「ご留意いただければ幸いです(ごりゅういいただければさいわいです)」は、気に留めておいてもらえると嬉しいですという意味です。ビジネスメールで注意しておいてほしいことを伝えるときに使います。例えば「受付時間が変更になりましたのでご留意いただければ幸いです」などと使います。
「ご留意」は「ごりゅうい」と読みます。 「ご留意」は「ある物事を心にとどめておき、常にそのことに気をつけること」を意味します。 「留意」についている「ご」は尊敬を表す接頭辞です。
接頭辞「ご(お)」敬語の種類は文脈によって尊敬語・謙譲語・丁寧語のどれにもなります。
この場合の接頭辞「ご」は、相手が留意することに対してつけているので尊敬語になりますが、「ご〜いただく」で一つの謙譲表現と解釈する場合もあります。
「いただければ」の意味は、「もらえれば」です。 「いただければ」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 仮定を表す接続助詞「れば」を使うことで、直接的な表現を避け「〜してもらえたら」という柔らかいニュアンスの依頼表現になります。
「幸いです」は、「さいわいです」と読みます。 「幸いです」は、自分にとって嬉しいことですという意味です。 「幸せ」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 したがって、「ご留意いただければ幸いです」は「心に留めておいてもらえれば嬉しいです」という意味で、気をつけてほしいことを伝えるときに使います。
「ご留意いただければ幸いです」は、主にビジネスメールで使います。 口頭や電話対応で使われることもあります。 「ご留意いただければ幸いです」は、何か注意点の説明をしたり、事前に把握してほしいことを伝えるときです。 クッション言葉と一緒に使うことも多いです。 例えば、
などと、文中で使います。 また、「ご留意いただければ幸いです。よろしくお願いいたします」などとメールの文末に結びの言葉として使うこともあります。
【件名】 営業時間変更のお知らせ 【本文】 株式会社アイウエオ 芦戸真那様 いつもお世話になっております。 株式会社タチツテトの営業部桐島です。 このたびは、弊社営業時間変更のご連絡でメールをいたしました。 弊社営業時間(平日9:00〜19:00)につきまして、以下の通り変更します。 〈変更後の営業時間〉 平日8:00〜18:00 〈対象店舗〉 平塚店 藤沢駅前通り店 平戸店 緑谷駅東口店 申し訳ありませんが、ご留意いただければ幸いです。 社員一同さらに丁寧なサービスを心がけて参りますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 桐島
【件名】 商品資料発送のご案内 【本文】 株式会社MELON 総務部 佐野千冬様 平素よりお世話になっております。 株式会社ITIGOの千堂です。 早速ではございますが、ご依頼いただきました商品資料を本日配送いたしましたのでお知らせいたします。 発送日:10月6日(火) 到着予定日:10月7日(水)午後 送付内容:商品資料一式 サンプル品 なお、商品の価格については変更になる可能性がございますので、ご留意いただければ幸いです。 ご不明な点やご質問などございましたら、千堂までお気軽にお問い合わせくださいませ。 千堂
「ご留意いただければ幸いです」と似た敬語表現に「ご留意いただけますと幸いです」があります。 「いただければ幸い」は、上述したように「もらう」の謙譲語「いただく」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「いただけますと幸い」で「してもらえると嬉しい」という意味になります。 どちらも目上の人に対して使える丁寧な敬語表現ですが、「いただけますと幸いです」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現で、「いただければ幸いです」は謙譲語のみを使った敬語表現であるため、「いただけますと幸いです」のほうがより丁寧です。
「ご留意いただければ幸いです」は、「ご留意いただけましたら幸いです」ということもできます。 「いただけましたら幸い」は、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と仮定の接続助詞「たら」をつけた敬語表現です。 「いただけましたら幸いです」で「してもらえたら嬉しい・ありがたい」という願望を表す丁寧な言い回しになります。 「いただければ幸い」と「いただけましたら幸い」は、どちらも「してもらえたら嬉しい」という願望を表す丁寧な言い回しですが、「いただければ幸い」は謙譲語のみを使用した敬語表現で、「いただけましたら幸い」は謙譲語と丁寧語を使った敬語表現なので、「いただけましたら幸いです」のほうがより丁寧です。
「賜れれば幸い」は、「もうらう」の謙譲語「賜る(たまわる)」に仮定を表す接続助詞「れば」をつけた敬語表現です。 「賜れれば幸い」で、「もらえると嬉しいです」と依頼をする丁寧な表現になります。 「いただければ幸い」と「賜れれば幸い」は、どちらも「もらう」の謙譲語をつかった敬語表現ですが、「賜る」が、「いただく」より一段と恐れ多いという気持ちを込めた謙譲語として用いられるため、「賜れれば幸い」のほうが丁寧でよりかしこまった表現です。
