「お知らせくださいますと幸いです」は「知らせてくれると嬉しい」という意味の敬語表現です。今回は「お知らせくださいますと幸いです」の意味や敬語、使い方、類似表現との違いなどを解説します。
「お知らせ」は「おしらせ」と読みます。 「お知らせ」の意味は「新しい情報を相手に伝える」です。 「知らせる」についている「お」は尊敬を表す接頭辞です。 接頭辞「お(ご)」は、尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。 この場合は、相手の動作を高めて敬意を示すためにつけているので尊敬語です。
「くださいますと」は、「くれると」という意味です。 「くださいますと」は、「くれ」の尊敬語「ください」に丁寧語「ます」と接続助詞「と」をつけた言葉です。 「お(ご)〜ください」で、相手に要望・懇願することについて相手を高めることができます。 「ください」は、漢字で「下さい」と書きますが、漢字表記にできるのは「物をもらう」という本動詞として使うときです。 例えば、「お水を下さい」などの場合は漢字で書きます。 「お知らせくださいますと」のように補助動詞で使う場合は、平仮名で表記するのが正しいです。
「幸いです」は、「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、「自分にとって嬉しいことです」という意味です。 「幸い」に丁寧語「です」をつけています。 したがって「お知らせくださいますと幸いです」は「知らせてくれると嬉しい」という意味の正しい敬語表現です。
「お知らせくださいますと幸いです」は、ビジネスメールで情報などを教えてほしいと依頼をするときに使います。 例えば、新商品の入荷日が決まったら知らせてほしいとお願いをするときなどです。 依頼をするときは、
など、クッション言葉と併用して使うとより丁寧です。 クッション言葉とは、相手に何かを依頼したり、お断りをする場合などに言葉の前に添えて使用する言葉のことです。クッション言葉を使うことで直接的な表現をさせることができ、丁寧で柔らかい印象を与えることができます。 文中で使うことが多いですが、「お知らせくださいますと幸いです。よろしくお願いいたします」などの形で文末に使うこともできます。
【件名】 懇親会について 【本文】 営業部各位 お疲れ様です。営業部の橋本です。 来月15日に営業部で懇親会を開催することになりました。 詳細は下記の通りです。 日時:10月15日(金)18:30〜 場所:プライベートダイニング馬民 緑谷駅前店 住所:緑谷市青山町1-22-33 会費:3000円 予約の関係上、欠席される方は10月11日(月)までに幹事の橋本までお知らせくださいますと幸いです。 皆様のご参加お待ちしております。 よろしくお願い申し上げます。 橋本
【件名】 弊社製品のお取引について 【本文】 マミムメモ株式会社 総務部 佐野様 お世話になっております。 株式会社カキクケコの花垣です。 先日は、お忙しい中商品説明のお時間をくださりありがとうございました。 弊社商品の導入について社内で検討していただけたでしょうか。 お忙しい中恐縮ではございますが、決まり次第お知らせくださいますと幸いです。 商品についてご不明な点があれば、お気軽に花垣までご連絡くださいませ。 よろしくお願い申し上げます。 花垣
【件名】 商品「△△△」について 【本文】 株式会社oyafura 商品部轟様 平素より大変お世話になっております。 株式会社Internet営業部立川です。 商品「△△△」について、現在在庫がないとのこと承知いたしました。 複数のお客様から商品「△△△」を購入したいとご要望をいただいております。 つきましては、お手数をおかけしてしまい申し訳ございませんが、入荷され次第お知らせくださいますと幸いです。 本件に関しましては私、立川までご連絡いただければと存じます。 よろしくお願いいたします。 立川
「お知らせくださいますと幸いです」と似た敬語表現に「お知らせくだされば幸いです」があります。 「くださいますと幸い」は、上述したように「くれ」の尊敬語「ください」に丁寧語「ます」と接続助詞「と」をつけた敬語表現です。 「くだされば幸い」は、「くれ」の尊敬語「ください」に仮定を表す「れば」をつけた 敬語表現です。 「くだされば幸い」で「〜してくれれば嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 どちらも目上の人に対して使える丁寧な敬語表現ですが、「くださいますと幸い」は尊敬語と丁寧語を使った敬語表現で、「くだされば幸い」は尊敬語のみを使った敬語表現であるため、「くださいますと幸いです」のほうがより丁寧です。
「お知らせくださいますと幸いです」は、「お知らせくださいましたら幸いです」ということもできます。 「くださいましたら幸い」は、「くれ」の尊敬語「ください」に丁寧語「ます」と仮定の「たら」をつけた敬語表現です。 「くださいましたら幸いです」も「してくれたら嬉しい・ありがたい」という丁寧な言い回しになります。 「お知らせくださいますと幸い」と「お知らせくださいましたら幸い」は、どちらも尊敬語と丁寧語を使った敬語表現なので丁寧の度合いは同じですが、「お知らせくださいましたら幸い」の方が仮定の意が強く控え目な響きがやや大きいです。
「お知らせくださいますと幸いです」は「お知らせいただけますと幸いです」とすることもできます。 「お知らせいただけますと幸いです」の「いいただけますと」は「〜してもらえると嬉しい」という意味で、「もらう」の謙譲語「いただく」に、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 まず「いただけますと」は謙譲語+丁寧語であり、「くださいますと」は尊敬語+丁寧語であるという違いがありますが、謙譲語と尊敬語に敬意の度合いの違いはありません。 自分の動作に対してなら謙譲語を、相手の動作に対してなら尊敬語を使います。 また、「いただけますと幸いです」は「もらえたら嬉しい」、「くださいますと幸いです」は「くれたら嬉しい」という意味の違いもありますが、これもどちらが丁寧ということはありません。 しかし、「くださいますと幸いです」が「くれ」の尊敬語を使用した命令形であるため「いただけますと幸いです」の方が丁寧な響きがあります。
