「烏合の衆」とは「規則も統一もなく寄り集まっただけの群衆」をあざけっていう言葉です。「烏(カラス)」という漢字が使われている通り、カラスの群れでは統制もなくそれぞれが勝手気ままに空を飛んでいるようすが由来です。
「烏合の衆」の読み方は「うごうのしゅう」です。 「烏」は「鳥」という漢字ではないので、間違って「ちょうごうのしゅう」と読まないようにしましょう。 「烏合の衆」は全て漢字にし「烏合之衆」と書くこともできますが、稀です。
「烏合の衆(うごうのしゅう)」の意味は「規律も統制もない群衆。または、軍勢」です。 「烏合」は「カラスの集まるように規律もなく統一もなく集まること」、「衆」は「人数の多いこと。大勢」を意味します。 秩序なく集まっているだけの役に立たない集団というネガティブなニュアンスをもちます。
「烏合の衆」の由来は中国の古い書物『後漢書 耿弇伝(ごかんじょ こうえんでん)』です。 武将である耿弇が部下のやりとりで「烏合の衆など簡単に蹴散らすことができる」と述べた記述があり、敵の集団を「烏合の衆」と表したとされています。 「烏(カラス)」は渡り鳥のようにしっかりと隊列を組んで飛ぶことはなく、それぞれ勝手にまとまりなく行動する・集まってもただ騒ぐだけという鳥の中でも規律性が欠けているという特徴を持ちます。 「烏合の衆」は「カラスが無秩序でバラバラで集まる様子」を表していましたが、転じて「未熟で統一も規律もない、役に立たない人たちの集まり」という意味で使われるようになりました。
などがあります。
「烏合の衆」の例文
「烏合の衆」は単に「多くの人」という意味で使うことはできません。 誤用してしまうと大変失礼なので注意が必要です。 例えば、☓「5万5千人という烏合の衆が東京ドームを埋め尽くした」などということはできません。
「烏合の衆」とは「まとまりがない」という意味であって、その集団にいる人たち一人ひとりが無能というわけではありません。 「無能な奴の寄せ集め」というニュアンスで使うのは誤用なので注意しましょう。 逆にいえば一人ひとりはトッププレイヤーでも連携がとれなければ「烏合の衆」と化してしまうことになります。
「烏合の衆」はもともとカラスの集団を指す言葉でしたが、現在では人を指す慣用句なので、カラスに対して使うことはできません。 例えば、☓「この民家の近くのゴミ捨て場にはいつも烏合の衆がいる」などとはいうことができません。
「烏合の集団」はよくある間違いなので注意してください。 「烏合」自体に「(カラスのように規則もなく)集る」という意味があるので、「集団」という言葉と併用するのは二重表現にあたります。 また、「衆」と「集団」を混同して「烏合の衆団」とするのも間違いです。 そもそも「衆団」という言葉はありません。(小説などで稀に使われることがあります)
「烏合の衆」の直訳の英単語は存在しません。なので、文章で説明するしかありません。 「集団、群衆」は英語で、
です。 「まとまりがない、バラバラ」は英語で、
です。 「暴徒」を意味する英語は「mob」といいます。「mob」は「暴力的で無秩序な集団」になります。
They are just a disorganized group of people, so let's ignore them.
彼らは烏合の衆に過ぎないので、無視しておこう。
「烏合の衆(うごうのしゅう)」とは「規律や統制がなくただ集まっているだけの大勢の人たち」を指します。 この慣用句に漢字の「烏(からす)」が使われているように、カラスの群れはそれぞれが無秩序に飛ぶことが由来です。