「うだつが上がらない」とは「地位や生活がさっぱり向上しない」という意味の慣用句です。「うだつ」の漢字は「梲」が一般的。「梲」はもともと建築用語で、商家が隣家の間に設けた防火壁で、高いことが繁栄の証だった。
「うだつが上がらない」は「うだつがあがらない」と読みます。 「うだつがあがらない」の意味は「地位や生活がさっぱり向上しない」「さっぱりしない」です。 「うだつがあがらない」は、出世することができず、ぱっとしない状況や、人物のことを言い表すときに使用するネガティブな言葉です。
「うだつが上がらない」の漢字は「梲が上がらない」です。 「梲」は音読みで「セツ・タツ」訓読みで「うだつ・うだち」と読みます。 「梲」は、建築用語で「梁(はり)の上に立てて棟木(むなぎ)を支える柱」のことです。 「うだつ」は漢字で「卯建」「宇立」と表記することもできます。 「卯建」「宇立」は建築用語で、意味は同じです。 ただ、「うだつ」は平仮名で表記するのが一般的です。
「うだつが上がらない」の語源は諸説あります。 一つ目は、「うだつ」という「梁(はり)の上に立てて棟木(むなぎ)を支える柱」が語源であるという説です。 「棟木」とは木造建築で、屋根の骨組みの最頂部にわたす横木のことをいいます。 家を建てるときに、柱・梁などを他組み立てて棟木をあげます。 「うだつが上がらない」ということは、家を建てられないほど金銭的に余裕がないということであり、そこから「生活がぱっとしない」ということを「うだつが上がらない」という言葉で言い表すようになったといわれています。 また、「うだつ」が棟木に押さえられているように見えることから「地位があがらない」「ぱっとしない」という意味で「うだつが上がらない」と言われるようになったともいわれています。 二つ目は、「商家などで隣家との堺に設けた防火壁の」「うだち」が語源であるという説です。 「うだち」を高く掲げることが繁栄の印であったため「うだちが上がらない」=「繁栄していない」という意味で生活苦を言い表す言葉として使用されるようになったいわれています。
「うだつが上がらない」は、ビジネスシーンなどで自分の近況や状況を謙遜して伝える場面で使用されます。 例えば、「あなたは将来有望だね」などと言われたときに「私はうだつが上がらないですから〜」ということで謙遜することができます。 また、自分の家族のことを第三者に話すときに「うちの息子はいつまでもうだつが上がらなくて...」などと謙遜して伝えることもあります。
例文
「うだつが上がらない」は、婉曲表現として使用されることもあります。 「うだつが上がらない」で仕事面や金銭面が上手くいっていないことを遠回しに伝えることができます。 例えば、「最近の経営状況はどうですか?」などと聞かれたときに「うだつが上がりません」などと言うことで「良い状況ではない」ということを伝えます。
例文
「あの人はうだつがあがらない」など、第三者のことを言う場合は「悪口」になります。 人を評価するときなどに使用されます。 「あなたはうだつが上がらない」を本人に対して評価をくだす場合もネガティブな意味になるので、第三者のことを言うときに使用する場合は、トラブルにならないよう注意しましょう。
例文
「鳴かず飛ばず」は「なかずとばず」と読みます。 「鳴かず飛ばず」の意味は、「ひと目につくような活躍をしないでいること」です。 これといって仕事で活躍をすることもなくパッとしない状態であることを言い表す慣用句です。 出世をすることなくパッとしない状態を言い表す言葉であるという点で、「うだつが上がらない」の類語表現であるといえます。
「冷や飯を食う」は「ひやめしをくう」と読みます。 「冷や飯を食う」の意味は「冷遇をうける」です。 例えば、職場で雑用係しか任せてもらえないなど、冷淡な待遇をうけることを「冷や飯を食う」といいます。 冷たい待遇をうけているということは、もちろん出世はできません。 したがって、「地位が低く出世することがない」という意味では「うだつがあがらない」の類語であるといえます。
「芽が出ない」は「めがでない」と読みます。 「芽が出ない」の意味は「人材などがなかなか注目されないこと」「物事がうまくいかず停滞していること」を意味する慣用句です。 「うだつが上がらない」と同じように、出世できずにぱっとしない様子を「芽が出ない」と言い表すことができます。
「日の目を見ない」は、「ひのめをみない」と読みます。 「日の目を見ない」の意味は、埋もれてしまって世間に知られずにいることです。 不遇で世間に認められないことを「日の目を見ない」といいます。 例えば、何十年たっても注目されることのないミュージシャンなどを「日の目を見ない」と言い表すことができます。 なかなか出世することができずパッとできない様子を言い表す言葉なので「うだつが上がらない」の類語であるといえます。
「甲斐性」の読み方は、「かいしょう」です。 「甲斐性」の意味は、「気力と生活力のある頼りがいのある性質」です。 「甲斐性ある」は、「仕事などやるべきことをやり遂げるやる気力がある頼もしい人」また「経済的に自立していて生活力のある人」を指します。 反対に「甲斐性ない」は、「頼りにならない・生活能力がない人」という意味で使用されます。
「better off」で、「もっと良い状態になる。一層暮らし向きが良くなる」という意味です。 よって、「never get better off」「do not get better off at all」などとすれば「うだつが上がらない」という意味になります。 「do not succeed at all」「do not get ahead」などとしても同じようなニュアンスです。