「際に(さいに)」の意味は「これまでとは異なる現象が生じたり、新たなことが行われたりする特定の時点」です。「〜の時に」と同じように使用される言葉ですが、「際に」は「時に」より限定的な使われ方をする言葉であるということをご存知でしょうか。今回は「際に」の意味と正しい使い方を解説します。「際に」の類語も合わせて紹介しますので是非参考にしてください。
「際(さい)」の意味は「これまでとは異なる現象が生じたり、新たなことが行われたりする特定の時点」です。 「際に」は「さいに」と読みます。 もう少し固い表現にすると「際して(さいして)」となります。 「際する(さいする)」という動詞にすると「ある状態や出来事に直面すること」を意味します。 「○○をするときの」という意味合いで、ビジネスシーンやかしこまった文章、挨拶などで使用されます。
「際(きわ)」なら、「物事の境目」という意味になります。 その物事が、他と境をなしている所の近くを差して「際(きわ)」といいます。 「崖の際」など物に対してだけではなく、「帰り際(ぎわ)」というように、ある行動や状態に移ろうとするまさにその時を意味して使用することもあります。
「際(ざい)なら、「身の程・身分」という意味になります。 「分際」の略で、一般的に「〜の分際で」という使われ方をします。 身分をわきまえずに差し出がましいことを非難する言葉です。
「際に」は新展開がある時に使います。 「○○をする時に」という意味で、これからすること・起こることを「〜の際に」と表現します。 文法だと 「名詞」+「の」+「際に」・・・「帰省の際に」など 「普通形」+「の」+「際に」・・・「お帰りの際に」など となります。 「際に」は仮定の意味でも使用されます。 実際に起こるかはわからないけれど、起こる可能性のあることに対して「もし○○することがあればその時は...」という意味で使用されます。 「際に」を新展開のないときに使用することはできません。 例えば、毎日電車に乗って通勤しているのに「通勤する際に電車を利用している」という使い方は誤りですので注意しましょう。
例文
「際に」は、新展開があったならば過去に対しても使えます。 「〜の際に○○をした」または「〜をした際に...」という使い方をします。 これまでとは異なる現象が生じたり、新たなことが行われたりするのであれば、現在・未来・過去全てに対して使用できるということを覚えておきましょう。
例文
「...際、」と接続詞的にも使うこともできます。 「...際、」と接続詞的に使っても、意味は変わりません。 また、「...の際は」の「は」は助詞です。 口語では「〜の際は」と使われることが多いです。
例文
「この際〜」は好機と捉える意になります。 通常とは異なる事態や状況におかれて、意を新たにしてことに望まなければいけない場面で「こういう時」「こういう機会」という意味で使用されます。 「この際に」「この際だから」「この際ですので」という使い方をします。
「時に」は、「まれに何かの事情でそういう自体もありうる様子」「その事があったその時」という意味で使用されます。 「際に」よりも「時に」の方が意味が広いです。 「際に」は「時に」に言い換え可能だが、「時に」は常に「際に」に言い換えられるわけではないので注意が必要です。 これまでとは異なる現象が生じたり、新たなことが行われたりする特定の時点を指す場合以外には「際に」と言い換えることはできません。 ビジネスシーンでは「時に」よりも「際に」のほうが丁寧なので、置き換え可能な場合は「際に」を使用しましょう。
「折に(おりに)」は、特別の「時」「場合」「状況」を意味する言葉です。 例えば、「今度立ち寄った折に」で、「今度立ち寄った時に」という意味になります。 「折に」は「際に」と一番意味が近い類語です。
「場合に」は、「その時々で変わってくる、その場の事情や状況」「そのような事例や状況」という意味があります。 ある状況・自体を仮定的にとらえて「〜の場合には」といった使い方をします。 現在・過去のことには使えません。 新展開がある時のみ使うことは共通していますが、これから起こることに対してのみ使用する言葉なので、「際に」よりも限定的であると言えます。
「おいて」には、様々な意味と使い方があります。 その一つが、時間を指す使い方です。 時間を指す場合の「おいて」は「〜のときに」という意味になります。 ある物事が行われている時間を表すことができます。 例えば、「過去において、そういうこともあった」といったように使います。「過去において」とは「過去の時点では」という意味になります。 「あたって」の意味は「何かを行うときに、ある状態になる前に」です。 「ご利用の際に」「ご利用するにあたって」というように、どちらを使っても違和感がない場合もあれば、「際に」と言い換えることができない場合もあるので注意しましょう。
「節は」は「あの時は」「この前は」という意味です。 「節」には「時間的な経過の区切り目」「物事の区切り目」といった意味があり、過去の出来事やある時点を話題にあげる際の言い回しとして使用されます。 「その節は」と使う場合の話題は、話し手と聞き手が両方関わっている事柄についてになります。
「際に」の英語には「occasion」があります。 「occasion」は「特定の事が起こった時、場合」という意味で、和訳は「場合」が多いですが、「occasion」は過去に対しても使えます。
On the occasion of her previous trip to America, she broke her leg.
前回の米国旅行の際に、彼女は足を骨折した。
「case」も「場合」と和訳されることが多いですが、本来は「特定の状況」という意味なので、「際に」と同じように使うことができます。 「occasion」と一緒に使う前置詞は「on」でしたが、「case」は「in」が伴います。
In case of need, please feel free to ask me any time.
必要の際は、いつでもお申し付けください。
いかがでしたか?「際に」について理解を深めていただけたでしょうか。 「際に」を簡単にまとめると...