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「感無量」は悪い意味で使う?ビジネスでの使い方は?類語と英語表現も解説

「感無量」の意味と使い方を解説していきます。感無量をネガティブな意味で使うことはできるのでしょうか?ビジネスでの敬語表現はどのような形になるのでしょうか?類語は?そんな疑問にお答えしていきます。

「感無量」の意味とは

「感無量」の読み方は「かんむりょう」

「感無量」の読み方は「かんむりょう」です。 「感無料」と表記するのは間違いですので、注意しましょう。 「観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)」という仏教経典がありますが、これとは全く関係ありません。

「感無量」の語源は「感慨無量」

「感無量」は四字熟語「感慨無量(かんがいむりょう)」を略した言葉です。 「感無量」の意味は「感慨無量」と完全に同じです。 「慨」を「概」と書くのは誤りなので注意です。 「感慨無量」は「感慨(かんがい)」と「無量」の2つの二字熟語が組み合わさって成り立っています。 「無量」は「量が無いこと」ではなく「はかることが出来なほど量が多いこと」を示しています。 よって、「感慨無量」とは「感慨がはかりきれないほど深い」という意味です。 「感慨」には2つの意味があります。

  1. 過去を思い出して、しみじみすること
  2. 物事に深く感じて心を動かすこと。感動すること
です。 卒業や結婚、転職など人生の区切りで過去の経験を振り返った時に沸き起こる感情がまさに「感無量」です。 ここから転じて、単に嬉しさや感謝の気持ちで「心が動く」ときにも「感無量」は使うことができます。 どちらにせよ、何とも言えないほど深く感じるときに使う言葉です。

「感無量」の誤用に注意

「感無量」は悲しい感情に対して使うのは誤用

「感無量」は「感慨無量」の略であるとお伝えしました。 「感慨」は「感じて慨(なげ)く」なので、もとは「悲しみいきどおる」という意味です。 しかし現代ではこのようにネガティブな意味では使えません。 例えば「事故に巻き込まれ感無量だ」など表現するのは誤用です。 悲しい感情でどうしようもない場合は「胸が張り裂ける思い」「息が詰まる思い」「身を切る思い」などを使います。

「感無量の思いでいっぱい」は二重表現で不適切

「感無量の思いでいっぱい」という表現は、”二重”に二重表現です。 「感無量」自体に「思いがいっぱい」という意味があるので、「感無量の思い」でも「感無量でいっぱい」でも二重表現となります。 「感無量の気持ちでいっぱいです」も同様に二重表現となります。

「感無量」の使い方と例文

「〜感無量だ」「感無量の面持ち」などと使う

「感無量」は、
  • 感無量だ
  • 感無量になる
  • 感無量の面持ち
の形で使われています。

結婚式のスピーチでもよく用いられています。 例えば「幼い頃から親友である○○さんの晴れの日をこうして迎えることができ、感無量です」などと使います。

「感無量」の例文

  • 20年ぶりの帰国かと思うと感無量だ。
  • 体調を崩し登校できない日々が続き進級が危ういときもあったので、卒業式も一層感無量になるだろう。
  • 結婚式で父親は感無量の面持ちでわが子の晴れ姿を見つめていた。

「感無量です」などとビジネスで目上にも使える

「感無量」はビジネスシーンで上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。 この場合、「しみじみする」という意味の場合もありますが、「感動する」という意味の場合もあります。 その場合は敬語表現を併用して

  • 感無量です
  • 感無量になります
  • 感無量でございます

などと使います。 ちなみに「感心しました」は上から目線になってしまい、目上の人に使うべきではない日本語もあるので注意してください。 「脱帽しました」も目上の人には使えません。「相手を自分よりも上だと認める」という、上から物を言うニュアンスが込められます。

「感無量」のビジネス例文

  • 上司の皆さんから励ましの言葉をいただき、感無量です。
  • 長年の努力がやっと実り、感無量になります。
  • 社長の有終の美を見届けることができ、感無量でございます。

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「感無量の極み」で強調した形

「感無量」であることをより強調したい場合は「感無量の極み」と使います。 「極み」は、「きわまるところ」「物事の行きつくところ」を意味しています。 そのため「感無量の極み」は「この上なく感無量であること」を表します。 胸がいっぱいで言葉にならないほど感動している様子を伝えることができます。

