言葉には非常に似ていても、違った意味、異なる使い方をする語がたくさんあります。適切に意味を知らないまま、使ってしまっているということが多いです。その中には「脱帽」「感服」「敬服」「感心」があります。確かに、見ただけでも印象が似ていますよね。しかし、それぞれ違う意味、異なる使い方をするのです。また、この4つの言葉は目上の人に使うことができるのでしょうか。正しく使うためには、しっかりと意味を理解する必要があります。そこで今回は「脱帽」「感服」「敬服」「感心」の意味と使い分けについて解説していきます。違いを知って、上手く使えるようにしましょう!
▶︎「脱帽(だつぼう)」
▶︎「感服(かんぷく)」
▶︎「敬服(けいふく)」
▶︎「感心(かんしん)」
「脱帽」は「ただ帽子を脱ぐ」という意味もあります。『脱帽せよ』と言った場合は「帽子を脱げ」という意味になります。 「脱帽」には「この人にはかなわないと」と、「参った」「恐れ入りました」という気持ちが強く含まれます。 実際に帽子を脱ぐ場合と、自分よりも上であると思った相手に対して敬意を示したい場合に「脱帽」を使います。 「感服」はある物事に深く心を動かされて、服従する気持ちを強く抱くことを表す語です。 『その行い、ものすごく良い!』『その技術はとても素晴らしい!』というニュアンスになります。 何か技術や人の行動に深く感じて、尊重の気持ちを抱くことを表す場合に「感服」を使います。 「敬服」は相手の立ち振る舞いや、その人の特性について深く感銘を受けることを表す語です。 相手の態度や人柄に深く感じて、尊敬し従う気持ちを表す場合に「敬服」を使います。 「感心」は「感動する。深く心に感じること」という意味で、人の行動や物事が優れていると思った時に用いる褒め言葉です。 何か素晴らしいものを見て、『すごいな〜』『偉いな〜』と思うことを表します。 尊敬するという気持ちは含まれず、ただ相手の行動に感動した場合に「感心」を使います。 尊敬する気持ちの度合いとしては、「敬服」>「感服」>「脱帽」>「感心」となります。
例文
「脱帽」「感心」は目上の人に使うべきではない、「感服」は目上の人によっては使用を避けるべき、「敬服」は目上の人に使うことが可能です。 「感心」は上から目線な響きがあります。通常「感心する」は「ものすごく良かったと評価する」という意味で、目上の人が目下の人に使います。 「感心」自体は失礼な言葉ではありませんが、「思っていたよりも...」「評価する」というニュアンスが含まれるため、目上の人に使うのは避けた方がよいでしょう。 「脱帽」にも「相手を自分よりも上だと認める」という、上から物を言うニュアンスが込められます。 ですので、基本的に「脱帽」も同等か目下の人に対して使います。 「感服」と「敬服」は「評価する」という意味合いは含まれず、尊敬する気持ちや憧れの気持ちを表す表現です。 何か目上の人の行動に心を動かされた時は、「感服いたします」「敬服しております」を使います。 「感服した」「敬服した」などと目上の人に言うと失礼なので、敬語を伴って表現するのが基本です。 「敬服」と「感服」とでは、上記でも説明した通り、「敬服」の方が尊敬する度合いが強い言葉になります。 そのため、「敬服」は同等か目上の人にのみ使いますが、「感服」は目下、同等、目上の人にも使うことができます。 よって、「感服」は目下の人に使えるということもあり、失礼に感じる人がいますので、目上の人には「敬服」を使うのが無難でしょう。
例文
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