「幸いです」と似た敬語表現には、「幸甚に存じます」があります。 「幸甚に存じます(こうじんにぞんじます)」は、「幸甚」に丁重語「存ずる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「幸甚」は、「何よりの幸せ」「この上ない幸せ」「最上級の幸福」「幸せの極み」「大変ありがたい思う」という意味です。 「存ずる」は、「思う」の丁重語です。 丁重語とは謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で謙譲語と同じですが、謙譲語とは違い、動作の対象ではなく自分が今話している相手に敬意を示す敬語です。 「幸甚に存じます」で、「この上なく幸せに思います」という意味になります。 丁寧語のみを使った「幸いです」よりも、丁重語と丁寧語を使った「幸甚に存じます」のほうが丁寧な敬語表現です。 また、「幸い」よりも「幸甚」のほうが堅い表現であるためフォーマルな場面に適しています。 ただし、かしこまりすぎて仰々しい印象を相手に与え、かえって失礼になってしまうので、社内の人に使う場合は「幸いです」のほうが適しています。
「ご留意ください」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「くれ」の尊敬語「ください」をつけた敬語表現です。 正しい敬語表現ですが命令文なのでやや上から目線で、目下の人や同等の立場の人に対して使うのは問題ありませんが、親しくない上司や社外の人に対して使うのは避けた方がよいでしょう。 「ご留意くださいませ」とすると柔らかいニュアンスになります。 「くださいませ」は、「ください」に「ませ」をつけた敬語表現です。 「ませ」は「丁寧な気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意」を表します。 「くださいませ」とすることで、「くれ」を丁寧にするだけでなく柔らかい印象を与えることができます。
「ご留意いただけますか」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「もらう」の謙譲語「いただく」に丁寧語「ます」と疑問の終助詞「か」をつけた敬語表現です。 「ご留意ください」では一方的なニュアンスがありますが、「ご留意してもらえますか」と疑問形にすることで、柔らかい依頼の表現になります。 「ご留意いただくことは可能でしょうか」という敬語表現もあります。 「ご留意いただくことは可能でしょうか」は、「留意してらうことはできるだろうか?」と可否を確認する表現で、依頼をするときに使用される正しい敬語表現です。 しかし、やや強意的であるためビジネスシーンでは使用を避ける人もいます。
「ご留意願います」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」と、「願う」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご留意願います」も正しい敬語表現ではありますが、「願います」が「願う」という言葉の丁寧語であるという点で丁寧さに欠ける(謙虚な態度が感じられない)表現であるため、親しくない上司や社外の人に対して使うは避けた方が無難です。 上司や社外の人に使用する場合は、「お願いいたします」などより丁寧な敬語表現を使用しましょう。
「ご留意いただけると幸いです」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」と「もらう」の謙譲語「いただく」をつけて、「幸い」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 「ご留意いただけると幸いです」は、「心に留めておいてもらえると嬉しいです」という意味の丁寧な表現になります。
「ご留意いただきたく存じます」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「もらう」の謙譲語「いただく」と「思う」の丁重語「存ずる」、丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご留意いただきたく存じます」で、「心に留めておいてもらいたいと思います」と柔らかくお願いをする表現になります。 「ご留意いただければと存じます」とするとより丁寧です。 「いただければ」は、上述した通り「してもらえたら〜」という仮定の表現で願望を表す丁寧な言い回しです。
「ご留意くださいますようお願いいたします」の「ご留意くださいますよう」は、「留意」に尊敬を表す接頭辞「ご」をつけて、「くれ」の尊敬語「ください」と丁寧語「ます」、婉曲表現の「よう」をつけています。 「お願いいたします」は、「お願いする」の謙譲語+丁重語+丁寧語です。 「お」は謙譲語で、動作の対象を敬う接頭辞です。 「いたす」は丁重語で、聞き手・読み手を敬う補助動詞です。 丁重語とは、謙譲語Ⅱともいわれ、へりくだることで相手に敬意を示すという点で通常の謙譲語と同じですが、動作の対象ではなく聞き手・読み手に敬意を示す敬語です。 「お願いいたします」の「ます」は丁寧語です。 「いたす」は漢字で「致す」と書きますが、補助動詞は平仮名で表記するという決まりがあるので、「お願いいたします」と書くのが正しいです。 「ご留意いただきますよう〜」とるすることもできます。 「ご留意いただきますよう」は「留意」に尊敬表す接頭辞「ご」をつけて、「もうらう」の謙譲語「いただく」と婉曲表現の「よう」をつけています。
「ご留意賜りますようお願い申し上げます」は、非常に丁寧な依頼表現です。 「賜りますよう」は、「もらう」の謙譲語に丁寧語「ます」と婉曲表現の「よう」をつけた敬語表現です。 丁寧語の「ます」に婉曲表現の「よう」をつけた「ますよう」をつけることで直接的な表現を避けることができるので、ただ「お願いします」とお願いするよりも柔らかい印象になります。 「お願い申し上げます」は、「お願いをする」の謙譲語「お願い申し上げる」に丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 「ご留意賜りますようお願い申し上げます」で、「心に留めてもらうようお願いします」という意味になり、丁寧にお願いをすることができます。