1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」の敬語と使い方を例文つきで解説

「お力添えのほどよろしくお願いいたします」の敬語と使い方を例文つきで解説

「お力添えのほどよろしくお願いいたします(おちからぞえのほどよろしくお願いいたします)」は、力添えしてくれるようお願いするという意味です。ビジネスメールで相手に手助けをしてほしいと依頼をするときや、挨拶文で使います。

意味と敬語

お力添え

「お力添え」は「おちからぞえ」と読みます。 「お力添え」の意味は「力を貸すこと。手助けをすること」です。 「力添え」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。

接頭辞「お(ご)」の敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。

  • 相手の動作を高めて敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、尊敬語
  • 自分の動作をへりくだって相手に敬意を示すためにつける接頭辞「お」は、謙譲語
  • 言葉をただ丁寧にいうだけにつける接頭辞「お」は、丁寧語

この場合の接頭辞「ご」は、相手の動作に対してつけているので尊敬語です。

ほど

「ほど」は、断定を避ける表現です。 「〜のほど」を用いることで相手に強制することなくお願いをすることができます。 「ほど」は漢字で書くと「程」ですが、漢字にはしません。 「程」の本来の意味は、「物事の経過に伴う様子、程度」です。 そこから転じて断定を避ける表現として用いられています。 このように、本来の意味とは違う使い方をする場合は、漢字ではなくひらがな表記にします。

よろしくお願いいたします

「よろしくお願いいたします」は、「よろしくおねがいいたします」と読みます。 「よろしく」は、相手に強く依頼したり感嘆する気持ちを表します。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。 したがって「お力添えのほどよろしくお願いいたします」は、「手助けしてもらうようお願いする」という意味になります。

使い方と例文

手助けを依頼するビジネスメールの結びの言葉で使う

「お力添えのほどよろしくお願いいたします」は、相手に手助けを依頼するメールの文末に結びの言葉として使います。 例えばイベントを開催するにあたって相手の力を借りたいときなどです。 依頼をするときは、

  • お忙しい中恐れ入りますが
  • ご多忙のところ恐縮ですが
  • ご多用とは存じますが
  • お手数ですが

など、クッション言葉と併せて使うとより丁寧になります。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 また、相手に強く依頼したり感嘆する気持ちを表す「どうぞ」「何卒」「よろしく」などを併用することも多いです。 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」は、「今後ともお力添えのほどよろしくお願いいたします」などの形で、挨拶文の結びの言葉として使うこともできます。

ビジネスメール例文

アンケートに協力してもらう

【件名】 商品に関するアンケートのご依頼 【本文】 商品をご購入の皆様 この度は、弊社製品をご購入いただきまして誠にありがとうございます。 弊社では、商品をご購入いただいた皆さまに向けて、ご意見やご感想を伺うためのアンケートを実施しております。 つきましては、添付のアンケート用紙にご回答いただけたら幸いです。 今後のサービスの向上に役立てるため、お力添えのほどよろしくお願いいたします。 株式会社オモチャ 商品担当 橋本

上司に協力を依頼する

【件名】 株式会社○○○訪問同行のお願い 【本文】 大森営業部長 お疲れさまです。営業部1課の小池です。 この度部署異動に伴い、株式会社○○○様の担当が私、小池となりました。 そこで大変恐縮ではございますが、大森部長に株式会社○○○様へのご挨拶の訪問にご同行をお願いできないでしょうか。 前任者の不手際から先方への対応が芳しい状況です。 大森部長は株式会社○○○様から絶大な信頼があり、関係も大変良好だったと聞いております。 お忙しい中大変恐縮ですが、お力添えのほどよろしくお願いいたします。 小池

催事への協力依頼

【件名】 催事への協力依頼 【本文】 街の中の中学校 校長 町田忠三郎様 平素よりお世話になっております。 街の中の商店街 組合長 郷田健吾です。 早速ではございますが、当商店街では皆様への日頃のご愛顧を感謝し、イベントを開催する運びとなりました。 その中で「中学生なんでも作品展」を企画し、地元各中学校にご案内させていただいております。 そこで、本企画にご賛同のうえぜひ街の中の中学校の皆様にもご参加いただけないでしょうか。 詳細は決まり次第メールにてお知らせします。 校務等お忙しい折とは存じますが、お力添えのほどよろしくお願いいたします。 郷田

意見を聞く

【件名】 新商品開発について 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。 商品開発部の麗日です。 商品開発部では現在、12月発売予定の新製品を開発中でございます。 しかし、ありきたりな商品ばかりで新鮮味が足りないのではないかという声が上がっております。 つきましては、お客様の声を身近で聞いている営業部の皆様にご意見をちょうだいしたく存じます。 日頃耳にするお客様の声や「こんな商品があったら良いのでは」という意見があれば、ぜひお聞かせいただけないでしょうか。 お忙しいところ恐れ入りますが、お力添えのほどよろしくお願いいたします。 麗日

年始の挨拶(年賀状)

