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「したい」の敬語を徹底解説!ビジネスメールでの使い方も解説

「したい」は自分の願望を表す表現です。ビジネスシーンでも願望を言い表す場面は非常に多いと思いますが、正しく敬語表現に変えることができているでしょうか。今回は「したい」の正しい敬語表現と使い方を例文付きで紹介します。

「したい」の謙譲語

謙譲語とは、話し手または話し手側の者自身やその所有物や動作、状態等をへりくだって表現することにより、相手や話中の人に敬意を表す敬語表現です。 謙譲語には、

  • 謙譲表現として用いられる特定の語。拝見(はいけん)など。
  • 謙譲の意を含む特別な語を用いるもの。奉る(たてまつる)など。
  • 普通の語に謙譲の接頭辞または補助動詞を付加するもの。「ご配慮」「招待申し上げる」など
などがあります。

また、謙譲語の一種で、「謙譲語Ⅱ」ともいわれる敬語に丁重語があります。 丁重語は、自分をへりくだる点で通常の謙譲語と共通していますが、動作の対象ではなく、話し相手に対して敬意を示す点で異なります。

いたしたい

「いたしたい」は、

  • 「する」の丁重語「いたす」
  • 願望を表す助動詞「たい」

をつけた敬語表現です。

「いたしたい」の例文

  • 明日はこちらのレストランで朝食といたしたい。
  • 可能なのであれば、そのようにいたしたい。
  • 来週ご挨拶に伺いいたしたいです。

したく存じる

「したく存じる」は、願望を表す助動詞「したい」に「思う」の丁重語「存じる」をつけた敬語表現です。 「したく存じる」は「〜したいと思う」という意味で、ストレートに「したい」と伝えるよりも相手に迷惑や負担をかけることを配慮している気持ちが含んで希望を伝えることができます。 丁寧語「ます」と併用して「〜したく存じます」とするとより丁寧です。

「したく存じる」の例文

  • 確認のため、お時間を頂戴したく存じる。
  • 内容が決定し次第、ご連絡したく存じます。
  • 再度ご提出をお願いしたく存じます。

したいと思っておる

「したいと思っておる」は、願望を表す助動詞「したい」と、助詞「と」、「いる」の丁重語の「おる」を使用した敬語表現です。 ただし「〜したいと思っておる」では丁寧さに欠けるため、「したいと思っておる」に丁寧語「ます」をつけた「したいと思っております」の形で使います。

「したいと思っておる」の例文

  • 来月直接お聞きしたいと思っております。
  • ○日の説明会にて詳しい内容をご案内したいと思っております。

させていただきたい

「させていただきたい」は、「させてもらう」の謙譲語「させていただく」と願望を表す助動詞「たい」を使用した敬語表現です。 「させていただく」を使用するときは、相手からの許可が必要で、またそれを実行した場合こちら側に恩恵のある行為をさせてもらう時です。 許可が必要というのは、許可を得てからでないと使えないという意味ではありません。 相手からの許可が必要なことを自分がするときに使用するということで、「お休みさせていただきたい」「日程を変更させていただきたい」などが正しい使い方になります。 例えば、「ご挨拶させていただきたい」は不適切です。 なぜなら、挨拶をするのに許可をとるのは不自然だからです。 実際には許可を得ないことに対しても相手を配慮し謙遜表現として使用することがありますが、慇懃無礼(丁寧すぎてかえって失礼)にあたることがあるので「させていただきたい」を使用するときは注意しましょう。

「させていただきたい」の例文

  • 間違いがないかもう一度確認させていただきたい。
  • 大変恐縮ですが3日(火)はお休みさせていただきたいです。
  • 本日12時頃に改めてご連絡させていただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか。

拝見・拝読したい

「したい」は、謙譲語の熟語と組み合わせて敬語表現にして使用することもできます。 例えば、「見る」の謙譲語「拝見」を使用した「拝見したい」は、「見たい」という願望を丁寧に伝える敬語表現です。

