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「賜りますよう」の意味と読み方、敬語、使い方、類語を例文つきで解説

「賜りますよう」は「〜してもらえる」という意味の謙譲語です。「〜賜りますようお願い申し上げます」などビジネスシーンでもよく耳にする表現ですよね。今回は「賜りますよう」の正しい意味や使い方を例文付きで解説します。「賜る」の類語や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。

「賜りますよう」とは

「賜る」の読み方

「賜る」の読み方は「たまわる」です。 「賜」は訓読みで「たまわる」と読みます。

「賜る」の2つの意味

「賜る」は

  1. 「もらう」の謙譲語
  2. 「与える」の尊敬語

という二つの意味があります。 1つ目の意味では、Aからもらうという動作についてAを高めるために使用されます。 「賜りますよう」は1つ目の意味で使用されます。 「ご注文賜ります」「ご質問賜ります」「ご予約賜ります」「ご意見を賜る」は目上の人が目下の人に何かを与えるときの尊敬語として使用されます。

「賜る」「賜ります」の正しい送り仮名は?使い方と類語!承るとの違いは?

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「賜る」と「賜わる」はどっちが正しい?

「賜」の送り仮名は「賜る」が正しいですが、「賜わる」も許容されています。 どちらを使用しても問題ありません。 ただし、常用漢字として使用されているのは「賜る」です。 常用漢字とは、新聞など公的な文章で使用される漢字のことをいいます。 パソコンの変換でも「賜わる」と出てきますので、「賜わる」が見慣れている人も多くいるかと思いますが、原則「賜る」であるということは念頭に置いておきましょう。

「賜りますよう」は謙譲語

「賜りますよう」は、「してもらえるよう」という意味の謙譲語です。 「賜りますよう」は「賜る」に丁寧語の「ます」+「よう」をつけた言葉です。

  • 「賜る」は「もらう」の謙譲語
  • 「ます」は丁寧語

です。 「よう」には断定をやわらげる意味があり、「ますよう〜」で「〜にするように」という意味です。 「〜ますよう」を使用することで、「〜してください」とお願いをするよりも柔らかい表現になります。

「賜れますよう」は誤用

「賜れますよう」と使う人がたまに見受けられますが、これは誤用です。 「賜れますよう」の「れ」は助動詞「れる」の連用形です。 助動詞「れる」の意味は主に尊敬・可能です。 「賜る」はそもそも敬語なので、敬語の助動詞を使うのは不適切です。 また、「れる」が可能ならば「してもらうことができますように・・・」という意味になります。 無理矢理、可能の意味で捉えることもできますが、このような使い方は一般的でないので、不自然な響きがあります。

「ご理解賜りますよう」の使い方と例文

ご理解賜りますよう

「理解」の意味は、

  • 物事の道理を悟り知ること。意味を飲み込むこと
  • 人の気持ちや立場がよくわかること

です。 「ご理解賜りますよう」で、相手に対してこちらの事情を汲み取ってもらいたい場合に使用し、前もって許しを求めるときの丁寧な敬語表現になります。

例文

  • 店舗改装故事のため、2月23日〜3月23日まで休業させていただきます。ご迷惑をおかけしますがご理解賜りますようお願い申し上げます。
  • よりよいサービスを提供をするため公開を2022年夏に延期することにいたしました。公開に向けて鋭意努力してまいりますのでご理解賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

ご指導賜りますよう

「指導」の意味は、「ある目的に向かって教え導くこと」です。 「指導」に尊敬を表す接頭語の「ご」と「もらう」の謙譲語「賜る」と丁寧語の「ます」+「よう」をつけて「ご指導賜りますよう」となります。 「ご指導賜りますよう」は、目上の人に「教えてください」とお願いをするときに使用することができる丁寧な敬語表現です。 「指導」は教える内容は限定されていないので、幅広く使うことができますが、主に学問や研究について用いることが多いです。

例文

  • これもひとえに先生方にご支援いただいたお陰でございます。今後ともご指導賜りますようお願い申し上げます。
  • 今後もさらなる発展に向けて誠心誠意努力いたします。何卒一層のご指導ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。

ご用命賜りますよう

「ご用命」は、「用命」という言葉に「ご」をつけた丁寧な言葉です。 「用命」の意味は

  1. 用事を言いつけること
  2. 商品などの注文をすること

です。 「用命」に尊敬を表す接頭語の「ご」と「もらう」の謙譲語「賜る」と丁寧語の「ます」+「よう」をつけて「ご用命賜りますよう」となります。 「ご用命賜りますよう」は、「目上の人に対して「何かあったら自分に言ってください」「注文をしてください」とお願いをするときに使用する丁寧な敬語表現です。

