ビジネスシーンで目上の相手に何かを言われて「良かったです」と返事をするときってありますよね。「良かったです」は丁寧語ですが、ビジネスシーンで使用するには丁寧さに欠けます。今回は「良かったです」のより丁寧な敬語や、言い換え表現を紹介します。英語表現も合わせて紹介しますので是非参考にしてください。
「良かったです」は「よかったです」と読みます。 「良かったです」は、「良い」の過去形「良かった」に「です」をつけた言葉です。 「良かった」の意味は
です。 「良かったです」は、「差し支えのない好ましい状況である」という意味で使用されます。
「良かったです」は「良かった」に丁寧語の「です」をつけた丁寧語です。 「良かったです」は丁寧語なので目上の人に使用することもできますが、ビジネスシーンでは場合によって丁寧さに欠けます。 ビジネスシーンなどかしこまった場面で使用する場合や、目上の人に使用する場合は、尊敬語や謙譲語など敬意を示す敬語表現を使用するほうが丁寧です。
「良かったです」は「よろしかったですね」にするとより丁寧です。 「よろしい」は「よい」の丁寧な言い方です。 目上の人には「良い」ではなく、「よろしい」を使った方が丁寧な印象を与えることができます。 また、「よろしかったですね」だと堅い響きになります。 例えば、『アイス食べたら当たり棒が出たんだ』『それはよろしかったですね』というように使います。「よろしかったですね」を使うことで、相手の状態に自分も喜んでいることを表すことができます。
「良かったです」を丁寧な表現にするには、「です」の部分を「ございます」に変える必要があります。 この場合は「良かったございます」となるのではなくて、「ようございました」「よろしゅうございました」となります。 「ようございました/よろしゅうございました」とすることで、丁寧な表現になります。 ただし、古めかしい響きがあるのと、逆に丁寧すぎて慇懃無礼(いんぎんぶれい)にあたる可能性があって相手はむしろ馬鹿にされていると感じる可能性があるので注意が必要です。 余程のことがない限り、現代で「ようございました/よろしゅうございました」を使う機会はないでしょう。
「何よりです」は、「何より嬉しいです」の「嬉しい」の部分が省略された表現です。 「何より」というのは、「他の物事よりも優れていること、この上なくまさっていること」を意味で、「最上であることを表す語」として使用されます。 相手の喜びや興奮に共感して、自分も喜ばしい気持ちを表現するときに使う言い回しになるため、「良かったです」と言い換えることができます。
「嬉しい」は「好ましい事態になって心が踊ること、気分が良くなること」を意味します。 「嬉しく思います」は直接的な表現で、相手の状況や自分の状況に喜んでいることを伝えることができます。 相手に何か良いことが起きて気持ちが踊っていたり、ウキウキしている場合に「私も嬉しく思います」と言うことで相手の状態を良く思っていることを表すことができます。 「思います」を丁重語「存じます」を使用した「私も嬉しく存じます」とするとより丁寧な敬語表現になります。 丁重語は、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語表現です。 丁重語は自分のことをへりくだることで相手に敬意を示す謙譲語を同じ種類の敬語で「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 「喜ばしい限りです」と言い換えることも可能です。 「喜ばしい限り」は「この上なく嬉しい」という意味です。 「嬉しい限りです」は「です」が丁寧語なので、「良かったです」と丁寧さの度合いは同じです。 しかし、「嬉しい限りです」という表現は日常生活では使われない表現ですので、「良かったです」よりも堅い日本語となります。 「嬉しい限りでございます」「喜ばしい限りでございます」とするとなお良いでしょう。
「安心いたしました」は、『落ち着いた、ホッとした』といった気持ちを伝えたい場合に使います。 例えば、体調を崩して休んでいた上司から「体調が回復した」という報告をもらったときなどに「安心いたしました」と返信をします。 「安心いたしました」は「安心」に「する」の丁重語「いたす」に丁寧語「ました」を使用した丁寧な敬語表現なので目上の人に使用することができます。 また、「安心しました」は「幸いです」に言い換えることができます。 「幸い」には
という意味があります。 「幸いです」で「自分にとって嬉しいことです」という気持ちを伝えることができます。
上司などが自分の状況や結果に対して褒めてくれたときなどに「良かったです」と返事をする場合は、「ありがとうございます」や「○○さんのおかげです」と言い換えることができます。 褒められたり嬉しい言葉をかけてもらったときは、「そんなことないです」「いえいえ」と否定をするよりも、そのことに対してしっかりと感謝の気持を伝えるのが良いです。 また、「○○さんの協力があったからですよ」と謙遜をする意味で「○○さんのおかげです」と返事をするのも丁寧で印象が良いです。
「あなたのお陰で○○をすることができました」など、感謝の気持ちを伝えてもらったときは「お役に立てて光栄です」と言い換えるのが丁寧です。 「光栄」の意味は、
です。 「光栄です」は、「嬉しいです」の代用として使用される言葉で、目上の相手やビジネスシーンなどのかしこまった場面で使用するのに適しています。