【件名】 新年のご挨拶 【本文】 株式会社Debut様 明けましておめでとうございます。 woman株式会社営業部の八百万です。 昨年は弊社のサービスをご利用いただき誠にありがとうございます。 本年はさらなるサービスの向上に向け、社員一同気持ちを新たに取り組んでまいります。 至らない点もまだまだあるかとは思いますが、お力添えのほどよろしくお願いいたします。 令和4年 元旦 八百万

類似表現との違い

お力添えくださいますよう〜

「お力添えのほどよろしくお願いいたします」は、「お力添えくださいますようお願いいたします」ということもできます。 「お力添えくださいますよう」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語の「ます」、婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「くださいますよう」とすることで、直接的な表現を避け謙虚に依頼をする表現になります。 「お力添えのほどよろしくお願い申し上げます」と「お力添えくださいますようお願い申し上げます」は、どちらも控えめで謙虚な響きのある敬語表現です。 しかし、「お力添えのほど〜」が尊敬語のみを使用した敬語表現であるのに対して、「お力添えくださいますよう〜」は尊敬語と丁寧語を使用した敬語表現であるため、「お力添えくださいますよう〜」のほうが丁寧です。

お力添えいただきますよう〜

「お力添えいただきますようお願いいたします」の「いただきますよう」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」と「お力添えいただきますようお願いいたします」は、どちらも直接的な表現を避け謙虚に依頼をする表現ですが、「お力添えのほど〜」が尊敬語のみを使用した敬語表現であるのに対して、「ご力添えいただきますよう〜」は尊敬語と謙譲語を使った敬語表現なので、「お力添えいただきますようお願いいたします」のほうが丁寧です。

お力添え賜りますよう〜

「お力添え賜りますようお願いいたします」は、「お力添え」に尊敬を表す接頭辞の「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「「賜る(たまわる)」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 「賜る」は「もらう」の謙譲語で、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられます。 「賜りますようお願いいたします」で、「もらえるようお願いする」と依頼をする表現になります。 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」と「お力添え賜りますようよろしくお願いいたします」は、どちらも直接的な表現を避け謙虚に依頼をする表現ですが、「賜る」を使った「お力添え賜りますようお願いいたします」のほうが丁寧で、よりかしこまった表現です。

「賜りますよう」の意味と読み方、敬語、使い方、類語を例文つきで解説

WURK

お願い申し上げます

「お力添えのほどよろしくお願いいたします」と類似した敬語表現に「お力添えのほどよろしくお願い申し上げます」があります。 「お願い申し上げます」は、「お願いする」の謙譲語「お願い申し上げる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「申し上げる」も補助動詞なので、「お願いもうしあげます」とひらがなにするのが正しいです。しかし、慣例的に「お願い申し上げます」と漢字にすることが圧倒的に多いです。 一方「お願いいたします」は正しくひらがな表記にすることが多いです。 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」と「お力添えのほどよろしくお願い申し上げます」は、どちらも丁寧の度合いは同じです。 しかし、「お願い申し上げます」の方が謙虚で、やや丁寧です。 そのため、ビジネスシーンなどでは「お願い申し上げます」が使われる傾向があります。

「お願い申し上げます」と「お願いいたします」の意味の違いと使い分け

WURK

お願いします

「お力添えよろしくお願いします」の「お願いします」は、謙譲語の接頭辞「お」をつけた「お願い」に丁寧語「ます」つけた敬語表現です。 「よろしくお願いします」も、目上の人に使うことができる依頼の表現ですが、断定を避ける表現である「ほど」と「お願いいたします」を使った「お力添えのほどよろしくお願いいたします」のほうが、丁寧です。

他の敬語表現

お力添えください

「お力添えください」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「お力添えくださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。

お力添えいただけますか

「お力添えいただけますか」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「お力添えください」では丁寧さに欠けますが、「手助けしてもらえますか?」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「お力添えいただくことは可能でしょうか」という敬語表現もあります。 「お力添えいただくことは可能でしょうか」は、「手助けしてらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。

お力添え願います

「お力添え願います」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お力添え願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。

お力添えいただけると幸いです

「お力添えいただけると幸いです」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」と「もらうと」の謙譲語「いただけると」と、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「幸いです」は、そうしてもらえれると幸せですという気持ちを表します。 よって「お力添えいただけると幸いです」は、「手助けしてもらえると嬉しい」という意味の丁寧な表現になります。 「お力添えいただけますと幸いです」としても意味は同じですが、より丁寧になります。 「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語「いただく」にさらに丁寧語「ます」をつけた丁寧な敬語表現です。 「お力添えいいただければ幸いです」とすると仮定のニュアンスが加わり柔らかい表現になります。 「いただければ〜」の「れば」は仮定を表し、「してもらえれば嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 また、「幸いです」は「幸甚です(こうじんです)」とすることもできます。 「幸甚」は、この上なく嬉しい気持ちやありがたく思っている気持ちを表すかしこまった表現です。

お力添えいただきたく存じます

「お力添えいただきたく存じます」は、「力添え」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お力添えいただきたく存じます」で、「手助けしてもらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「お力添えいただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。

トレンド

カテゴリーランキング

  1. TOP
  2. 日本語
  3. 敬語
  4. 「お力添えのほどよろしくお願いいたします」の敬語と使い方を例文つきで解説