「物々しい」は「堂々としていて威圧的」「大げさ」という二つの意味で使用される言葉です。「物々しい○○」「物々しげに〜」という使い方をします。今回は「物々しい」の意味や使い方を例文付きで詳しく解説します。また、類語や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「物々しい」は「ものものしい」と読みます。 「物々しい」の一つ目の意味は「堂々としていて威圧的」です。 これは、「言動や態度・表現などから軽々しい対応はできない・近寄りがたいと思わせる」というネガティブな意味合いです。
などの言い回しで使用されます。 「物々しい世の中」は誤用で正しくは「物騒な世の中」です。 「物々しげに」で副詞的に使えます。 例えば「物々しい話し方」は「物々しげに話す」と言い換えることができます。
例文
「物々しい」の二つ目の意味は「大げさ」です。 「そこまでする必要があるのかと思わせるほど大げさ」という意味合いで使用されます。 例えば、
という言い回しで使用することができます。 「物々しい話し方」は、上述したように「威圧的な話し方」という意味と、「大げさな話し方」の二つの意味で使用することができます。 どちらの意味で使用されているのかは、文脈で判断します。
例文
「物々しい」という言葉は古くから日本で使われている大和言葉です。 古語では「物々し」の形で使われ、「立派」というポジティブな意味でした。 中世期に武士が強そうに武装したさまを「立派」だと捉えていたのが、徐々に大げさにみえてきて現代のネガティブな意味合いになりました。 「物々し」の元は「物し」という言葉です。 「物し」から「物々し」という言葉になりました。 「物し」は別の言葉で
という2つの意味があります。 類語には「おどろおどろし」があります。 現代でも「おどろおどろしい」の形で使うことが稀にあります。
「物々しい」の一つ目の意味の類語には以下の言葉があります。
「厳しい」の意味は、「近寄りがたいほどに威厳や威圧に満ちている」です。 「厳しい」は「物々しい」と一つ目の意味で同義ですが、「厳しい」は建物などに対して使用されることが多いです。
例文
「物々しい」の「大げさ」という意味では
などの類語があります。 「仰々しい」の意味は、「大袈裟(おおげさ)」です。 物事をいかにも立派そうに思わせるさまを表した形容動詞として使用されます。 「仰々しい態度」「仰々しい言い方」というような使い方をすることができ、「〜は仰々しい」と言い切る形で使用することもできます。 ただし、「仰々しい」は誇張された人の行動・発言に対して非難する気持ちをもって使用される言葉なので、単に「大げさ」という意味で使用する場合に使用することはできないので注意しましょう。
例文
「物々しい」の元の「厳かである」「堂々としている」という意味では、
が類語になります。 「荘厳」の意味は、「重々しくて厳かなこと、威厳に満ちて立派であること」です。 「威風堂々」の意味は「態度や雰囲気に威厳があって立派な様子」です。 「貫禄」の意味は「身に備わった威厳や風格」です。
日本語の「物々しい」は多くの意味があるので、一つの英単語で表すことはできません。 使い方によって、それぞれ英訳を考える必要があります。
などになります。