「虎視眈々(こしたんたん)」の意味は「油断なく機会をじっと狙っている様子」です。「虎視」は「虎が鋭い目であたりを見渡すこと」、「眈々」は「恐ろしい目をした虎が下を見下ろす様子」を表しています。
「虎視眈々」は「こしたんたん」と読みます。 「虎」は音読みで「コ」、「視」は音読みで「シ」、「眈」は音読みで「タン」と読みます。 「々」は、通称「のま」と言われ(ノとマを組み合わせたように見えることから)、前の漢字が続いて繰り返されるときに使用されます。 この場合、前の漢字が「眈(タン)」なので、「タン」と読みます。 「々」を使用せず「虎視眈眈」とする場合もあります。 「虎視眈眈」としても意味は同じです。 ただし、「虎視耽々」は誤りです。 「虎視耽々」は「耽」が耳編で、正しくは目編で「眈」です。 「耽」も「タン」と読みますが、「耽」は「夢中になる」という意味の漢字なので「眈」とは異なります。 誤って「虎視耽々」と書いてしまう人が非常に多いので注意しましょう。
「虎視眈々」の意味は「油断なく機会をじっと狙っている様子」です。 「虎視眈々」はもともと「虎が獲物を狙って鋭い目で見張っていること」を指す四字熟語です。 「虎視」は「虎がキリっとした目つきであたりを見渡すこと」です。 「眈々」は「虎の怖い目で見下ろすこと」です。 そこから転じて「厳しくチャンスを狙うようす」を指すようになりました。
「虎視眈々」は五経の「易経(えききょう)」という古代中国の書物にある「虎視眈々、其の欲遂遂タレバ咎無シ」という一節が語源となっていると言われています。 「虎視」は「虎が獲物を鋭い目つきで視ている様子」、「眈眈」は「恐ろしい目をしている虎が下を見下している様子」です。 ここから転じて「目を見張り付け入ろうとする機会を狙っている様子」を言い表す四字熟語として使用されるようになりました。
「虎視眈々」は「虎視眈々と〜」の形で副詞的に使用します。 例えば、昇進できるような機会を狙っているという場合には「昇進できる機会を虎視眈々と狙っている」というように使うことができます。 例えば、
などの言い回しで使用されます。
例文
「竜驤虎視」は「りゅうじょうこし」と読みます。 「竜驤」は、「竜が天に昇ること」、「虎視」は「虎が鋭い目を見張って四方を見渡すこと」という意味の熟語です。 この二つの熟語を組み合わせた「竜驤虎視」は、「雄士を抱き、他の勢力を自分の勢力下に入れようと情勢を伺っている様子」を言い表す四字熟語になります。 また、龍や虎のように意気が盛んで権力を持ち世の中を威圧することを「竜驤虎視」といいます。 「チャンスを狙って機会を伺う」というニュアンスで使用される四字熟語なので、「虎視眈々」の類語であると言えます。
「垂涎三尺」は「すいぜんさんじゃく」と読みます。 「垂涎」は「食べ物を欲しがりよだれを垂らすこと」、「三尺」は「程度が甚だしいこと」という意味の熟語です。 この二つの熟語を組み合わせた「垂涎三尺」は「食べ物を欲しがって大いによだれを垂らすこと」になります。 そこから転じて「物を手に入れたいと深く望むようす」を言い表す四字熟語として使用されています。
「野心満々」は「やしんまんまん」と読みます。 「野心」は「身分にふさわしくない望み」、「満々」は「満ち溢れていること」という意味の熟語です。 この二つの熟語を組み合わせた「野心満々」は「身分にふさわしくない望みをかなえようとする気概が、満ち溢れている様子」を言い表す四字熟語になります。
「待ち構える」は「まちかまえる」と読みます。 「準備を整えて、待ち受けること」を「待ち構える」といいます。 例えば、「〜がやってくるのを待ち構える」というように使用します。 人物や物はもちろん、チャンスなども「待ち構える」と言い表すことができます。
「持満」は「じまん」と読みます。 「持満」の意味は
です。 二つ目の意味で「虎視眈々」と類語になります。 「満を持す(まんをじす)」という使われ方もします。
「雌伏」は「しふく」と読みます。 「雌伏」の意味は「活躍の機会を待って、人の下に屈服すること」です。 雌鳥が雄鳥に服従することから転じて、力を養いながら活躍の機会を待つことを「雌伏」というようになりました。 「機会を待っている」という意味で「虎視眈々」と類語であるといえます。
「時機を見る」は「じきをみる」と読みます。 「時機」の意味は「あることを行うのに適当な機会」「チャンス」という意味です。 「時機を見る」で、何かをするのに良いタイミングを見計らうという意味になります。 したがって、「時機を見る」は「虎視眈々」の類語であるといえます。
「息をひそめる」の意味は「存在を気づかれないよう、息づかいをおさえてじっとしている」という意味です。 「息をひそめる」という言葉自体には「チャンスを狙う」という意味合いはありませんが、「相手にわからないようにチャンスを伺う」という意味で「息をひそめて○○をするタイミングを見計らう」などと使用することもできます。
「eager」は形容詞で「強く望む」という意味で、「虎視眈々と狙う」の英訳として使うことができます。 「be eager to ...」で「...することを虎視眈々と狙う」という意味になります。
He is eager to be the next president.
彼は次期社長の座を虎視眈々と狙っている。
「aim」は文脈によっては「虎視眈々と狙う」の英訳として使うことができますが、「達成しようとする」という意味なので、必ずしも「虎視眈々と狙う」というニュアンスではありません。
「虎視眈々(こしたんたん)」の意味は「機会をじっと狙っている様子」です。虎が獲物を狙っているときのように、目を見張りじっとつけ入ろうとする機会を狙っていることを言い表す四字熟語です。語源は「易経(えききょう)」という古代中国の書物にあります。「虎視眈々と」の形で副詞的に使います。「竜驤虎視」「垂涎三尺」などが類語です。