「つらつらと」には全く違う2つの意味があります。それぞれ漢字も違い全く異なる使い方をするので注意が必要です。片方の意味のみしか知らず誤用している人が多いので注意が必要です。そんな「つらつらと」の意味と使い方を徹底解説していきます。
問題事項について、見過ごしている点はないか、一方的な見方になってはいないかなど、再度広い視野をもって深く考える様子を表す言葉です。 「つらつらと」は副詞であり、「思う」「考える」などの動詞と併用し、「つらつらと思うに」「つらつらと考えるに」などが定型句です。 ちなみに「つらつら」だけでも使います。 稀に「つらつら(と)眺める」で「じっと見つめる」という意味になります。 「つらつら」という響きから、「つらつらと」を「なにも考えず。なんとなく」の意で使うのは間違いです。
「熟々/倩々」の例文
「滑々/連々」だと「止まることなく書き進める」というように、なめらかですべるような様子を表す言葉になります。 日常会話で使う「つらつら」は、こちらの意味の場合が多いのではないでしょうか。 一つ目だけを正しい意味だと解釈し、この意味で使うのを誤用とする見方がありますが、その捉え方が誤りです。 「つらつらと書く」「つらつらと綴る」「つらつらと述べる」「つらつらと話す」「つらつらと読む」「つらつらと流れる」などが定型句です。 「涙がつらつらと流れる」というように、様子を印象づける文学表現として小説などでもよく使用されます。
「滑々/連々」の例文
「つらつら」は大和言葉で古くからある言葉です。 万葉集、徒然草などでも「じっと見つめる」という意味で「連連(つらつら)」が使用されています。 中世以前も古語として使用されていて、「平家物語」などの影響を受けている文学作品では「倩」の漢字を使って表記されています。 漢字は当て字です。 「熟」の意味は「熟れる」「じゅうぶんに」「煮る」「くわしく」です。 「倩」の意味は「美しい」「むこ」「やとう」です。 「熟考」という言葉があるように、「熟」は「じっくり」「じゅうぶんに」という意味で使用される漢字です。そのため、「深く考える」という意味で「熟」を当てたと考えられます。 「倩」は「深く考える」という意味との結びつきの由来は不明です。 「滑」「連」の漢字は意味が連想しやすいと思います。 「滑」の意味は「すべる」「なめらか」「ぬめる」という意味です。 「連」の意味は「つらなる」「ひきつづいて」という意味です。 なめらかに、とまることなく連なっていくという意味で「滑」「連」を当てたと考えられます。
「つくづく」の意味は「念を入れて見たり、考えたりする様子」です。 例えば、あれこれと思いをめぐらし、自分なりの結論に達したあとに「全くその通りだ」と感じ入る様子に「つくづく」という言葉を使用することができます。 漢字で表記すると「熟」となります。 「つくずく」ではなく、「つくづく」なので注意しましょう。
「よくよく」の意味は「念には念をいれて物事をする様子」「十分に」です。 「よく考える」というように、「よく」だけでも「十分に」という意味がありますが、「よくよく」と重ねることで意味を強めています。
「重ね重ね(かさねがさね)」には、2つの意味があります。 一つ目の意味は、「何度も」という意味です。 「同じようなことを繰り返す様子」を言い表し、「重ね重ね注意する」といった使い方をします。 2つ目の意味は、「念を入れて言う様子」です。 「重ね重ね申し上げます」といったように、落ち度がないように深く注意する様子を言い表すことができます。
「念入りに」は「注意深いこと」です。 細かい点まで注意を払って、丁寧にする様子を「念入りに」と言います。 「念」には「思い・気持ち」という意味があり、思いや気持ちが込められていることを言い表すこともできます。 「念入りに○○をする」「念入りな○○」といった使い方をします。
「つるつると」は、「動きがなめらかで、すべる様子」です。 また、「表面がなめらかで、光沢のある様子」という意味があります。 「ラーメンをつるつると食べる」といった使い方をします。
「ぺらぺらと」の意味は、「流暢(りゅうちょう)に話す様子」です。 口が軽くて言わなくても良いことまで、話してしまう様子を言い表すこともできます。 「ぺらぺらと理由を話しはじめた」といった使い方をします。
「浅はか」の意味は「考えが不十分なさま」です。 考えが浅く、信頼するに足りない場合に使用されます。 「浅はかな考え」「浅はかな人間」といった使い方をします。
「短絡的」の意味は、「物事の筋道を深く考えずに、性急に原因と結果を結びつけてしまうこと」です。 考えが足りなかった、単純に考えすぎる様子を言い表すことができます。 「短絡的な人」「短絡的思考」といった使い方をします。
「つらつらと書く」の対義語は「遅筆」です。 「遅筆(ちひつ)」の意味は「文を書くのが遅いこと」です。 筆の進みが遅く、なかなか書き進められない様子を言い表します。 「遅筆な作家」「遅筆である」といった使い方をします。
「つらつら」には「なめらか」という意味があるので、その対義語は「ざらざら」があたります。 「ざらざら」は「手触りや見た感じが荒く滑らかではないさま」を指します。
「つらつらと考える」の「つらつらと」の英語表現は、
You should think about the Japanese economy deeply enough to find policies to be improved.
改善すべき政策が見つかるまで、日本経済をつらつらを考えるべきだ。
「つらつらと書く」の英語は、
などと表すことができます。
Once she started writing, her hand never stopped.
彼女は始めからつらつらと書き続けた。