「感無量の極み」の例文

  • 本日無事に新サービスを発表できて、感無量の極みでございます。
  • 社長にこのような会を開催していただき、感無量の極みです。

「感無量」の類語

感慨深い

「感慨深い」は「かんがいぶかい」と読みます。 意味は、「感慨の度合いが強いこと」「過去のことや、今までのことに対してしみじみと深く感じられること」です。 主に、以前の経験や過去があっての今のことに対して使われます。 ちなみに「感慨深い」も悪い意味では使いません。 良いや悪い、というよりは「過去を思い出して懐かしい気持ちになること」を指す言葉です。

「感慨深い」の例文

  • 娘も明日で成人になるとは、とても感慨深いものがある。
  • 友達の結婚式で中学時代の私達の写真が流れ、中学で出会った友人が結婚したのかと改めて実感し、感慨深かった。
  • 彼について感慨深げに話していたのが不思議だったが、どうやら彼女は以前その彼と何かあったようだ。

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感慨多端

「感慨多端」は「かんがいたたん」と読みます。 意味は「身に沁みて、心に深く感じることが多いこと」です。 「多端」には複雑で多岐にわたることといった意味があります。 「お話を聞けて、感慨多端です」と使い「感動することがたくさんあった」と伝えることができます。 感慨多端もポジティブな意味で使われます。

「感慨多端」の例文

  • 部長の貴重なお話を聞くことが出来、感慨多端でございます。
  • 幼稚園から幼馴染の結婚式でスピーチをすることができ感慨多端だ。
  • 長年の夢が叶い、感慨多端で言葉にならない。

万感の思い

「万感の思い」は「ばんかんのおもい」と読みます。 「一瞬で心にわき起こる様々な感情」を表現する言葉です。 嬉しい気持ちや悲しい気持ち、安心する気持ちや大変だった気持ちなど、いろんな感情が入り混じってわき起こる時に使われます。 嬉しい気持ちだけ、悲しい気持ちだけ、の時には使われません。 主に、何かを成し遂げた時や長い道のりを振り返った時などに使われます。

「万感の思い」の例文

  • これまでの10年間を振り返ると、万感の思いでいっぱいです。
  • 1人でやり続けた彼は、これまでの万感の思いを話してくれた。
  • ずっとやりたかったお店をオープンすることが出来、まさに万感の思いです。

しみじみ

「しみじみ」の意味は、

  1. 心に深くしみるさま
  2. 心静かにおちついているさま
  3. 心からそのように思うさまを表す
  4. じっと相手を見るさま

などがあります。 「しみじとした表情」「しみじみとした気持ち」などと使います。

「しみじみ」の例文

  • 旧友とばったり再会して昔話を、しみじみと語り合った。
  • この寺は、しみじみとした風情が魅力だ。
  • 海を見ていると彼を思い出し、しみじみとした気持ちになる。

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感極まる

「感極まる」は「かんきわまる」と読みます。 意味は「感動の極みに達すること」です。 感動で胸がいっぱいになり、思わず涙が溢れたり言葉が詰まったりすることを表します。 「感極まる」は良い意味で使い、悪い意味でも使いません。

「感極まる」の例文

  • ずっと会いたかった海外アーティストに会うことが出来、感極まって涙を流した。
  • これまでのチームのことを振り返り感極まる。
  • 九死に一生を得て、今こうしてまた皆さんと働けていることに感極まっています。

「感無量」の英語

「full of emotion」は不適

「感無量」の「感情で胸がいっぱいになる」というニュアンスから「full of emotion」と英訳する辞書等がありますが、不適切です。 「full of emotion」だと「感性が豊か」という意味で、あまり日常的に使う表現ではありません。

「delighted」で嬉しさを表現

「感無量」を「とても嬉しい」と解釈すると「delighted」が適切です。 「be delighted with...」の形で使います。

Peter was delighted with the news.

ピーターはその知らせを聞いて、感無量になった。

「overwhelmed」で強い感情を抱く

「overwhelmed」で「突然強い感情を抱く」という意味になります。 「be overwhelmed with/by...」となります。 「深く感動する」を意味する「deeply moved by」を使うことも可能です。

I was overwhelmed with the letters of support I received.

応援の手紙を受け取って、感無量になった。

まとめ

「感無量(かんむりょう)」は「感慨無量(かんがいむりょう)」の略です。 「思いが胸に深くしみて、何も言えない状態になること」を指します。 過去の経験を思い出した時や嬉しさや感謝の気持ちから感動した時に使います。

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