「ご連絡いたしました」は、「〜の件でご連絡いたしました」「今回ご連絡いたしましたのは〜」など、ビジネスシーンでも頻繁に使用される敬語表現です。今回は、「ご連絡いたしました」の使い方を例文付きで紹介します。「ご連絡いたしました」の他の敬語表現や言い換え表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「ご連絡いたしました」の
です。 丁重語とは謙譲語の一種で、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語のことです。 丁重語は自分の動作をへりくだることで相手に敬意を示すので「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 二重敬語とは、一つの語に対して同じ種類の敬語を重ねて使用してしまうことです。 二重敬語は過剰な敬語表現で相手に不快感を与えるため誤用とされています。 「ご」も「いたす」も謙譲語だが、「ご」は「連絡」を修飾し、「いたす」は「する」を謙譲語化しているので(別の語をそれぞれ修飾しているので)二重敬語にあたらない、という説明は間違っています。 「連絡」と「する」は別々の語ではなく、「する」は補助動詞なので、「連絡する」で一つの動詞と見なすべきです。 「連絡する」を謙譲語にしたのが「ご連絡する」で、それに丁重語を追加したのが「ご連絡いたす」です。 そして「ご連絡いたす」にさらに丁寧語を追加した表現が「ご連絡いたします」で、その過去形が「ご連絡いたしました」になります。 したがって、「ご連絡いたしました」は二重敬語ではありません。
「いたす」は、補助動詞で使用する場合は平仮名表記で使用し、動詞として使用する場合は「致す」と漢字で表記するという決まりがあります。 「ご連絡いたしました」の「いたす」は補助動詞で使用されているため、「ご連絡いたしました」と平仮名で表記するのが正しいです。
「ご連絡いたしました」は、ビジネスシーンなどかしこまった場面で使用されます。 例えば、「前にも連絡した通りに、○○でお願いしたい」というように、過去の連絡を強調したい場合に「ご連絡いたしました通り〜」といいます。 その他にも
などの言い回しで使用することができます。
「ご連絡いたしました」の例文
ビジネスメールでは、特に相手が一瞬で何の連絡なのかが分かるようにする必要があるので、詳細を書き始める前に「○○の件でご連絡いたしました」と伝えることが多いです。 例えば、数日後に会議の予定があって会議の詳細をお知らせするために連絡を入れたという場合には「3日の会議についてご連絡いたしました」などと伝えます。
「ご連絡いたしました」の例文
「ご連絡した」は、「連絡」に謙譲語の接頭語「ご」をつけているので「ご連絡した」でも正しい敬語として使用することができます。 ただし、接頭語をつけるだけでは丁寧さに欠けるので目上の人に使用する場合は「ご連絡いたしました」などより丁寧な敬語表現にしましょう。 「ご連絡しました」は、品詞分解すると「連絡」に謙譲語の「お」と丁寧語「ます」の連用形「まし」と過去の助動詞「た」となります。 正しい敬語表現ですが、「ご連絡しました」は謙譲語+丁寧語なので、謙譲語+丁重語+丁寧語の「ご連絡いたしました」のほうが敬意の度合いが高いです。
「ご連絡させていただきました」は、品詞分解すると謙譲語「ご」+「連絡」+「させてもらう」の謙譲語「させていただく」+丁寧語「まし(ますの連用形)」+「た」です。 したがって、「連絡」に対して謙譲語を二つ重ねて使用している二重敬語になります。 さらに、相手からの許可が必要なことをする時に使うのが「させていただく」です。 例えば、「お休みさせていただく」という使い方をします。 連絡は許可がなくてもできるので、不自然で慇懃無礼にあたります。 「慇懃無礼」とは「態度や言動が丁寧すぎることで、かえって相手に無礼になること」をいいます。
「申し上げる」は本動詞では「言う」の謙譲語です。 Aに言う動作について、Aを高めるために使用されるのが「申し上げる」という敬語表現です。 ただし、補助動詞では謙譲語ではなく「〜してさしあげる」という丁寧な語になります。 「ご〜申し上げる」は定型句で「ご説明申し上げる」「謹んでお慶び申し上げます」などと使ことができます。 「ご連絡申し上げる」は、連絡する自分をへりくだり相手に敬意を示すことができる敬語表現です。
「差し上げる」の本動詞は「与える」「やる」の謙譲語です。 「ご連絡を差し上げました」と「差し上げる」を本動詞として使用すると二重敬語になってしまいます。 しかし「ご連絡差し上げました」なら「差し上げる」は、補助動詞なので単に敬意を高める語であり二重敬語にあたりません。 「差し上げる」を補助動詞として使うパターンには「ご案内して差し上げる」「ご説明して差し上げる」などがあります。