「専任」の意味は「もっぱらその任務だけを担当すること」です。「○○専任」など耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は「専任」の意味と使い方を例文付きで解説します。また、「専任」の類語との違いや、英語表現なども合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「専任」は「せんにん」と読みます。 「専任」の意味は「もっぱらその任務だけを担当すること」です。 「専」という漢字には「もっぱら」「そのことだけをする」という意味があります。 「任」という漢字には「しごと」「役目につく」という意味があります。
例文
「専属」は「せんぞく」と読みます。 「専属」の意味は「ある一つの会社・団体などに所属すること」です。 「専属」は、「ある一つの組織に属していること」を意味する言葉です。 したがって「A社専属」であれば、A社以外には入っていないという意味になります。 「専任」は、「ある任務だけを担当する」という意味です。 例えば「英語専任教師」であれば、英語だけを担当する講師という意味になります。 「専属」はその組織以外で業務を行うことはできませんが、「専任」は一つの組織以外でも業務を行うことができます。
「専従」は「せんじゅう」と読みます。 「専従」の意味は「もっぱらその仕事だけに従事すること」です。 また、その仕事だけに従事する人を「専従」といいます。 したがって、 専従:一つの仕事だけ従事すること 専任:一つの任務だけ担当すること であり、意味の違いはほぼないといえます。 「専従」も「専任」も「一つのことをだけを担当する・従事する」という意味の類語です。
「選任」は「せんにん」と読みます。 「選任」の意味は「選んで任せる」という意味です。 例えばチームのリーダーなど、複数人の中から適切だと思う人物を選んで任せるときに「選任」という言葉を使用します。 「任せる」という意味では「専任」と同じですが、「専任」には「選ぶ」という意味はありません。 複数人から選んで任せるという意味で「専任」を使用することはありません。 「選任」と似ている言葉に「選出」があります。 「選出」は「選びだす」という意味です。 「選任」と「選出」の違いは、「選出」には「任務につかせる」という意味がないということです。 例えば、「最優秀作品を選出した」といった使い方をすることができます。 この場合に、「任務につかせる」という意味のある「選任した」と使用することはできません。
「仙人」も「せんにん」と読む同音異義語です。 「仙人」のイントネーションは「千人」と同じで、「専任」とは異なります。 「仙人」の意味は「俗界を離れて山中に住み、不老不死の術を修めて変幻自在の神通力を操る人」です。 山中に住んでいなくても無欲で世間離れした人のことを「仙人」と呼ぶこともあります。 「仙人」と「選任」は全く意味のことなる同音異義語であるといえます。
「兼任」は「けんにん」と読みます。 「兼任」の意味は「二つ以上の職務を兼ねること」です。 同時に二つ以上の任務に就いていることを「兼任」をいいます。 「専任」は「もっぱらその任務だけを担当すること」なので、二つ以上の任務につくことを意味する「兼任」は対義語であると言えます。
「非専任」は「ひせんにん」と読みます。 「非専任」は「専任」に「非」という打ち消しの意味のある言葉をつけています。 したがって「非専任」は「その任務だけを担当していない」という意味になります。 「専任」は担当している以外の職務を行いませんが、「非専任」は担当している以外の職務も行います。
「専任」を和英辞典で引くと「dedicated」と出てくることがあります。 しかしこれは誤りです。 「dedicated」は「献身的な」という意味で、「専従」に近いです。
He's completely dedicated to his work.
彼は自分の仕事に完全に没頭している。
「専任」の正しい英語は「full-time」です。 「full-time」は「全時間就業の」「常勤の」という意味の形容詞です。
He became a full-time director in that company.
彼はその会社の専任の取締役になった。