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正しい敬語?「ご連絡いたします」の意味と使い方、ビジネスにおける「連絡」の敬語表現

ビジネスシーンにおいて「ご連絡」を用いた敬語は多々あります。では、「ご連絡いたします」や「ご連絡させていただきます」という使い方は正しいのでしょうか。また、連絡を受け取ったことにお礼を伝える場合や、連絡を自分から相手にする場合はどのような敬語を使えばいいのでしょうか。そこで今回は「ご連絡いたします」の意味や使い方、その他の「ご連絡」を含む表現について解説していきます。この機会に改めて「ご連絡」の使い方について確認しておきましょう。

「ご連絡いたします」は厳密には二重敬語だが、使っても問題なし

「ご連絡いたします」は、

  • 「ご」=謙譲語
  • 「連絡」
  • 「いたす」=「する」の謙譲語
  • 「ます」=丁寧語

で成り立っています。 「ご連絡いたします」は謙譲語が二つ含まれているので、”二重敬語”となります。 ”二重敬語”とは、同じ種類の敬語が二つ以上含まれた表現のことです。 本来は誤用になりますが、「ご連絡いたします」は慣習的に多く使われているため、使用しても問題ではありません。ただ、相手によっては失礼な印象を与えてしまう恐れがあるので、注意して使用するようにしましょう。 「連絡します」ということを伝えたい場合、厳密には、

  • 連絡いたします
  • ご連絡します

が適切です。 また、「ご連絡いたします」の「いたします」は補助動詞なのでひらがなで表記するのが望ましいです。 「致す」とする際はそれ自身が動詞になる場合。「至らせる・引き寄せる・尽くす」という意味で使うときは「致す」にします。 「いたす」とする際は補助動詞になる場合。「お願いいたします・失礼いたします」などと使うときは「いたす」にします。

接頭語の「ご」「お」は色々な意味になるので注意

「ご連絡」は漢字だと「御連絡」と書きます。 「御」は音読みだと「ゴ」、訓読みだと「お」と読みます。 一般的に、「お」は和語につけて、「ご」は漢語につけるとされています。 ”和語”は訓読みをする熟語で、”漢語”は音読みをする熟語です。 「連絡」は音読みなので、「ご連絡」が適切です。 他にも、例えば「名前」であれば「お名前」、「説明」であれば「ご説明」となります。また、「お返事」「ご返事」と2つの接頭語が対応する場合もあります。 「ご」と「お」は動詞に接続する場合、後に続く文章によって意味合いが異なります。 「ご~なさる」であったら”尊敬語”、「お~いたす」であったら”謙譲語”となります。 また、接頭語「お」は尊敬や謙譲以外に、「お菓子」「お酒」といったように”美化語”として使うことがあります。

その他の「ご連絡」を含む表現

「ご連絡させていただきます」は不適切

「ご連絡させていただきます」は、

  • 「ご」=謙譲語
  • 「連絡」
  • 「させて」=使役の助動詞「させて」
  • 「いただく」=「もらう」の謙譲語
  • 「ます」=丁寧語

で成り立っています。 「させていただく」は、「相手に許可を得て、ある行為を遠慮しながらすること」を意味します。 要するに「させていただく」は、

  • 相手や第三者の許可を受けて行う場合
  • それを行うことで恩恵を受けるという事実がある場合

の2つの条件を満たすときに使用するのが正しい使い方になります。 相手に自分が連絡することに対して許可を得ていない場合は「ご連絡させていただく」は使えません。 もし、相手に許可を得ていたとしても「ご連絡させていただきます」は二重敬語のため、不適切です。

「ご連絡申しあげます」は正しい敬語

「ご連絡申し上げます」は、

  • 「ご」=謙譲語
  • 「連絡」
  • 「申し上げる」=「言う」の謙譲語
  • 「ます」=丁寧語

で成り立っています。 「連絡申し上げます」は、取引先の会社やお客様に対してなど目上の相手へ使い、主にお礼や謝罪をするときに使うことが多い表現です。 「ご連絡申し上げます」の「申し上げる」は、「言う」の謙譲語としては使いません。 「ご〜申し上げる」という形では、「ご説明申し上げます」や「ご報告申し上げます」といったように、謙譲表現として使用します。 ですので、「ご連絡申し上げます」は、謙譲表現「ご〜申し上げる」+丁寧語「ます」になり、二重敬語ではないため、目上の人に対して使うことのできる表現になります。

