「於」は案内状で会場場所または場所と日時を示す時に使います。「於」は「於いて」と送り仮名をふると「おいて」と読みますが、一文字で書かれている場合「おいて」と読む必要ありません。
「於」は音読みで「オ・ヨ」、訓読みで「おいて・おける」と読みます。 しかし「於」は記号として使われているので、わざわざ読む必要はありません。 通常の文章では「於いて」「於て」と送り仮名をふります。 送り仮名がふってあった場合は、「おいて」と読みます。
上述した通り「於いて」には様々な意味がありますが、「於」と漢字一文字で使う場合は、場所・日時を表します。 主に結婚式の招待状やイベントの案内状で使われることが多く、「於 ◯◯ホテル」という使い方で、「◯◯ホテルで行う」と場所を表します。 また「於12月25日15:00」で、日時を表すこともあります。 「於◯◯」は「◯◯に於いて」という表現を漢文風にした表し方です。 このように、「於◯◯」は「於+場所」「於+日時・時間」という形で用いることができます。
ビジネスシーンでも「於会議室」などと使うことがあります。 会議などを何かをするときのお知らせなどで使用されます。 「於会議室」で、会議室で行われるということがわかります。 「於会議室」では見にくいため、「於:会議室」「於、会議室」「於 会議室」のように、記号や空白を入れることもあります。
「於」の類語は「@」です。 「@」は「あっとまーく」と読みますが、「@魚民廣山店」のように使用されている場合は、わざわざ読む必要はありません。 「@」は「〜にて」という意味があり、場所を表します。 「@魚民廣山店」で、場所が魚民廣山店であることがわかります。 ただ、ビジネスシーンなどかしこまった場面には適しません。 案内状など、かしこまった場面では「於」を使用しましょう。
「於いて」は、使われ方により意味が変わります。 まず一つ目は場所や位置を指す「〜で」「〜にて」という意味です。 ある物事が行われている場所を「○○に於いて開催しています」という形で伝えることができます。 場所を示す「於いて」はパーティーやイベントの招待状や、冠婚葬祭の案内状を出すときに使われることが多いです。他にも、ビジネスシーンにおいて講習会や報告会などの案内状を出すときに使います。 二つ目の意味は、時間を指す「〜のときに」「〜のさいに」という意味です。 「◯◯時に於いて」「◯月◯日に於いて」で、ある物事が行われている時間や行われていた時間を表すことができます。また、「バブル時代に於いて」などと出来事に対しても使うことも可能です。 三つ目の意味は「ある事柄と関係していること」を指す「〜について」「〜に関して」という意味です。 例えば、「Aさんは生物に於いて新しい研究を発表した」といったように使います。これは「生物に関する、新しい研究を発表する」という意味です。 「◯◯に於いて」の「◯◯」の部分には、物事・事柄・行動に関する言葉が入ります。 ある物事との関わりを示す場合に使うので、関連がない場合は使うことはできません。
「於」は、カラスの形から生まれた象形文字です。 カラスの鳴き声の擬声語から「ああ」という感嘆詞として使用されるようになったのが、「於」という漢字の語源です。 「金文」という青銅器の表面に刻まれた文字では「烏」と同じ形をしていましたが、字形が代わると共に「烏」とは区別して使用されるようになりました。
「於いて」を「置いて」と表記するのは誤用です。 「置いて」とすると、「ある場所に残す、放っておく、間隔をあける」という意味になってしまいます。 「於いて」と「置いて」を混同して使われていることが多いので、注意してください。 そもそも「於」は常用漢字ではないので、ひらがな表記「おいて」が無難です。 メールや手紙などでも「おいて」とひらがなで書くのが普通です。読みづらく感じる人も多いですし、漢文調の文章は堅い印象を与えるので基本的には「おいて」と平仮名で書きましょう。 「於(い)て」自体は敬語ではないが、堅い表現なのでかしこまった場面で使用しましょう。 例えば、「公民館で料理教室が行われる」を「於いて」を用いて「公民館に於いて料理教室が行われます」と表すと堅い響きが増し、文章全体がフォーマルな印象になります。 「於いて」は口語としても日常的に使う言葉ではなく、挨拶などスピーチをするときに適している表現です。
「置き字」とは、漢文を訓読みするときの読まない文字のことです。 読まれないといっても、飾りとして書かれているのではなく意味はあります。 漢文において「於」は文中におかれ、他の語との関係を閉める前置詞の働きをしています。 「於」の他にも、文中に置かれ句を句をつなぐ接続詞の働きする「而」や、文末に置かれて断定や感嘆を表します。「焉」「矣」などがあります。 このように、実際に読まれなくても文章を構成をする上で重要な役割を果たしているのが「置き字」です。
「於」の意味は漢文でも同じです。 漢文で「於○○」と送り仮名がなく、「二」「ヨリ」などの送り仮名が就いている場合は置き字です。 置き字として以外にも「於」を使うこともあります。 「於イテ」「於ケル」といったように、送り仮名が就いている場合は「おいて」「おける」と読みます。
いかがでしたか?「於」について理解していただけましたか?