日常会話、映画などあらゆるところでアメリカ人が使う「awesome」という表現の意味と使い方を解説します。「awesome」には大別して2つの全く違う意味がありますので、語源も含めて解説していきたいと思います。
※音声付き例文がついておりますので、そちらで発音の確認をしてみてください。音声はアメリカ英語になっております。
「awesome」には全く違う2つの意味があります。1つずつ説明していきたいと思います。 「awesome」の意味の他にも、ネイティブの使い方、類似表現、例文を紹介します。
「awesome」は形容詞です。 「awesome」の1つ目の意味は「畏敬(いけい)の念を抱かせる」です。 もう少しフランクな日本語にすれば、「恐ろしい、すさまじい」となるでしょう。 「畏敬」とは「驚きや恐怖を感じるほどの尊敬の気持ち」です。 ですから、1つ目の意味の「awesome」で形容できるものは、自然や神、天皇陛下など強力で超人的な力を持ってる存在です。この「awesome」で形容できる人は、相当偉大な人物ということになります。 この意味の「awesome」の例文を見ていきましょう。
The earthquake was awesome in its power.
地震の勢力は恐ろしいものだった。
The awesome emperor struck the concept of peace into the hearts of Japanese citizens.
畏敬の念を抱かせる天皇は日本国民の心に平和という概念を植え付けた。
「awesome」の2つ目も形容詞で、スラングです。 「awesome」の2つ目の意味は「素晴らしい、カッコイイ、最高、超いい、すげえ、ヤバい」です。 元々の意味である「畏敬の念を起こさせる」という意味から転じて、スラング的に若者がこのような意味で使われるようになりました。ポジティブな意味で使います。そこまで凄みを感じない物、人に対しても使ってしまいます。 最近アメリカ人が使う「awesome」は9割くらいがこの意味だと思ってよいでしょう。 皮肉的にすごくないものに対してあえて「awesome」を言い、「全然ダメじゃん」というニュアンスで使うこともごく稀にあります。 「awesome」に似た表現は英語にはたくさんありますので、下記にまとめておきます。
スラング「awesome」の類似語まとめ
「awesome」には様々な使い方があります。 まず1つ目は間投詞的に「Awesome!」と単体で使用するパターンです。綺麗な景色など予想していなかったものを見て、聞いて、感じて、とっさに出る感じです。日本語なら「すご!」「やば!」といった感じです。 相手の会話全体を肯定する表現では「That's awesome.」がよく使われます。 「It's awesome that...」という形で、「...ということは素晴らしい」という表現もあります。 「It is an awesome 名詞」で名詞を修飾することもできます。 「awesome」自体が「very/exteremely good」という意味なので本来は「very」で修飾するのはおかしいのですが、さらに強調するために「very awesome」とすることもあります。
Awesome! I've never seen such a beautiful lake in my life!
ヤバい!こんなに美しい湖は人生で見たことがない!
"I finally got accepted into Harvard University!" - "Wow, that's awesome! Congrats!"
「とうとうハーバード大学に合格したよ!」-「うわー、すごいね!おめでとう!」
It's awesome that you decided to study abroad four years ago and actually graduated from university.
4年前に留学を決意して実際に卒業したことは、素晴らしいことだ。
This new Lamborghini is super awesome, dude! I'm jealous of you!
この新しいランボルギーニめっちゃイケてるな、お前!嫉妬!
「awesome」という単語は「awe」と「some」という2つの単語から成り立っています。 「awesome」がなぜ現代の若者にスラング的に使われるようになったのかを理解するためには、まず「awe」という単語を説明する必要があるでしょう。
「awe」には名詞と動詞の品詞があります。 名詞の「awe」の意味は、「畏(おそ)れ」「畏敬の念」「畏怖」となります。 「awe」は「fear」と「surprise」を組み合わせた感情と説明することもできます。 名詞の「awe」の類義語は「reverence」です。 「awe」は古期英語で「恐怖」を意味した「ege」という言葉が語源になっています。 この「ege」という単語の語源は、ギリシャ語の「痛み」を意味する「áchos」という単語です。「awe」は聖書の中でも大変よく使われている単語です。 ※「古期英語」とは「Old English」と英語ではいわれ、西暦700年から西暦1100年くらいの期間に使われていた英語のことです。 名詞「awe」 ◯「with awe」
◯「in awe」 keep / hold 人 in awe(「人」に畏敬の念を抱く) in awe(畏敬の念を抱いて) in awe of...(...に畏敬の念を抱いて) 動詞の「awe」は「...に畏敬の念を起こさせる」という他動詞です。 通例受け身で使います。 ◯「be awed in...」で「...に畏敬の念を抱いている」となります。 名詞と動詞の「awe」という単語を使った例文をいくつか紹介します。
After seeing the Emperor, I was filled with awe.
天皇をお目見えした後、私は畏敬の念に満たされた。
I've always held artists in awe.
わたしはいつも芸術家に畏敬の念を抱いてきた。
As a child, I was rather in awe of my parents.
子どもの頃は、両親にむしろ畏敬の念を抱いていた。
Einstein was awed in both music and physics by the beauty of harmonies.
アインシュタインは、音楽と物理学両方の調和の美に畏敬の念を抱いていた。
1950年代になって「awesome」という単語が誕生しました。 それと同時に「awesome」の副詞「awesomely」、「awesome」の名詞「awesomeness」という単語も誕生しました。 もちろんこの時代の「awesome」の意味は、上記でも説明した通り、「畏敬の念を抱くような」という意味です。「awe-inspiring」と英語では表現することができます。 現代でも伝統や宗教を重んじる人は「awesome」をこの意味で使います。 「amazing」なども同じ位置付けで捉えることができます。 「awesome」は、名詞と「some」が組み合わさり、新たな形容詞が生まれるパターンです。このパターンは他にも結構たくさんあります。下記にその一部をまとめてみました。
名詞と「some」が組み合わさって形容詞になったその他の例
1980年代に入り、スラング的に徐々に使われはじめます。 2つ目の意味である「最後、すごい、やばい」などの意味はこのとき誕生しました。 現在では若者が使った場合は、ほとんどこの意味です。
「awesome」と同じく「awe」という単語を語源に持ち、現代でもよく使われる英単語がもう1つあります。 「awful」です。 「awful」は「ひどい」という意味がメインで使います。「畏怖(いふ)の念を起こさせるような」という意味もありますが、この意味ではほとんど使われません。 「awesome」も「awful」も同じ語源ですが、現代では「awesome」はポジティブなニュアンスで使われ、「awful」はネガティブなニュアンスで使われています。なんだかとても興味深いですよね。
「awesome」の米国英語の発音記号は、「ˈɔːsəm」です。 「awe」の部分の発音が注意で、カタカナで書くと「オー」と伸ばすように発音します。 「オウ」と二重母音にしないように注意してください。 ちなみに「oh」は「オウ」と二重母音で発音します。混同しないようにしましょう。
awesome
最近ネットの掲示板や、インスタグラムのコメント欄、YouTubeのコメント欄に、「awesome」をよく見かけます。 この「awesome」の意味はほぼ100%「すばらしい、最高」という意味で、褒めていたり、感動を表現しています。 どの程度感動してるのかは、文脈によるので、何とも言えませんが、ポジティブな意味合いなのは間違いないです。 ですから返信としては「Thank you」「Thanks!」などと感謝の気持ちを表現するといいでしょう!
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