「ご連絡差し上げます」は避けるべし

「ご連絡差し上げます」は、

  • 「ご」=謙譲語
  • 「連絡」
  • 「差し上げる」=「与える」の謙譲語
  • 「ます」=丁寧語

で成り立っています。 「連絡差し上げます」は正しい表現ですが、「差し上げる」が「与える」「やる」という意味のため、上から目線な印象を与えてしまう可能性があります。 例えば、「今日は都合が悪いので、明日にまた連絡差し上げます」といったように自分の都合に合わせて使用してしまうと上から目線に感じてしまいます。 「連絡差し上げます」は、相手の都合に配慮して連絡をする場合に使う表現です。明らかに自分の都合で連絡をする場合に使うのは不適切になります。 「連絡差し上げます」は、相手にとってメリットがある場合にのみ使用するようにしましょう。

「ご連絡」のビジネスメールでの使い方と例文

「ご連絡〜」はビジネスメールで使われる機会が多く、特に目上の人へメールに対して使用するのが適しています。 「ご連絡いたします」「ご連絡申し上げます」は、自分から連絡をするときに使う言い回しです。

例文

  • ◯◯の件については、またご連絡いたします。
  • こちらから追って連絡いたします。
  • いつもお世話になっております。先日、ご連絡いたしました△△です。
  • 検査の結果が分かり次第ご連絡いたしますので、しばらくお待ちください。
  • 先日の打ち合わせの件でお伺いしたいことがあり、連絡いたしました。
  • 不良品の代替については発送日の確認が取れ次第、改めて連絡いたします。
  • その件については一旦確認をしてから、折り返し連絡申し上げます。
  • ◯◯が現在席を外しておりますので、私山田が変わって連絡申し上げます。
  • 原因が判明次第、ご連絡いたしますのでよろしくお願いいたします。
  • このような事態になってしまったことについて確認でき次第、ご連絡いたします。

相手に連絡をお願いしたり催促するときに便利な例文集

相手に連絡をお願いしたり、催促する場合は、相手にできるだけ不快感を与えないよう、丁寧な言葉を使うことが重要です。 悪気がなかったとしても、相手は失礼に感じたり、きつい印象を持ってしまうことがあるので、注意してお願いするようにしましょう。

言い回し

  • ご連絡ください
  • ご連絡お待ちしております
  • ご連絡のほどお待ち申し上げます
  • ご連絡いただければ幸いです
  • ご連絡いただきたく存じます
  • ご連絡お願いいたします
  • ご連絡のほどお願いします
  • ご連絡いただけますでしょうか

例文

  • △△について、いくつかお聞きしたい点がございます。お忙しいところ大変恐縮ですが、ご連絡をお待ちしております。
  • お忙しいところ、恐れ入りますが、今週中にご連絡いただけましたら幸いです。
  • 再度ご連絡申し上げておりますが、お返事をいただけておりません。お手数ですが、◯日までにご連絡ください。よろしくお願いいたします。
  • 先日、新しいプロジェクトに関するお問い合わせをいただきましたが、その後はいかがでしょうか。××様からのご連絡をお待ちしております。
  • 商品の不具合、故障などのお問い合わせにつきましては、◯◯センターまでご連絡ください。

「ご連絡いたします」と「ご報告いたします」の使い分け

「報告」とは、「ある任務を与えられたものが、その遂行の経過・結果について述べること。また、その内容」を意味しています。「ご報告」は、上司や先輩など目上の相手に対して使います。 「ご連絡」は今現在も進行している事項を伝えるときに使い、「ご報告」は完了した事項を伝えるときに使います。 「ご連絡」はあくまでも物事の内容を簡単に伝えることを意味していて、「ご報告」は、物事の展開や結果などを伝えることを意味しています。

例文

  • 私事で大変恐縮ですが、◯月◯日に長女を出産しましたことを、ご報告いたします。
  • 今年度の業績について、ご報告いたします。
  • 先日の打ち合わせの内容をご報告いたします。

「ご連絡いたします」などの英語表現

「ご連絡いたします」などの英語表現を紹介していきます。 「ご連絡いたします」は色々な表現が可能なので、色々なバリエーションを紹介したいと思います。

I'll be in touch.

I'll contact you later.

I'll e-mail you soon.

I'll text you.

I'll let you know.

などがあります。自分の使いやすいフレーズを使えばよいと思います。

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まとめ

「ご連絡いたします」について理解できたでしょうか? ✔︎「ご連絡いたします」は二重敬語だが、定着しているので使用しても問題ない ✔︎ 本来は「連絡いたします」「ご連絡します」が正しい ✔︎「ご連絡させていただきます」「ご連絡差し上げます」は不適切 ✔︎「ご連絡」は物事の内容を簡単に伝えること、「ご報告」は物事の展開や結果などを伝えることを意味する

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