  • 拝見したいです
  • 拝見したいと存じます

というように使用します。 「拝読したい」は、「読む」の謙譲語「拝読」を使用した敬語表現です。 「読みたい」という願望を丁寧に伝えることができます。

「拝見したい」の例文

  • 何か資料があればぜひ拝見したいです。
  • ぜひ一度、実際に作っているところを拝見したいです。

「拝読したい」の例文

  • さっそくいただいた本を拝読したいです。
  • 広告を見てぜひ拝読したいと思い、すぐに書店へ向かいました。

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「したい」の丁寧語

丁寧語とは、聞き手や読み手に対して丁寧にいう語です。

  • 文末につけて文章全体を丁寧にする(「です」「ます」)
  • 言葉を上品に美しく言い表そうとする美化語(お菓子の「お」)

があります。

したいです

「したいです」は、願望を表す助動詞「したい」に丁寧語「です」をつけた敬語表現です。 ただし、丁寧語では相手に対して敬意を示すことができません。 上司など敬意を示すべき相手に対して使用するときは、敬意を示せる尊敬語や謙譲語を使用する必要があります。 例えば、「見る」の謙譲語「拝見」を使用して「拝見したいです」などであれば問題ありません。

「したいです」の例文

  • 彼女と食事がしたいです。
  • できればここでイベントを開催したいです。

したいと思います

「したいと思います」は、願望を表す助動詞「したい」と、助詞「と」、「思う」に丁寧語の「ます」をつけた敬語表現です。 「〜したいと思います」も、敬語表現ですが丁寧語では敬意を示すことができません。 目上の人に使用する場合は、より丁寧な敬語表現を使用しましょう。 自分と同等の立場の人間や、目下の相手であれば「したいと思います」でも問題ありません。

「したいと思います」の例文

  • 結果は後日電話連絡したいと思います。都合の良い時間帯はありますか?
  • 次回の企画には、私も携わりたいと思います。
  • 様々な意見を踏まえた上で、実行に移したいと思います。

「したい」の尊敬語

尊敬語とは、聞き手や読み手や相手側の人物、または話題の中の人物の動作・状態・ものごとについて、その人物を高めていう語です。 尊敬語には、

  • 尊敬を表す特定の語(「いらっしゃる」など)
  • 普通の語に尊敬を表す接頭辞をつけるもの(「ご意見」など)
  • 「お〜なる」という形式を用いるもの(「お書きになる」など)

があります。

なさいたい

「したい」の尊敬語は「なさいたい」です。 「する」の尊敬語「なさる」と願望を表す助詞「たい」を使用した敬語表現です。 例えば「○○先生はどうなさいたいですか?」など、相手の願望を訪ねる場面で使用します。 尊敬語は相手の動作を高めるときに使用するので、自分の「したい」という願望を伝えるときに使用することはできません。 「私は○○なさいたいです」という使い方はできないので注意しましょう。

「なさいたい」の例文

  • こちらの書類を一度確認なさいたいそうです。
  • 流失してしまっている個人情報を削除なさいたいと相談がありました。

されたい

「されたい」は、「される」に願望を表す助詞「たい」をつけた敬語表現です。 「される」は「する」の未然形に助動詞の「れる」がついた言葉です。 助動詞「れる」には「自発」「受身」「可能」「尊敬」の意味があります。 目上の人の動作を高めて敬意を示すために使用される助動詞「れる」は尊敬を表し、例えば「部長は○○されたい」というように、目上の人の願望を言い表すときに使用することが可能です。 ただし、上述しているように助動詞「れる」には他にも「自発」「受身」「可能」の意味もあるため、わかりにくいです。 例えば「渡したい」を尊敬語で伝えるなら「渡されたい」よりも、「お渡しになりたい」などのほうがわかりやすいです。 「お渡しになりたい」は、尊敬を表す接頭辞「お」と助動詞「なる」と願望を表す助詞「たい」を使用した敬語表現です。

「されたい」の例文

  • 社長は、明日お休みされたいそうです。
  • どこかお食事をされたい場所はありますか?

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