「しみじみ」の意味は「心に深くしみるさま」「心静かにおちついているさま」です。「しみじみとした気持ち」などと使います。「しみじみする」は正しい表現ではなく、正しくは「しんみりする」です。
「しみじみ」の意味は、 ①心に深くしみるさま ②心静かにおちついているさま ③心からそのように思うさまを表す ④じっと相手を見るさま などがあります。 他にも古く使われていた意味には
などもあります。
「しみじみ」の語源は、「しみじみ」の漢字「染み染み」を見ると自ずとわかります。 「染みる」の意味は「液体などが他の物に移りついてにじむように入り込むこと」です。 それが転じて、心に入り込んでくることを表します。 この「染み」が2回繰り返されて「染み染み」となります。 「しみじみ」の漢字は「沁み沁み」とも書きます。 「沁みる」の意味も同じく「水が染み込む」といった意味があり、そこから「心にしみる」といった意味も持ちます。
「しみじみ」は茨城弁でもあります。 茨城弁での「しみじみ」の意味は「しっかり」「ちゃんと」です。 「しみじみやりなさい」は「しっかりやりなさい」ということになります。
「しみじみ」の古語は「あはれ」となります。 「あはれ」の意味は「身にしみる感動」「風情」「寂しさ」です。 趣深く感じる様子を表す言葉です。
「しみじみ」で名詞を修飾する場合は、「しみじみとした」の形で用います。 「しみじとした表情」「しみじみとした気持ち」などと言います。 副詞的に用いて動詞を修飾する場合は、「しみじみ」または「しみじみと」の形で使います。 たとえば、「しみじみと思う/感じる」ならば、「実感する」といった意味合いになります。 心の底からそう思うこと、心に強く感じることを表します。
例文
「気分が沈んで、憂鬱な気持ちになる」という意味で「しみじみ(と)する」を使うのは誤用です。 まず、「しみじみ」にこのような意味はありません。2つ目の「落ち着いて心静かなさま」という意味と近いですが、これは「陰気なさま」を表しているわけではなく、微妙に違います。 また、「しみじみ」は「しみじみする」と動詞の形で使うのはあまり一般的でなく、大半が副詞として用います。 「気分が下がる」という意味で使うことができるのが「しんみり(と)する」です。 「しんみり」には下記の2つの意味があります。 ①落ち着いてもの静かなさま(「しみじみ」の2つ目の意味と同じ) ②気持ちが沈んで、物悲しいさま 「しんみり」も「しんみりと」の形で副詞的に使うことが多いです。 「しんみり」の類語には「哀愁」「陰気」「愁然(しゅうぜん)」などがあります。
例文
レシピなどで「しみじみ美味しい」という文言が使われることがあります。 これは正式な日本語表現ではありませんが、美味しさを強調するためにたまに用いられる表現です。 胸までいっぱいになるほど美味しく感じることを表します。
「つくづく」の意味は「物事をじっくりと考えたり観察したりして思いにふける様子」です。 「つくづく」の漢字は「熟」です。 なんと「熟」という漢字一文字で「つくづく」と読みます。 「つくづく思う」「つくづく嫌になる」などと使われます。 この場合は、何度も同じ気持ちになるようなことが多いときに使います。 「つくづく嫌になる」は嫌になる出来事が何度も続き、心底嫌になる気持ちを表しています。 また「つくづくと」の形で使われることも多く、「つくづくと感じる」「つくづくと見入る」などと使います。
例文
「つらつら」は「つくづく」と同義です。 漢字も「熟」と同じです。他にも「倩」と書くこともあります。 物事をじっくりと考えたり見たりする様子を表します。 現代では「つくづく」の方がよく使われています。 「日記をつらつらと書く」は「なんとなく手が進むままに日記を書く」といった意味で使っている人も多いかと思いますが、実際には「よく考えて日記を書く」といった意味になります。
例文
「ひしひし」の意味は「身や心に強く感ずるさま」です。 漢字では「犇犇」と書きます。 「犇」は訓読みで「ひしめく(犇めく)」です。 意味は「押し合って騒ぎ立てる」「はしる、牛が驚いて走る」です。
例文
「せつせつ」は、漢字によって意味が異なります。 「切切」の場合は ①心がこもっているさま、情が強く心に迫るさま ②親切で丁寧なさま ③音や声がさびしく身に迫るさま となります。 「屑屑」の場合は ①小事にこだわるさま、こせこせするさま ②せわしく働くさま ③雨などがこまかく降るさま となります。
「ほとほと」は漢字で「殆」「幾」となります。 意味は「困り果てた時やうんざりした気持ちを表す言葉」です。 「ほとほと呆れている」などと使います。 また「すっかり」「ほとんど」といった意味もあります。
「感無量」は「かんむりょう」と読みます。 意味は「感慨がはかりしれないほど大きいこと」です。 「感慨無量」とも言います。 「 感慨にひたる」もほぼ同義であり「深く感じる境地に入り込むこと」です。
「心底」は「しんそこ」と読みます。 意味は「心の奥底」「本心」となります。 「心底思う」とすれば「心から本当にそう思う」といった意味になります。 「心底惚れる」「心底嬉しい」などと使います。
「肺腑」は「はいふ」と読みます。 意味は「肺臓」のことです。 そこから「心の奥底」「心底」といった意味も持ちます。 またそれが転じて「急所」の意味もあります。 「肺腑をつく言葉」「肺腑をえぐる思い」などと使います。
「しみじみ」の英語表現には、
などがあります。
「しみじみ」には、「心に深くしみるさま」「心静かにおちついているさま」「心からそのように思うさまを表す」「じっと相手を見るさま」など多くの意味があります。 「しみじみ」はとても日本的で、微妙な心情を表す言葉です。 「しみじみとした気持ち」などと使います。