ビジネスシーンにおいて「ご連絡」を用いた敬語表現はたくさんあります。その中でも「ご連絡させていただく」は丁寧な表現に見えますが、この表現は正しいのでしょうか?実際曖昧になっている方も多いと思います。そこで今回は「ご連絡」を用いた正しい敬語表現について例文を交えながら解説していきます。
「させていただく」は、使役の助動詞「させて」+「もらう」の謙譲語「いただく」で成り立っています。「させていただく」は、「相手に許可を得て、ある行為を遠慮しながらすること」を意味します。 「させていただく」という表現について、文化庁は「基本的に他者の許可を得た上で、自分が行うことについて、その恩恵を受けることに対して敬意を払っている場合」に使うのが適切であるとしています。 要するに「させていただく」は、
の2つの条件を満たすときに使用するのが正しい使い方になります。 「させていただく」は、「図々しくて申し訳ないが、相手が許可してくれたから〜する」という意味合いになり、主な例としては、「スケジュールを変更させていただく」「仕事を担当させていただく」と使います。 つまり、相手に自分が連絡することに対して許可を得ていない場合は「ご連絡させていただく」は使えません。
二重敬語とは、同じ種類の敬語が二つ以上含まれた表現のことです。 敬語には3つの種類があります。 ▶尊敬語 ▶謙譲語 ▶丁寧語 つまり、尊敬語と尊敬語・謙譲語と謙譲語・丁寧語と丁寧語が1つの文章で使われていると二重敬語になります。 「ご連絡させていただく」は、 「ご」=謙譲語 「させて」=敬語ではない「する」の使役形 「いただく」=「もらう」の謙譲語 で成り立っています。 「ご連絡させていただく」は謙譲語が2つ含まれているため、二重敬語になります。 二重敬語は、相手に失礼な印象を与えたり、慇懃無礼と思われる可能性があるので使用する際は注意しましょう。
「ご連絡させていただく」は敬語として不適切な表現であることがわかりました。 では「連絡する」の正しい敬語表現はどうなるのでしょうか?
「ご連絡します」はビジネスシーンでも頻繁に使われます。 「ご連絡します」の「ご」は謙譲語で、「ます」は丁寧語のため、正しい表現になります。 「連絡します」は主にメールや電話で使うことのできる表現です。 「連絡します」の前に「改めて」「追って」などをつけるとより丁寧な表現になります。
例文
「いたします」は、「する」の謙譲語「いたす」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「連絡いたします」は非常に丁寧でビジネスシーンに適している表現になります。 「いたします」は、一般的に相手への敬意を払い「〜します」「〜させてもらいます」と自ら率先して相手のために何かをする、という意味合いで使います。 ただ「連絡いたします」に謙譲を表す「ご」をつけて、「ご連絡いたします」とすると二重敬語になってしまうので気をつけましょう。
例文
「申し上げます」は「言う」の謙譲語「申し上げる」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「連絡申し上げます」は、取引先の会社やお客様に対してなど目上の相手へ使い、主にお礼や謝罪をするときに使うことが多い表現です。 「連絡いたします」と同様に、「連絡申し上げます」に謙譲を表す「ご」をつけて、「ご連絡申し上げます」とすると二重敬語になってしまうので気をつけましょう。
例文
「差し上げます」は「与える」の謙譲語「差し上げる」+丁寧語「ます」で成り立っています。 「連絡差し上げます」は正しい表現ですが、「差し上げる」が「与える」「やる」という意味のため、上から目線な印象を与えてしまう可能性があります。 例えば、「今日は都合が悪いので、明日にまた連絡差し上げます」といったように自分の都合に合わせて使用してしまうと上から目線に感じてしまいます。 「連絡差し上げます」は、相手の都合に配慮して連絡をする場合に使う表現です。明らかに自分の都合で連絡をする場合に使うのは不適切になります。 「連絡差し上げます」は、相手にとってメリットがある場合にのみ使用するようにしましょう。 また「ご連絡差し上げます」だと二重敬語になってしまうので気をつけましょう。
例文
「ご連絡」に似た言葉がたくさん存在します。 その中でも特に間違えやすい類似表現との違いについて紹介します。
「お知らせ」は、「知らせること、またその内容・通知」という意味になります。 「お知らせ」と「ご連絡」はほぼ同じ意味ですが使い方に違いがあります。 「ご連絡」は口語でも書き言葉としても使える表現ですが、「お知らせ」は書き言葉として使われることがほとんどです。
例文
「報告」とは、「ある任務を与えられたものが、その遂行の経過・結果について述べること。また、その内容」を意味しています。「ご報告」は、上司や先輩など目上の相手に対して使います。 「ご連絡」は今現在も進行している事項を伝えるときに使い、「ご報告」は完了した事項を伝えるときに使います。 「ご連絡」はあくまでも物事の内容を簡単に伝えることを意味していて、「ご報告」は、物事の展開や結果などを伝えることを意味しています。
例文
「一報」とは、「最初の知らせ」「簡単に知らせること」を意味しています。 「ご一報」は、取引先に資料を提出したときや、メールを出したときに、反応を知りたかったり、読んだか確認したい場合に「ご一報ください」と使います。 「ご一報」の前に、「大変恐れ入りますが」「大変恐縮ですが」といった言葉をつけると、より丁寧な表現になります。 「ご一報」と「ご連絡」の意味はほぼ同じです。 違いとしては、「ご連絡」は電話やメールで使うことができますが、「ご一報」はメールではなく電話で使うことが多いです。
例文
「連絡する」の英語は様々な表現が考えられます。
などなど、たくさんあります。 「あとで返信します」は、
といいます。
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「ご連絡させていただく」について理解できたでしょうか? ✔︎「させていただく」は、相手から許可を得ていない場合は使うことができない表現 ✔︎「ご連絡させていただく」は、謙譲語が二つ含まれているので二重敬語になる ✔︎「連絡する」の正しい表現は、「ご連絡します」「連絡いたします」などとなる ✔︎「ご連絡」の類語には、「お知らせ」「ご報告」などがある