「可能であれば」は、「可能であれば○○をしてほしい」というように、「できるようなら、○○をしてほしい」と依頼をする表現として使用されます。ビジネスシーンでもよく使用する表現ですよね。今回は「可能であれば」の意味と使い方、敬語表現を例文付きで解説します。またビジネスで使用できる言い換え表現や英語表現も合わせて紹介しますのでぜひ参考にしてください。
「可能」の意味は、「物事に実現の見込みがあるさま」「物事が実現できるようになるさま」です。 「〜することができる」という意を表すことができます。 「であれば」は、前に述べた事を仮定した場合、そこから導かれる論を伝える際に使う接続詞的な表現です。 「であれば」の「で」は断定を表す助動詞「だ」の連用形、「あれ」は「ある」の未然形、「ば」は仮定を表す接続助詞です。 「○○○であれば、△△△します」というように、「もし○○○だったら、△△△をします」という仮定を表す接続詞として使います。
「可能であれば」は、「可能であれば○○をしてほしい」というように、「できるようなら、○○をしてほしい」と依頼をする表現として使用されます。 例えば「できるようなら、明日また連絡をしてほしい」とお願いをするような場面です。 ただし「可能であれば」は敬語でないため、目上の人に使うことができません。 「可能であれば」の敬語表現を確認していきましょう。
「ならば」は、品詞分解すると動詞「なる」の未然形「なら」+接続詞「ば」となります。 「ならば」は「それなら」という意味で、仮定を意味する接続詞的な表現です。 例えば「AならばB」という使い方で、「AだったらB」という意味になります。 したがって、「ならば」と「であれば」は同義語であるといえます。 「ならば」は口語よりも、論文などかしこまった文章で使用されることが多いです。 ただし、「可能ならば」も敬語表現ではありません。
「可能であれば」は、「可能でしたら」「可能でありましたら」で丁寧語になります。 「可能でしたら」は、品詞分解すると「可能」+丁寧語の「です」の連用形「でし」+助動詞「た」の未然形「たら」となります。 丁寧語の「です」を使用しているため丁寧語であるといえます。 「可能でありましたら」は、「可能」+「ある」の終止形「あり」+丁寧語「ます」の連用形「まし」+「た」の未然形「たら」となります。 「可能でありましたら」も、丁寧語「ます」を使用しているため丁寧語です。
「可能でございましたら」にすると、より丁寧な敬語表現になります。 「可能でございましたら」は、品詞分解すると「可能」+「ござる」+「ます」+「たら」となります。 「ござる」は「ある」の丁重語です。 「ます」は丁寧語です。 丁重語とは、動作の対象ではなく話を聞いている相手に敬意を示すために使用されます。 例えば「昨日から弟の家で勉強をしております」の「おります」は、弟へ敬意を示しているのではなく話を聞いている人に敬意を示している「丁重語」です。 丁重語は、自分をへりくだることで相手に敬意を示すことができる謙譲語の一種で「謙譲語Ⅱ」ともいわれます。 したがって「可能でございましたら」は、丁重語+丁寧語で目上の人に使用できる丁寧な敬語表現であるといえます。
そもそも「可能」かを目上の人に問うのは失礼だと感じる人が多いです。 特に「可能ならば」は、「〜することが可能か」という意味なので、相手によっては、相手の能力を低く見ている・見下していると認識されてしまう恐れがあります。 同じく「不可能でしたら」なども不適切です。 目上の人に対してやビジネスシーンでは、「可能ならば」を他の言葉に言い換え、かつ尊敬語または謙譲語の文章を続けるのがベストでしょう。
「差し支えなければ」は「さしつかえなければ」と読みます。 「差し支え」は、「不都合」「さまたげ」「支障」という意味です。 つまり「差し支えなければ」とすると、何事かを依頼するに当たって、それが相手にとって都合の悪いものでなければ、と条件付けた上で依頼する表現となります。 簡単に言うと「差し支えなければ」は、「都合が悪くなければ」という意味です。 「差し支えなければ」はクッション言葉なので、依頼やお願いをする前に付けて使います。 「差し支えなければ」は、相手に何かを依頼するだけではなく、「都合が悪かったら断っても構いません」という相手に選択の余地を与える表現になります。
例文
「よろしければ」は「よかったら」という意味で、相手に何かを依頼するときに、その前に相手にお伺いをたてるときに使う表現です。 「よろしければ」は、「相手に質問をする時に相手の都合に従う・また相手に何かの選択肢を選んでもらうとき」に使用します。 例えば、「○○してください」とだけ言ってしまうと、相手が依頼をうけてくれることを前提で話を進めているニュアンスになってしまいますが、「よろしければ○○していただけませんか?」とすることで「依頼を受けるかどうか」の判断は相手にまかせるという意味合いになります。 「よろしければ」を使うことによって、頼みごとをする時などに押し付けがましさがなくなります。
例文
「不都合でなければ」は、相手の都合を聞く場合に使う言葉です。 相手の都合に合わせるという言い方になるので、非常に柔らかく丁寧な言葉になります。 「不都合でなければ」は「ご都合がよろしければ」と言い換えることもできます。 「不都合でなけでば」も、「不可能であれば断ってもよい」といった意味を含む表現です。
例文
「可能であれば」の英語は「if possible」です。 「if it is possible」の「it is」が省略された形ですが、ビジネスメールでもそのまま使えます。 「if you can」も使えますが、「if possible」の方が堅い響きがあります。
if possible, I would like to ask for your cooperation.
可能であれば、ご協力を仰ぎたい。