「おかえりなさい」は、帰宅した人を迎えるときの挨拶です。「おかえりなさい」は敬語表現であるため目上の人に使用することができます。今回は「おかえりなさい」の意味と敬語表現、「おかえりなさい」以外の挨拶を紹介します。また「おかえりなさい」の英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「おかえりなさい」は、帰宅した人を迎えるときの挨拶です。 「おかえりなさい」は、「よくお帰りなさいました」の略です。 「お帰りなさいました」は、「する」の尊敬語「なさる」のに丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 したがって、「お帰りなさい」は上司などの目上の人に使っても問題ありません。
「おかえりなさい」は、漢字表記にすると「お帰りなさい」となります。 ただし、「おかえりなさい」と平仮名で表記するのが普通です。 「こんにちは」や「こんばんは」のように、挨拶で使用される言葉は平仮名で表記されるのが一般的です。
「おかえりなさい」は命令文でもあります。 「おかえりなさい」の「なさい」は「する」の尊敬語「なさる」の命令形でもあるからです。 「おかえりなさい」を命令文で使用するときは「帰って」と相手に伝えたい場面です。 命令文で「おかえりなさい」を使用するときは、「お帰りなさい」と漢字で表記されることが多いです。 例えばビジネスシーンで部下など目下の相手に「仕事はもう良いからお帰りなさい」などと伝えるときに使用します。
「おかえりなさい」は、「おかえりなさいませ」だとより丁寧になります。 「おかえりなさいませ」は「おかえりなさい」に丁寧の助動詞「ます」の命令形「ませ」をつけた言葉です。 「ませ」には、丁寧な気持ちを込めて相手に動作を要求する意になります。 「おかえりなさい」は、上述したように元々「お帰りなさいました」を略した言葉なので「ませ」を使用することでより丁寧になります。
「おかえりなさい」は目上の人に使用することができますが、家族間や友人間でも使用する言葉なので目上の人やビジネスシーンで使用するにはフランクすぎると感じる人も多いかと思います。 「おかえりなさい」ではカジュアルすぎて違和感があるという人は、「お疲れ様です」に言い換えて「寒い中お疲れ様でした」「ご出張お疲れ様でした」などとするのも良いでしょう。 「お疲れ様」は労いの意味が含まれているため、本来は目上に使えない言葉です。 本来労いの言葉は、目上の人が目下の者に対して謝意を表すために使用されます。 そのため「お疲れ様」も本来、目上の人が目下の人に対して使う言葉であるといえます。 しかし、昨今では立場関係なく挨拶として「お疲れ様」は使われていますので、目上の人に使用してもさほど問題ではありません。 間違った使い方であっても多くの人が使用することにより常用化されることはよくあります。 ただし、「ご苦労様」と言い換えることはできません。 なぜなら「ご苦労様」は、他人が自分に対して益をもたらす仕事に従事してくれたことを労うときに使う言葉であり、「奉仕」というニュアンスが伴うからです。 また「ご苦労様」は相手の尽力を冷やかしたり、嘲ったり、皮肉を込めて使うこともあります。 ですので、「ご苦労様です」は避けましょう。
「おかえりください」だと、帰宅した人を迎える挨拶にはなりません。 「おかえりください」は、「お」+「かえり」+「ください」です。 「お」は尊敬を表す接頭語 「ください」は「くれ」の丁寧語 です。 したがって「おかえりください」は、「帰ってほしい」という意味になります。 例えば、「気をつけてお帰りください」という使い方をすることができます。
「いってらっしゃい」は、外出する人を送り出すときのあいさつです。 「いってらっしゃい」には「行って、無事に戻ってきてください」という意味があります。 「いってらっしゃい」に「ませ」をつけるとより丁寧で柔らかい印象になります。 「いってらっしゃいませ」を「いってらっしゃい」にすることもできます。 ただ、目上の人に使用するのであれば、より柔らかく丁寧な「いってらっしゃいませ」を使用するほうが良いです。 「お気をつけて、いってらっしゃいませ」だとより丁寧になります。
自分が出発する時に上司に言う言葉は「いってまいります」です。 「行ってまいります」は、「行く」に「くる」の丁重語「まいる」と丁寧語「ます」をつけた敬語表現です。 丁重語とは、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用される敬語表現です。 丁重語は自分をへりくだることで相手に敬意を示す謙譲語と同じ種類の敬語で、「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 「いってきます」でも「いく」に丁寧語「ます」をつけているので、目上の人に使用することが可能ですが、「行ってまいります」のほうが丁寧です。
帰ってきたときに上司に言うのは「ただいま戻りました」です。 「ただいま戻りました」は「いま戻った」に、「今」を強調する「ただ」と丁寧語の「ます」をつけた表現です。 「ただいま」は、「ただいま戻りました」を略した言葉です。 家族間や友人など親しい間柄であれば「ただいま」でも問題ありませんが、目上の人に対しては省略せずに「ただいま戻りました」といいましょう。
「おかえりなさい」の英語表現には、