例文

  • お客様のお役に立てるよう最大限の努力をいたしますので何卒ご用命賜りますようお願い申し上げます。
  • この度はお取引いただきありがとうございました。また何かありましたらご用命賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。

ご出席賜りますよう

「ご出席」は「出席」に接頭語の「ご」をつけた言葉です。 「出席」の意味は「授業や集会・儀式にでる事」です。 「ご出席賜りますよう」は、「出席」に尊敬を表す接頭語の「ご」と、「もらう」の謙譲語「賜る」と丁寧語の「ます」+「よう」をつけた丁寧な敬語表現です。 結婚式などの式典に参加してほしいとお願いをするときに使用できます。

例文

  • ささやかではございますが、祝宴を設けました。お忙しいとは存じますがご出席賜りますようお願い申し上げます。
  • ご多用中誠に恐縮ではございますが、ぜひご出席賜りますようお願いいたします。
  • 急なお誘いで申し訳ございませんが、こちらも合わせてご出席賜りますようご案内申し上げます。

お引き立て賜りますよう

「引き立て」の意味は、

  • ひきたてること。ひきおこすこと
  • 特に挙げ用いること。ひいきすること。愛顧

となります。 「お引き立て」の「お」は”尊敬”を表す接頭語です。 相手から受けた愛顧や、相手に求める支援などを「お引き立て」といいます。 「お引き立てを賜りますよう〜」とした場合は、「ひいきにしてもらうよう〜」という意味になります。

例文

  • 1月4日より営業を再開したします。引き続きお引き立て賜りますようお願い申し上げます。
  • 改めて株式会社○○を設立し、業務を開始する運びとなりました。何卒変わらぬご愛顧お引き立てを賜りますようお願いいたします。

ご配慮/ご高配賜りますよう

「配慮」は、「よく考えて心をくばること」という意味です。 「高配」は「相手の配慮に対して敬意を払った言葉」です。 「配慮賜りますよう」「ご高配賜りますよう」で、「配慮をしてください」と丁寧にお願いをする敬語表現になります。 ただし、自分から人に「配慮してください」とお願いをするのは不自然な日本語です。 「ご配慮」「ご高配」は、配慮してくれた相手に対してお礼を伝えるときに使用されることが多いです。

例文

  • 御社におかれては今後ともご配慮を賜りますようお願い申し上げます。
  • 大変勝手を申しまして恐縮ですが、ご高配を賜れますと幸いです

「賜る」の類語(「もらう」の謙譲語)

いただく

「いただく」は「(物などを)もらう」「〜してもらう」の謙譲語になります。 「お中元をいただく」「確認していただく」などと使います。 相手に対して「いただく」を使う場合は「いただきます」「いただきました」「いただきますよう〜」などと丁寧語とあわせて使います。 「何かをしてもらう」という意味で使用する場合の「いただく」は平仮名で表記します。

頂戴する

「頂戴」には、

  • 頭上に物をいただきささげること
  • もらうことの謙譲語、賜ること、いただくこと
  • 食べることをへりくだる

という意味があります。 例えば、目上の相手から名詞をもらったときに「名詞を頂戴する」という使い方をします。 「名前を書いてもらいたい」というときに、「お名前を頂戴する」という人が多いですが、「お名前を頂戴する」とすると「相手の名前そのものをもらう」という意味合いになってしまうので誤用です。

「頂戴する」は正しい敬語か?「頂戴」の意味と使い方、類語、英語表現を解説

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承る

「承る」は「うけたまわる」と読みます。 「承る」は「受ける」「聞く」「伝え聞く」「引き受ける」の謙譲語です。 「承」漢字一字には、「前のものを引き継ぐ」「相手の意向・意図を受け入れる」といった意味があり、「承る」は、相手の話を

  • しっかり聞いた
  • 引き受けた
  • 対応した

ということを敬意を示して伝える言葉です。

「承る」「受け賜る」の意味の違いと使い分け

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拝受する・拝領する

「拝受」は「はいじゅ」と読みます。 「拝受」は「受けることをへりくだって言う語」で「受け取る」「受領」の意味があります。 例えばクライアントや取引先から「あの資料、届きましたか」という連絡に対して「はい、拝受しました」などと返事をします。 ただ、「拝受」はとてもかしこまった言葉で、やや堅苦しく感じる人もいます。 日頃からよく関わる上司や顔の知れた相手には「受領いたしました」などのフレーズも使うといいでしょう。 「拝領」は「はいりょう」と読みます。 「領」には「大切なもの」という意味があり、それが「おがむ」を意味する「拝」と組み合わさり「大切なものもらう」という意味になります。 少し古い言い回しで現代ではあまり使ったり聞いたりする機会は少ないと思いますが、知っておくとよいでしょう。

「拝受」「拝受いたしました」の意味と使い方!類語「受領」との違いは?

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