 1つ目は「いざという時のために心の準備をしておく」 例えば天災など、いつおきるかわからないことを「いつ起きても良いように心の準備をする」ということです。 2つ目は「誰にも言わないが、できることならそうしたいという計画・願望」です。 「いつかは独立する願望があって人知れず計画している」というようなことを言い表します。

「心づもり」の漢字「心積り」「心積もり」

「心づもり」は、漢字で表記すると「心積り」または「心積もり」と書きます。 「積」とは、「あらかじめ見計らって計算すること」です。 例えば「見積り」は、「あらかじめ大体の計算をする」という意味になります。 「心づもり」と平仮名で表記されることが多いですが、フォーマルな文章では「心積り」「心積もり」と漢字で表記されることもあるので覚えておきましょう。

「心づもり」の使い方と例文

「心づもりをする」「心づもりはある」などと日常会話で使う

「心づもり」は「心づもりをする」「心づもりはある」などの形で使用します。 「心づもりをする」は日常生活で「自分の中であらかじめそうなることを予想しておく」「イメージをしておく」という意味です。 「心づもりはある」は、「自分の中で、そうなる心の準備ができている」「そういったイメージがすでにある」という意思や意向を伝えることができる表現です。

例文

  • 転職に向けて新しい仕事の心づもりをする。
  • 彼がどういう心づもりなのか、私には理解できない。
  • 心づもりしていた通りに、進んでいるので安心しています。
  • 心づもりしていたと見えて、全く対応できていなかった。

「心づもり」は親の最期などを覚悟するという意味合いでも

「心つもり」は、これから起こるであろうネガティブな事態を冷静に受け止めて心の準備をしていく、という意味でも使います。 例えば親の「最期」など、実際にはそうなってほしくないけれど心の準備をしておく必要があるというような直接口にするのも憚られるようなことを言い表す婉曲表現としても使います。

例文

  • 緊急事態に備えて心づもりをしておく。
  • もし親の介護が必要になったら同居する心づもりでいます。
  • 老後の心づもりはちゃんとしてある。
  • 両親も高齢なのでいつその日が来ても良いように心積もりをしておかなくてはいけない。

「心づもり」のビジネスでの使い方

「心づもりしておきます」で意思表明

「心づもり」は、日常会話だけではなくビジネスシーンで使用することもできます。 ビジネスシーンでは、「そうなってもいいように心の準備をしておきます」と意思表明をするときに使用します。 「心づもり」は敬語ではないので、ビジネスシーンで使用するときは「心積もりをしておきます」というように丁寧語「ます」をつけて敬語表現にして使用しましょう。

例文

  • いつ異動の辞令が出ても良いように重々心づもりしておきます。
  • 連絡が入り次第いつでも動けるよう心づもりをしておきますのでご安心ください。

「心づもりのほどよろしくお願いいたします」で依頼

「心積もりのほどよろしくお願いいたします」で、「そうなってもいいように心の準備をお願いします」と依頼をする表現になります。 目上の人に使うなら「お心づもり」と、尊敬語の接頭辞「お」を付けるとよいでしょう。 接頭辞「お(ご)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにでもなりえます。 目上の人の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は尊敬語です。 自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は謙譲語です。 ただ言葉を丁寧に言うだけなら接頭辞「お」は丁寧語になります。 心づもりを相手に依頼する場合、心づもりをするのは相手です。 よって、「心づもり」につける接頭辞「お」は相手の動作を高める尊敬語になります。 その他にも「お心づもりのほどよろしくお願い申し上げます」などの言い方もあります。 「お願い申し上げます」は「お願いいたいます」より恭しく、フォーマルな場面に適しています。

例文

  • 熱中症対策については、ご来場の皆様自身で行えるよう心づもりのほどよろしくお願いいたします。
  • 状況によっては予定が変更になる可能性もございますので、お心づもりのほどお願い申し上げます。

「心づもり」の類語

心構え

「心構え」は「こころがまえ」と読みます。 「心構え」の意味は、「物事に対処する気持ちの準備」です。 「構え」は「ある状況に備えて、身構える」という意味があります。 「心積もり」は、「心の中であらかじめ計画をしておくこと」です。 「心構えは」は、「ある目的に向けての心の準備」です。