「幸いです」の類似表現には「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」があります。 「幸甚に存じます」は、「幸甚」に丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、通常の謙譲語とは違い、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思います」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。
「お知らせください」は、「知らせる」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文であり、やや上から目線なので親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「お知らせくださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「お知らせいただけますか」は、「知らせる」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「お知らせください」では丁寧さに欠けますが、「知らせてもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「お知らせいただけますでしょうか」とすることもできます。 「お知らせいただけますでしょうか」は、「お知らせいただく」にさらに丁寧語「ます」と、「だろう」の丁寧語「でしょう」と疑問の終助詞「か」をつけています。 「お知らせいただけますでしょうか」は、丁寧語を2つ使用していますが、「いただく」と「だろう」のそれぞれ別の語にかかっているので二重敬語にはなりません。 二重敬語とは、一つの語に同じ種類の敬語を重ねて使用してしまうことをいいます。 しかし、「いただけますでしょうか」はクドいのでシンプルに「いただけますか」が使われる事が多いです。
「お知らせ願います」は、「知らせる」に尊敬を表す接頭辞「お」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お知らせ願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「お知らせいただきたく存じます」は、「知らせる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「お知らせいただきたく存じます」で、「知らせてらいたいと思う」と柔らかくお願いをする表現になります。 「お知らせいただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「お知らせくださいますようお願いいたします」は、「知らせてくれるようお願いする」という意味です。 「お知らせくださいますよう」は、「知らる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「くださいますよう〜」とすることで、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語、「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」の「いたす」も補助動詞なので「お願いいたします」と書くのが正しいです。
「お知らせいただきますようお願い申し上げます」は「知らせてもらうようお願いする」という意味です。 「お知らせいただきますよう」は、「知らせる」に尊敬を表す接頭辞「お」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と丁寧語の「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「いただきますよう〜」で、断定を避けた柔らかい依頼表現になります。 「お願い申し上げる」は、「お願いする」の謙譲語です。 「お〜申し上げる」で、動作対象を敬う謙譲表現になります。 「申し上げる」は本来「言う」の謙譲語ですが、この表現では「する」という意味の補助動詞です。 「お願い申し上げます」の「ます」は丁寧語です。 「お願いいたします」と「お願い申し上げます」の丁寧の度合いはどちらも同じですが、「お願い申し上げます」の方が意味的に謙虚で、やや丁寧です。 そのため、ビジネスシーンなどでは「お願い申し上げます」が使われる傾向があります。
「ご報告」は「報告」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「報告」の意味は「告げ知らせること」です。 特に、任務のなどの経過や結果を知らせることをいいます。 例えば、仕事の進捗状況を伝えるときなどに使います。
「ご通知」は「通知」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「通知」の意味は「必要な事柄を関係者に知らせること」です。 「ご通知」は、特定の人や不特定多数に一定事項を知らせる行為で、法律効果を伴うものにものにも使うことができます。 例えば、納税の督促や事業認定の告示などに対して使います。
「ご連絡」は「連絡」に接頭辞「ご」をつけた言葉です。 「連絡」の意味は「情報などを知らせること」です。 「ご連絡」は、物事の内容を簡単に伝えるときに使います。