「ございます」という言葉をご存知でしょうか。日常会話だとやや大袈裟に感じてしまう「ございます」ですが、ビジネスシーンでは取引先とのやりとりや改まった席などでよく使われる表現です。そこで今回は「ございます」の意味や使い方、「おります」「いらっしゃいます」との使い分けについて解説していきます。敬語を使用する際は”これで正しいのか”、”これで間違っていないか”などと戸惑いがちです。「ございます」を正しく理解して上手く使いこなせるようにしましょう。
「ございます」は漢字だと「御座います」と書きます。 「ございます」は「ござる」+丁寧語「ます」で成り立っています。
「ございます」は、
になります。 「〜である」の丁寧表現「ございます」は、「〜だ」の丁寧表現「です」よりもさらに丁寧な言い回しになります。
敬語は3種類あります。
▶︎尊敬語 相手の動作を高めることで、その人に対しての敬意を表す敬語 「いらっしゃる」「お名前」など ▶︎謙譲語 自分の動作をへりくだり、相手を高めて敬意を表す敬語 「申し上げる」「伺う」など ▶丁重語 自分の動作をへりくだる敬語 高める相手がいない場合に用いる 「申す」「参る」など ▶︎丁寧語 高める相手の有無を問わず、丁寧な言葉遣いで相手への敬意を表す敬語 「ございます」「です・ます」など ▶美化語 上品な言葉遣いで相手への敬意を表す敬語 「お食事」「お野菜」など
「ございます」は尊敬語や謙譲語ではなく、”丁寧語”に当たります。 敬意の度合いで言うと、尊敬語や謙譲語よりも低くなります。
「ございます」は「あります」を丁寧にした表現になります。 ビジネスシーンでは、取引先など目上の人に対して「ございます」を使うことによって、相手に丁寧な印象を与えることになるでしょう。 使い方としては、
などとなります。 「あります」と言うよりも「ございます」と言った方が丁寧さが伝わりますよね。
例文
「ございます」は動詞だけでなく、”補助動詞”として使う場合があります。 ”形容詞+ございます”という形で用います。この場合、接続する形容詞はウ音便にしなくてはなりません。 ”ウ音便”とは、語中・語末の「く」「ぐ」「ひ」「び」「み」などが「ウ」の音に変化することです。 例を挙げると、
などとなります。 補助動詞「ございます」が接続できるのは、形容詞だけで、形容動詞には結ぶことはできないので注意しましょう。例えば「親切だ」は形容動詞になるので、接続助詞「で」を入れて「親切でございます」とします。
例文
「〜ますでしょうか」は「ます」+「です」と丁寧語が二つ含まれているため、二重敬語となります。 「ございますでしょうか」は「ありますか」を意味しています。 「ございますでしょうか」は丁寧に聞こえますが、敬語としては間違いです。 二重敬語は過剰な敬語表現と思われるため、なるべく使用は避けた方が良いでしょう。 「ございますでしょうか」の正しい表現は「ございますか」となります。 「ございますか」でも十分敬語になっているので、これ以上丁寧にする必要はありません。
「あります」は「ある」を丁寧にした表現になります。 「あります」は、
になります。 「ございます」は「あります」と意味と用法が同じなので、言い換えることができます。 2つの違いとしては、「ございます」の方が丁寧さの度合いが高いです。 取引先やお客様など目上の人に対しては、「ございます」を使うのが良いでしょう。
例文
「おります」と言うべきところを「ございます」と言ってしまわないように注意しましょう。 「ございます」は「ある」の丁寧な表現に対して、「おります」は「いる」の丁寧な表現です。 例を挙げてみると、
(正)書類に関してはあちらの机の中に入っております。 =>「入って“いる”」のため「おります」が正しい
(正)◯◯はただいま外に出ております。 =>「外に出て“いる”」のため「おります」が正しい
(正)その商品は当店で取り扱っております。 =>「取り扱って“いる”」のため「おります」が正しい
「いらっしゃる」は「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語です。 ”尊敬語”は相手の動作を高めることで、その人に対しての敬意を表す敬語になります。 一方で「ございます」は丁寧語なので、言葉遣いが丁寧なものであることを示すことによって相手への敬意を表す敬語です。 敬意を表すべき相手のことを述べる場合は、「ございます」よりも「いらっしゃいます」を使うのが良いでしょう。
(正)△△様でいらっしゃいますか。
(正)◯◯様のお住いはどちらでいらっしゃいますか。
(正)私は北海道出身でございます。
(正)ご注文いただいた商品でございます。
「ございます」だと相手に対する敬意が含まれないので、相手のことを述べる場合は「いらっしゃいます」、自分やものについて述べる場合は、「ございます」を使います。
◯「ありがとうございます」・・・現在進行中の事柄に対して使う ◯「ありがとうございました」・・・過去のことや、間も無く終わりそうな事柄に対して使う
お礼を言うときに、「ありがとうございます」か「ありがとうございました」のどちらを使えば良いのか迷ってしまうことがありますよね。 「ありがたい」は”人の好意などに対して、めったにないことと感謝するさま”を表します。 「ありがとう」は「ありがたい」を変化した言葉で、感謝の気持ちを示すときに使います。 「ありがとう」に「ございます」をつけることによって、より丁寧な表現となります。 例えば「先日はお越しいただきありがとうございました」を「先日はお越しいただきありがとうございます」と述べることもできますが、”先日”と過去のことを表す入っているので、「ありがとうございました」と過去形にするのが自然になります。 過去のことについての感謝は「ありがとうございました」、直前のことへの感謝は「ありがとうございます」としましょう。
「ございます」の英語は、
で表現することができます。 例文を見てみましょう。
Do you have the time?
お時間ございますか?
There is a different color for the same size.
同じサイズで異なる色がございます。
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「ございます」について理解できたでしょうか? ✔︎「ございます」は「あります」を丁寧にした表現 ✔︎「ございます」は”丁寧語”に当たる ✔︎「あります」と「ございます」は意味も用法も同じだが、目上の人には「ございます」を使うのが良い ✔︎「ございますでしょうか」は二重敬語、正しくは「ございますか」になる