心算

「心算」は「しんさん」と読みます。 「心算」の意味は「心中の計画」です。 前もって考えていたその考えを「心算」といいます。 「心算」と「心づもり」は同義です。

腹づもり

「腹づもり」は「はらづもり」と読みます。 「腹づもり」の意味は、「何かに対する心の準備や、およその計画」です。 心の中にもっているおおよその予定や計画のことなので、「心積もり」と同義です。

気構え

「気構え」は「きがまえ」と読みます。 「気構え」の意味は「物事に対処するときの心の準備」です。 また、なにかに取り組むときの意気込みを「気構え」といいます。 「気構え」も「心づもり」も「心の準備をする」という意味では同じです。 ただし、「気構え」は「必ず目的を達する」という強い意気込みを含んだ心の準備のことをいいます。

心組み

「心組み」は「こころぐみ」と読みます。 「心組み」の意味は「かねてから思いを設けていること」です。 また、積極的に問題に対処していこうとする心の持ち方を「心組み」といいます。 「心づもり」は、「心の中であらかじめ計画をしておくこと」「心の準備をすること」です。 「心組み」は、これから起こる物事に対する心の持ち方を表す言葉であるという点で「心づもり」とは異なります。 「心組み」は、「気持ちの組み立て、構え」という意味では「心構え」と同義です。

意図

「意図」は「いと」と読みます。 「意図」の意味は「あることをしようと考えること」です。 また、考えた事柄・もくろみ・ねらいを「意図」といいます。 「心づもり」は、「心の中で前もってそうしようと考えておくこと」です。 「意図」は、「○○をしよう」と目標を定めるようなはっきり意識していることです。

思惑

「思惑」は「おもわく」と読みます。 「思惑」は、動詞「思う」を名詞化したもので「思惑」は当て字です。 「思惑」の意味は「未来のできごとに対する見込みや予想。もくろみ」です。 「こうあるだろう」と予想することを「思惑」といいます。 「心づもり」は「心の中で計画をすること」「心の準備をすること」なので、「思惑」とは意味が異なります。

「心づもり」のビジネスでの言い換え

予めご了承ください

「予めご了承ください」は「あらかじめごりょうしょうください」と読みます。 「予め」は、「結果を見越して、その事が起こる前から」「前もって」「かねて」を意味する副詞です。 「了承」は、「承知すること」「相手の申し出や事情を理解し、聞き入れること」を意味しています。 よって、「予めご了承ください」で「どうか前もってご理解いただき、受け入れてください」という依頼の表現になります。 ビジネスシーンなどかしこまった場面や目上の人に、まだ始まっていない事や始める段階の事に対して相手に了解・納得を得る際に用いることができる敬語表現です。

「予めご了承ください」の意味と場面別の使い方、類語、敬語表現を解説

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予めお含みおきください

「予めお含みおきください」は「あらかじめおふくみおきください」と読みます。 「含みおく」は「心に留めておく」「ある状況を考慮に入れる」「念頭におく」という意味です。 「予めお含みおきください」で、「(相手に対して)前もって事情をよく理解してください」「前もって心に留めておいてください」という依頼をする表現になります。

敬語「お含みおきください」の意味と使い方!メールの例文、類語、英語も紹介

WURK

予めご容赦ください

「予めご容赦ください」は「あらかじめごようしゃください」と読みます。 「容赦」の意味は「許す、大目に見る」です。 「ご容赦ください」で「許してください」「大目に見てください」の尊敬語になります。 「予めご容赦ください」は、前もって許してほしいと事前の断りをいれるときに使用する敬語表現です。

「心づもり」の英語

prepare

「心づもり」の英語には「準備する」を意味する「prepare」が最適です。 「be prepared to...」で「...する心づもりはできている」という意味になります。 「be prepared for...」なら「...の心づもりはできている」の意味です。

I am always prepared for the worst.

私は万が一の時の心づもりをいつもしている。

You should prepare yourself for the next job.

次の仕事の心づもりをした方がよい。

まとめ

「心づもり」とは「心の中で予め準備していること」「心の中でこうなればよいと思っていること」という2つの意味があります。「こうなるだろうな」と予測することや「こうなったらいいな」と願望することの両方を意味します。

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