ディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌「ありのままで」で一気に有名になった「Let it go.」というフレーズ。「ありのままで」という和訳は正確には正しくありません!今回は「let it go」の正しい意味とネイティブの日常会話での使い方を解説します。
※音声付き例文がありますので、発音の確認にお役立ちください。音声はアメリカ英語になっています。
ネイティブが日常会話で使う「let it go」の意味は下記の3つです。 <1> 何もしない、放っておく <2> 諦める、忘れる <3> 売る 「let it go」を直訳すると「それを行かせる」となりますが、そこから転じてこれらの意味になりました。(使役動詞「let」の解説は下記でします) ネイティブが一番よく使うのは、悩みや怒りがあったり、トラブルに巻き込まれている家族や友人に対してアドバイスをするときです。 「Let it go!」と命令文にして「そんなこと忘れなよ」「それは放っておいた方がいいよ」という意味で使います。(<1>と<2>の意味は少し近いので、どちらで訳しても問題ないことが多いです)
アドバイスで「let it go」を使う際の注意点を下記にまとめました。
アドバイス「let it go」の注意点 ①「let」を命令文で使うとき、そのフレーズはかなり強いニュアンスになります。なので小さな悩みを持ってる人に対して「let it go」と言うのは少し大げさかもしれません。何かに対して強烈な怒りがある人やどうすることもできない悩みに対するアドバイスとして最適です。また「should」を使って命令文は避けた方が無難だと思います。 ②「let it go」は、具体的な解決策を提案しているわけではありません。つまり「具体的な解決策がない悩み」に対してのアドバイスです。 具体的なアドバイスを求めている人に対して「let it go」というのは「こいつテキトーなやつだな」と思われるかもしれません。 具体的な解決策がなく、ただ悩みを聞くことだけに意味がある場合は「let it go」は便利なフレーズです。そのため心理カウンセラーなどはよくこのフレーズを使います。
「let it go」の「it」は何を指すのでしょうか? <1>と<2>の意味における「it」は、何かを直接的に「それ」と示すのではなく、抽象度の高いニュアンスで、「相手の感情、思考、意識」などを漠然と意味します。「it」のニュアンスは、文脈の中で理解します。 「it」の他にも、「her」「him」などを目的語にとり、 「let him go」で「あいつは放っておけ」という意味になります。 「let him go from his job」とすると、「彼を職からやめさせる」という意味になります。 「let it go」は「let go of it」としても同じ意味です。 「let it go at that」「let it go at this」という表現もあります。これは「let it go as it is」と同じで、「それ以上問題にせず、そのままでよいとする」という意味です。 「let it go at this point」とすると「この点に関しては放っておこう」という意味になります。 「let it go to one's head」は「うぬぼれる」「得意になる」という意味のイディオムです。 否定文で「うぬぼれるな」と使うことが多いです。 あまり説明しませんでしたが、<3> 売る という意味もあります。この場合の「it」は何か具体的な物を指します。その「it」を「go」させるわけなので、「手放す」という意味になり、「売る」という意味になりました。通常「let it go for 値段」というフレーズになります。
I guess you should just let it go.
放っておいた方がいいと思うよ。
You should let it go and move on with your life.
もう忘れて、人生次のことしようよ。
I can’t let it go at this.
このままでは気がすまない。
We will let it go at this point for a moment and discuss another topic.
本件は一旦保留にし、その他の問題について話し合いましょう。
The car is clearly worth a lot more, but she agreed to let it go for a thousand dollars.
車は明らかにもっと値打ちがあるのに、彼女は1000ドルで売ることに同意してしまった。
Hey, don’t let it go to your head, okay?
おい、調子に乗るなよ、いいな?
「let」は「have」「make」「get」と仲間の使役動詞です。 主語+「let」+目的語+動詞の原形(...) の語順で、 <主語>が<目的語>を...させる という意味になります。 目的語は、人・物のどちらでも構いません。 目的語が長い場合は、「let」の直後に動詞がきて、目的語が後回しになります。 皆さんが一番よく知っている「let」の使い方は、「Let's go!」の「let」ではないでしょうか? この「Let's」は「let us」の略です。 「let us go」は直訳すると「私達に行かせろ」という意味の命令文です。ここから「行こう」という意味で使われるようになりました。 「let」の使い方をより深く理解するために、いくらか例文も載せておきます。
Please let me know if you need any help.
何か助けが必要だったら、知らせてください。
He let slip a very awkward word.
これはかなり気まずい言葉を言ってしまった。
「Let it go.」というフレーズは、ディズニー映画の『アナと雪の女王』で日本では有名になりました。 曲のタイトルは「ありのままで」となっており、曲中では「♫ありの〜ままの〜」と歌われています。 「let it go」の意味は「何もするな」「放っておけ」「忘れろ」ですから、「ありのままで」は少しニュアンスが違う気がします。 「ありのままで」を英訳するなら、「Be yourself」「Just stay who you are」「You are who you are」などです。 なぜこのような和訳がなされたのでしょうか? その理由は「Let it go」を歌っている「アナ雪」の主人公「エルサ」の英語での口の動きと日本語での口の動きを合わせる必要があったからです。 「♫レリゴ〜レリゴ〜」と歌っており、伸ばす箇所の母音は「オ」です。そのため「ありの〜ままの〜」としました。日本語の「の」も母音は「オ」ですよね。翻訳家の試行錯誤の上この和訳がなされました。
「let it go」と似ている有名なフレーズがあります。 ビートルズの名曲「Let it be.」です。 違いは何でしょうか? 和訳はどちらも「放っておく」です。 違いは「go」と「be」だけです。 「go」は「行く」という意味なので「let it go」の「it」は動くもので、 「be」は「在(あ)る」という意味なので「let it be」の「it」は動かないもの、 と解釈することができます。 つまり、 「let it go」の「it」は「相手の感情や思考、意識」など能動的に変化させることができるもので、 「let it be」の「it」は「相手の置かれている状況」など能動的に変化を起こすことができないものを指します。
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