「おられる」は「居る」「〜している」の尊敬語です。また、「いる」の可能を言い表す言葉でもあります。「○○様がおられる」など、使用頻度の多い言葉だと思いますが、正しく使用することができているでしょうか。今回は「おられる」の正しい意味と使い方を例文付きで紹介します。「おられる」の類語・言い換え表現も合わせて紹介しますので是非参考にしてください。
「おられる」は、「おる」の未然形+尊敬・可能の助動詞「れる」でできている言葉です。 無生物の存在を表す「ある」に対して、「いる」とともに人や動物の存在を表すのが「おる」です。 江戸時代では「いられる」という形で使用されていますが、近代では「おられる」という形で尊敬語として使用されています。 「おられる」の正しい漢字表記は「居れる」ではなく「居られる」です。
関東の人は「おられる」という敬語に違和感を覚える人も少なくありません。 それもそのはずで、「おられる」は西日本・関西を中心に使われる言い方であり、例えば「人がいる」を「人がおる」と使ったりします。 関東の人がスピーチなどであえて「おられる」を使用することもありますが、古めかしい響きがあるため日常生活では使用しないという人が多いです。
「おられる」は「いる」の尊敬語です。 例えば、「社長が駅にいる」というように「○○にいる」ということを敬意を示して言い表す言葉が「おる」です。 「おられます」などと丁寧語「ます」と組み合わせて使います。 「おられます」で、尊敬語+丁寧語の正しい敬語表現になり、目上の人に対して使用することが可能です。 尊敬語は、相手のことを高めて表現することで相手に敬意を示す敬語表現です。 丁寧語は、「です」「ます」のように文末につけることで文章全体を丁寧にします。
例文
「おられる」は、「〜ている」という尊敬語でもあります。 「覚えておられる」など、相手の状態などを言い表す場合の補助動詞として使用することができます。 「〜されておられる」は誤用です。 「されておられる」は、「する」の尊敬語と「される」と「いる」の尊敬語「おられる」で、二重敬語になってしまいます。
例文
「おられる」は、「いる」の可能を意味で使用することもできます。 簡単にいえば、「いることができる」「存在することが可能である」という意味です。 「いる」の場合は本動詞になります。 本動詞で使用する場合、例えば「〜のお陰で今この場に自分がいることができている」ということを言い表す場面で使用します。 しかし、「おられる」は「尊敬語」として認識されていることが多く、「可能」の意味で使用することに違和感を覚える人が多いです。 そのため、可能であることを言い表したい場合のほとんどは、「できる」に言い換えて使用されます。
例文
「ご飯を食べている」というように「〜している」という補助動詞で使用することもできます。
例文
尊敬の「おられる」の類語・言い換え表現には、「いらっしゃる」「おいでになる」があります。
「いらっしゃる」は、「居る」「在る」「来る」「行く」の尊敬語です。 使い方は、「おられる」と同じです。 丁寧語「ます」をつけた「いらっしゃいます」の形で使用されることが多いです。 上述したように「おられる」に違和感がある人は「いらっしゃる」を使用しても問題ありません。
例文
「おいでになる」は、古語の「出づ」に尊敬を表す接頭語の「お」と「になる」をつけた表現で、「来る」「行く」「いる」という意味の尊敬語です。 「いらっしゃる」とは同義語であたりますが、ビジネスシーンでは「いらっしゃる」という尊敬語よりも若干、敬意をしめした言葉として使用されることがあります。
例文